粘葉装
書籍の装丁の一種
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解説
粘葉装は二つ折りにした紙の山の部分に細く糊をつけ、それを綴じ代として重ね貼り合わせることにより本の形にし、その上にさらに表紙を糊でつけたものである[3][4]。この装丁は、本を開いたときに紙が平らに開き切るところと開き切らないところが交互に現れることになり、その開き切らないページがあたかも蝶が羽を広げて止まっているかに見えることから「胡蝶装」とも呼ばれるという[5]。粘葉装という呼称は、江戸時代に藤原貞許が言い始めたともいわれる[要出典]。
もと唐の時代に始まり宋や元の時代にわたって用いられた装丁であり、それが平安時代初めのころに遣唐使によって日本に伝わったものである[6]。中国大陸では薄い紙に本文を木版で印刷して裏側はそのまま白紙とし、印刷した側を二つに谷折りにして裏の綴じ側に細く糊をつけることで、開き切るところに本文、開き切らないところに何も書かれていない白紙の裏側が交互に出ることになる[5]。一方で日本では、本文の用紙に雁皮や三椏などを材料とした厚手の紙を多く使い、紙の裏側にも本文を記したので、紙の両面に文字を記すため、白紙となるところがなかった[5]。
この装丁は古くは仏書や辞書、また和歌集など分野の隔てなく使われた[7]。しかし綴じ代の糊が効かなくなると本紙がばらばらになり本の体裁をなさなくなってしまうこと、また糊が紙魚のよい餌となり、綴じる側が食われてぼろぼろになるなどの欠点があった[8]。それにより粘葉装は時代が下るにつれて次第に使われなくなり、かわりに粘葉装に比べれば糊の使用量の少ない袋綴じが多用されるようになった。粘葉装の宋代の版本も袋綴じに改装され、当初の装丁のままのものは現存しないとされる。