近代家族
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近代家族(きんだいかぞく)とは、近代社会における家族の特徴や在り方を示す概念であり、中世・近世までの伝統的な家族観・家族制度との対比として用いられる。近代的な法制度が整備される過程での家族法の検討、国民国家の形成に影響を与えており、中世から現代に至るまでの家族観の変化を整理・比較する上で重要な位置づけを持つ。
18世紀から19世紀にかけてヨーロッパで近代的な国家が形成されていく過程で、国家と国民の関係、新たな社会制度の中で「家族」をどのように位置づけるかを整理していく中で発達した概念であり、各国の民法・家族法の前提となる[1]。近代家族と捉えるための指標・特徴は、国・論者によって異なるが、産業革命以降の都市部の中産階級において模範・規範とされた家族像・家族観が一つのモデルとされる[1][2]。
日本では、近世以前からの親族集団としての「家」、家業の経営体・生産単位としての「家」を比較対象とし、1898年(明治31年)の民法施行から大正時代の都市部で形成された家族像・家族観を近代家族と捉えることが多い[3][4]。日本では、公共と家庭の分離、子供を中心とした情緒的絆による結合、男女の性別分業などを近代家族の特徴に挙げた落合恵美子による整理が知られ、これを発展あるいは反証する形で理論化され、家族社会論やジェンダー研究に取り入れられていった[2][4]。