超距離空間
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性質

上述の定義により、超距離のもつ典型的な性質をいくつか導くことができる。以下、中心 x, 半径 r の(開)球体を
と書く(距離空間の項目を参照)。また、閉球体は右辺の < を ≤ で置き換えたものである。
例えば、超距離空間 M において以下が成り立つ:
x, y, z ∈ M および r, s ∈ R は任意として、
- すべての三角形は鋭二等辺三角形か正三角形である:
- 球体の任意の内点はその球体の中心である:
- 二つの球体が交わるならば、必ず一方が他方に包含される:
- 任意の球体は、距離函数の誘導する位相に関して、開かつ閉集合である。すなわち、開球体は閉でもあり、閉球体は開でもある。
- 半径 r > 0 の与えられた閉球体に中心を持つ半径 r の開球体全体の成す集合は、与えられた閉球体の分割を成す。またこのとき、二つの異なる開球体同士の距離はやはり r に等しい。
これらの内容を証明するのはよい勉強になる[2]。それらはすべて、超距離不等式から導かれる。第二の内容より、球は距離が非ゼロであるようないくつかの中心点を持ちうることに注意されたい。そのような奇妙に思われる結果を直感的に説明する鍵は、強三角不等式により、超距離における距離は足し上げられることがないという事実である。
例
- 離散距離は超距離である。
- p-進数全体の成す集合は完備超距離空間を成す。
- 適当な字母集合 Σ 上の任意の(つまり有限か無限かに関わらない)長さの語からなる集合を考える。二つの異なる語に対し、それらの語が初めて異なる文字となる位置が n であるとき、それらの間の距離を 2−n と定めて得られる距離函数は超距離である。
- 適当な字母集合 Σ 上の、終端が始端と繋がった長さ n の語の集合は、p-close 距離について超距離空間となる。ここで二つの語 x と y が p-close であるとは、p (p < n) 個の連続する文字からなる任意の部分文字列が x と y において同じ回数(0 の場合もある)現れることをいう[3]。
- r = (rn) を上から単調に 0 に収斂する実数列とするとき、|x|r := |xn|rn は、それが有限の値となる複素数列 x = (xn) (|x|r < ∞) 全体の成す空間上の超距離を導く(斉次性がないため、|•|r は半ノルムではないことに注意されたい。途中の項 rn が 0 となることも許す場合には、やや稀な規約だが 00 = 0 であるものとする)。
- G が辺重み付き無向グラフであり、すべての辺の重みは正で、d(u,v) は u と v の間のミニマックス経路の重み(すなわち、重みを最小化するように経路を選んだときの、ある辺の最大の重み)であるなら、d によって測られる距離に関してそのグラフの頂点は超距離空間を構成する。すべての有限の超距離空間は、この方法で表現されうる[4]。