証券事務代表
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証券事務代表(しょうけんじむだいひょう、中: 证券事务代表)は、中華人民共和国(以下「中国」)の証券取引所に上場している企業において、IR(投資者向け広報)、情報開示、投資家対応、コンプライアンスおよびコーポレート・ガバナンス関連業務、規制当局や取引所との連絡、インサイダー取引・関連当事者取引の監視、上場規則の遵守などを担う専門職である。これらの業務領域は資本市場を有する各国において共通性が見られ、中国では証券事務代表がその主要な窓口として機能している。[1]
本職は、上場企業における法定職務の一つとして制度上明確に位置付けられており、多くの場合、董事会秘書(取締役会秘書、情報取扱責任者)の補佐として任命される。取締役会秘書が欠任した場合、証券事務代表がその職務を代行することがある。
制度の沿革
1990年代、中国の証券市場制度が整備される過程で、投資家保護および情報開示の実効性向上を目的として、取締役会秘書制度とともに証券事務代表制度が導入された。この制度の根拠は、各証券取引所が制定する『股票上市规则』(株式上場規則)および『上市公司信息披露指引』(上場企業情報開示指針)などに基づいている。[2]
資格と任用要件
深圳証券取引所の規定
『深圳证券交易所上市公司信息披露指引第7号——董事会秘书及证券事务代表管理』(2021年4月6日施行、和訳:深圳証券取引所 上場企業情報開示指針第7号―取締役会秘書および証券事務代表管理)では、証券事務代表に以下の要件を課している:
- 上場企業に雇用されていること
- 法律、会計、企業経営、証券等に関する知識と実務経験を有すること
- 証券取引所が実施する研修を受講すること
同規定の第10条では、証券事務代表は「取締役会秘書資格試験」に合格し、「取締役会秘書資格証書」(董事会秘书资格证书)を取得する必要がある。任用後は定期的な研修への参加も義務づけられている。
上海証券取引所の規定
2025年4月に改正された『上海证券交易所股票上市规则』(和訳:上海証券取引所 株式上場規則)では、証券事務代表に関する規定が新たに定められた。証券事務代表は取締役会秘書を補佐し、証券取引所との連絡業務を担うことが制度上明確にされた。