寛政の時代、神田でおでん屋を営んでいた忠蔵という男が、本業の片手間に根岸で捕まえたスズムシを販売していた。売れ行きが思いの外好調であったことから忠蔵はおでん屋を畳み、虫売りへと転業し、本格的に取組み始めたのが、虫売りの起源とされる。忠蔵は瓶に入れた土に産ませた卵を室内で温め、孵化させ、野生のスズムシよりも早く成虫に育て(いわゆる養殖)、高値で売り出すことで莫大な利益を得た。
その後、増加する虫売り業者に規制が加えられる[1]など、江戸時代を代表するひとつの大衆文化として捉えられるようになり、小泉八雲によって江戸の文化として紹介がなされている。