このプロセスには、二次リンパ器官の胚中心で起こる2つの相互に関連したプロセスが関与していると考えられている。
- 体細胞超変異:免疫グロブリン遺伝子の可変性、抗原結合性のコーディング配列(相補性決定領域(CDR)と呼ばれる)に生じる変異の事。変異率は、リンパ系以外の細胞株に比べて最大で100万倍になる。SHMの正確なメカニズムはまだ解明されていないが、活性化誘導シチジンデアミナーゼが大きな役割を果たしていると議論されている。変異率の増加により、CDR毎に1 - 2個の変異が生じ、従って、細胞の世代ごとにも変異が生じる。この変異により、結果として得られる抗体の結合特異性や結合親和性が変化する[3][4]。
- クローン選択:SHMを受けたB細胞は、抗原の利用可能性やTFH細胞からの傍分泌など、制限された成長資源をめぐって競争しなければならない。胚中心の濾胞性樹状細胞(FDC)がB細胞に抗原を提示し、抗原への親和性が最も高いB細胞の子孫が競争上の優位性を得て、生存につながる正の選択を受ける。正選択は、TFH細胞とその同種である抗原提示胚中心B細胞との間の安定した相互作用に基づいている。胚中心に存在するTFH細胞の数は限られている為、競争力の高いB細胞のみがTFH細胞と安定的に結合し、T細胞依存性の生存シグナルを受け取る事になる。SHMを受けたものの、より低い親和性で抗原に結合するB細胞の子孫は、競争に敗れ、淘汰される。数回の淘汰を経て、分泌された抗体は抗原に対する親和性が効果的に向上する[4]。