重大不正捜査局
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| Serious Fraud Office | |
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| 重大不正捜査局 | |
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SFOの本部事務所 | |
| 組織の概要 | |
| 設立年月日 | 1987年 |
| 管轄 | イングランドおよびウェールズ、北アイルランド |
| 人員 | 約300人 |
| 上位組織 | 司法長官 |
| ウェブサイト | http://www.sfo.gov.uk/ |
重大不正捜査局(じゅうだいふせいそうさきょく、英: Serious Fraud Office、SFO)は、重大で複雑な詐欺・汚職事件を捜査して訴追するイギリス政府の独立機関である。司法長官の指揮下にあり、イングランドおよびウェールズ、北アイルランド地方を管轄している。1987年刑事法で、事件に関することであれば、いかなる人物、企業、銀行にも、機密事項を含む書類の提供や質問への回答を求められる強制権限が認められており、数多くの海外捜査も支援してきた。
また、ロンドンの金融センターである「シティ」や英国が、世界的に魅力的な商業地であるとの評判を高めるため、良好な企業統治を奨励するため制定された2010年贈収賄法を執行する中心機関である。
1970年代から1980年代初頭、シティでは複雑で重大な詐欺行為による金融不祥事が相次ぎ、社会的信用が低下した。政府は1983年、貴族院常任上訴貴族ユースタス・ロスキル男爵(英: Eustace Wentworth Roskill, Baron Roskill)が率いる独立した不正審問委員会(英: Fraud Trials Committee)を設置。効果的に詐欺と闘うための法律や刑事手続きを検討した。1986年、委員会は「ロスキル報告」[1] を発表し、重大詐欺事件を発見、捜査して訴追する新しい、統一的な機関を設置を提言した。
報告を受け、1987年刑事法により、独特な権限を持つSFOが設立され、1988年4月に業務を開始[2]。のちに2010年贈収賄法の執行も任された。
著名事件
- ギネス事件…1986年、ギネスのアルコール蒸留会社の買い付けをめぐる違法な株の買い支え工作で、買い支えた人々の損害を自社の資金で秘密裏に補償したという噂があった。買い支えにより、ギネスの株価は劇的に上昇していた。SFOの捜査により、1990年に当時の最高経営責任者ら4人が有罪判決を受けた。[3]
- BAE事件…1999年、BAEシステムズは、タンザニア政府と防衛レーダーシステムの契約を締結。現地の実業家が政府との交渉に助言するために雇われた。BAEは政府交渉を「有利に進める」ために使われると十分認識した上で2000年1月から2005年12月の間、約1240万ドルを実業家の2つの会社に支払った。この支払いは綿密な検討や事後の調査が条件とされておらず、BAE社は2010年、多くの国での兵器売却契約を調査していたSFOと米司法省との間で、タンザニア政府との契約で十分な会計帳簿を付けなかったことを認めて、50万ポンドの罰金を支払うことで合意した。SFOとの合意には、タンザニアでの契約に関して、裁判所からの罰金も含めた3000万ポンドを、タンザニア国民のために任意に支払うことも含まれている。[4]
活動範囲
SFOは重大な経済犯罪を捜査するための専門家集団であるので、捜査に取り掛かるかどうか、以下のような基準で判断する。[5]
- 詐欺が疑われる金額が100万ポンド以上である
- 国際的にも意義がある
- 社会への関心が広がると見込まれる
- 金融市場などへの高い専門知識が要求される
- SFOに与えられた強制権限が必要である
詐欺
詐欺は犯罪行為の典型例で、地位侵害や誤った意思表示、利益に対する権利侵害と定義づけられ、以下のような類型に分けられる。
「ボイラールーム」詐欺(株券詐欺)
ボイラールーム(モグリの株屋のオフィスを指す俗語)詐欺とは、投資家に架空や経営状態の悪い会社の株式を売りつける行為で、海外から仕掛けられることもある。詐欺師は売り込み電話を掛け、英国内外の価値のない会社の株式を強引に売り込み、不当に高い金額で売るか、まったく株券を売らずに、投資家から金を巻き上げる。[6] 日本で言う「未公開株詐欺」にあたる。
セント・オールバンズのヴィンテージワイン事件は、この手の詐欺の一例である。この事件で被告人らは4年半の懲役刑と、15年間会社経営者となる資格を剥奪する判決を受けた。出所後も4年間、投資業や金融業を営めないという命令を受けた被告人もいた。[7]
ねずみ講・マルチ商法
ねずみ講やマルチ商法とは、普通ならば5~10パーセントである配当を30パーセントとするなどの異常な高配当を約束した投資である。[8]
SFOが捜査した「KF Concept」事件では、被告人は認可なしでの投資業経営や投資金3400万ポンドから盗んだ罪で10年の懲役刑を受けた。投資家の被害は1700万ポンドと推計される。[9]
資産剥奪
資産剥奪とは、会社の資金や資産を奪い、負債だけを残す手口である。会社の代表者が価値のある資産を別会社に移すことで、その会社は支払い不能の多額の債務を抱えた休眠会社となり、破産することになる。[10]
不正取引
債権者から金品をだまし取るなどの詐欺的な目的で事業を進める行為である。この規定は、取引前や取引後、取引の最中でも適用される。[11]
一例としてあげられるのは、 Engineering with Excellent社事件である。1996年〜2000年に額面総額8500万ポンド以上の虚偽の納品書一千通以上を使い、3つの金融機関から多額の資金が引き出された事件で、これらの詐欺会社はのちに、InterGBグループと呼ばれた。被告人らは、会社主催のイベントや高給、高価な社用車など成功したビジネスマン人生を謳歌したが、グループの会長は7年、3人の共同経営者は2年の懲役刑を宣告された。[12]
相場操縦
「Pump and Dump」や「Book Ramping」とも呼ばれる、詐欺師がある会社の株価に影響を及ぼし、有利に事を運ぼうとする行為である。彼らは会社の収益性について誤った予測を出して会社を上場させたり、有望な会社になってきているとの噂を流す。株価が上昇したところで、あらかじめ安値の時に買った株を売却して、利益を得るのである。[13]
虚偽情報の流布
詐欺師が会社の経営状況を誤解させるため、会計情報や記録などを作り出したり、破棄、隠蔽、偽造するために行われる行為である。投資家や債権者を誤解させて、取引を継続させるために用いられることが多い。[14]
贈収賄・汚職
汚職とは、特定の個人的利得のために、政府、会社などの誠実さ、清廉さが傷つける行為である。大別して次の2つに分けられる。
政治的汚職
政府当局者や政治家、政界関係者が、賄賂や身内びいき、利権政治や使い込みによって非合法な個人的利得を得ようとし、政治制度や政府機関を機能不全に陥れること。
企業内汚職
例えば、ある契約を結ぶために、担当者や企業などに賄賂を提供することである。
一例としては、燃料添加剤メーカーのInnospec社事件がある。同社はインドネシアの州政府が所有する製油所職員や政府職員に賄賂を送ったとして、有罪を認める答弁をした。米国で講じられた和解案により、1270万ドルの罰金を科されたほか、会社の経営を監視する独立機関を3年間運営することになった。[15]