荒天
From Wikipedia, the free encyclopedia
シビア現象の概念
シビア現象(シビアげんしょう)は、急な強い雨、落雷、突風、激しい風雨に対して使われることがある気象用語だが、学術的に定着するには至っていない[2][3][4]。
英語の気象用語では、severe weatherやsevere stormに対応する。この2つは、破壊的な嵐(ストーム)全般、特に強いthunderstorm(雷雨)、hailstorm(雹嵐)、竜巻などの激しい地域的な嵐に対して用いられることが多い[3][5][6]。この2つはシビアウェザー、シビアストームと転写したり、荒天の訳を充てることがある[7]。
「severe weather」を台湾では「劇烈天氣」と訳す[8]。中国大陸部では、激しい対流に伴う短時間強雨、雷雨、突風、雹、竜巻などを総称する用語に「强对流天气」(severe convective weather)がある[9]。
より広範には、熱帯低気圧・台風、温帯低気圧、積乱雲や組織化したメソ降水系などの対流システム、積乱雲を母体に生じる竜巻やダウンバーストなどの擾乱をも指すことがある[3]。
シビア現象の予報
晴れた夏の昼過ぎの雷雨(気団性雷雨、不安定性降雨または夕立)[11]のように、急速に発達する積乱雲に伴う風雨や雷などのシビア現象は、局地的で現象の進行が早い。予測の難しい現象が多く、確度の高い予報のリードタイムは短いが、現象の理解を深める研究、数値予報モデルの高度化や観測データの拡充が進められ、予報も改善が図られている[3]。
アメリカ
アメリカでは、国立気象局(NWS)にストーム予測センター (Storm Prediction Center, SPC)が設置されており、雷雨や竜巻の予想・監視を担っている。SPCが発表するシビア現象の情報は以下のとおり(2026年時点)[12]
- Convective Outlooks: アメリカ合衆国本土(48州)を対象に、(一定基準を超える)激しい雷雨(severe thunderstorm)および基準以下の雷雨(non-severe thunderstorm)の可能性を、1日後、2日後、3日後、4-8日後それぞれ予測し発表する。確率の高さと激しさにより5段階に区分され、地図上に表示され、解説文が付く[12]。
- Mesoscale discussions: 本土を対象に、今後6時間の、激しい雷雨の可能性を予報。影響を受ける地域および影響が懸念される地域が地図上に表示され、解説文が付き、3時間後まではより詳細に予報される。強い雪、地吹雪、着氷性の雨などの冬の現象も対象[12]。
- Severe Weather Watches: 警報・注意報体系のうち、激しい雷雨の注意報(Severe Thunderstorm Watch)と竜巻注意報(Tornado Watch)は、SPCが発表を担当する。一方、激しい雷雨の警報(Severe Thunderstorm Warning)と竜巻警報(Tornado Warning)は、地元の気象局(日本の気象台にあたる)が担当する[12]。
- Fire Weather Outlooks: 山火事のリスクの8日間予報。地図上の表示と解説文からなる[12]。
日本
日本では、気象庁本庁にシビアストーム監視班が置かれ、2019年6月からは全国を対象に、急な雷雨や突風などを一元的に予想・監視して各気象台に情報提供を行うほか、竜巻注意情報や記録的短時間大雨情報の発表を担当している[2]。
航空気象では、航空機に危険を及ぼす乱気流、落雷、着氷などを引き起こす気象現象を重点的に予報・監視する。日本の気象庁の場合、空域情報として悪天予想図・解析図、空域悪天情報(シグメット)を発表し、飛行場予報でも詳しい状況を伝達する。雷は雷監視システム(LIDEN、ライデン)、ダウンバーストはドップラー・レーダーやドップラー・ライダーによる監視が行われている[13][14][15][16][17]。
中国
中国では、中国気象局に「强天气预报中心」という予報部門が設置され、「强对流天气」の予報を担当している。全国スケールで3日後までの强对流天气、短時間強雨、激しい雷雨の発生の恐れのある地域と、確率分布を地図上に表示する予報が行われている(2026年時点)[18][19]。