遠望型衛星追跡艦

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ニュージーランドに寄航した遠望2号(2005年10月27日)

遠望型衛星追跡艦(えんぼうがたえいせいついせきかん、ユァン‐ワン、Yuanwang)は、中国人民解放軍海軍の運用する衛星追跡艦ミサイル追跡艦、およびロケット輸送艦である。その任務が共通することから、いずれも同じ「遠望」の艦名に番号が振られているが、設計が同型というわけではない。

1960年代、中国は弾道ミサイル開発と宇宙開発を進めており、1967年には独自の有人宇宙飛行計画である曙光1号を始めた。これらを成功させるにあたって、中国領外からの長期に渡る精密な観測が必要であることが一つの課題であった。当時、中ソ対立が激しく、大半の国が中華民国と国交を結んでおり、中国は国際的に孤立状態にあった。そのため、他国に追跡局を設けることは難しく、艦船による観測追跡が行われることになった。

船体

その任務は、現地の気象観測から、人工衛星とミサイルの観測、追跡、制御、分析、それらを悪天候にも耐えながら海上で長期に渡って行い、本国に報告することである。そのためには巨大な船体とその姿勢制御システム、レーダーや光学観測機などの数多くの高度な観測装置や通信装置、数百人の技術者を長期間適切に養う広い船室やプールなどの保養設備が要求された。さらに、着水したミサイルを回収し、何らかの事故により急遽地球に帰還して着水するかもしれない宇宙船宇宙飛行士の救出と治療に備える任務も含まれた。運用初期の眼目は特に発射されたミサイルの追跡にあったが、宇宙開発の拡大と技術向上により、現在では宇宙船への指揮までも行うことができる。また、おそらくは他国のミサイルや衛星の追跡も行っていると考えられている。

運用

遠望型衛星追跡艦は、全艦が人民解放軍海軍の衛星海上測控部(衛星海上観測制御部[1])に所属しており、蘇州を定係港としている。ファンネルマークは長らく「赤い星に3本の青い波線」であったが、遠望6号は水色地に衛星海上測控部の英名略称である「CSMTC」が黒字で書かれたものになっている。

遠望は任務のため太平洋大西洋インド洋に広く散らばり、長期に渡って行動する。そのため中国は船上観測において世界でも有数のノウハウを持つ国になったと言われている。中国は宇宙開発のためにパキスタンケニアナミビアに複数の拠点を持っているが、特に重要な太平洋域では、キリバスタラワに宇宙観測基地を設けたこともある[2]。しかし、2003年11月にキリバスが台湾と外交関係を持ったことに反発した中国がキリバスと国交を断交し、その際に宇宙観測基地も撤退したことで太平洋域の観測基地がなくなってしまったため、遠望による船上観測の重要性はあがっている。

2008年4月と2011年7月にはデータ中継衛星「天鏈1号」が打上げられ、神舟7号の運用から使われるようになった。その後、中国のミサイル・衛生追跡は、データ中継衛星と遠望型衛星追跡艦、地上局を組み合わせた追跡運用が行われている。

各艦の要目・運用状況

出典

関連項目

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