自らが修行や努力を行なうことで自らがそこからの利益を受け取ることと、自らがその得た利益を人々の救済のために用いるということである。この2つか完全に行なわれている状態であるのが大乗仏教の理想であるとのこと[1]。
この自利利他とは大乗仏教の基本的な教えの1つであり、大乗仏教では自分自身の悟りを求めるのみでなく、すべての人々を苦しみから救うということを実践するというのが理想とされている。これは菩薩の生き方であった[2]。菩薩は上に対し自らのために菩提を求め、下に対しては衆生を導くということを実践していた。このことは『大無量寿経』に述べられている。そこでは人を悪く言うことで、自らも他人も苦しめるということから離れよとされている。その反対に善い言葉を使い、自らも他人も幸せにする自利利他を実践するように述べられている。『十住毘婆沙論』の龍樹の教えでもこのことが述べられており、そこでは他人を幸せにすることは自分を幸せにすることであるとされている[3]。