鉄拐
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中国の廻船問屋・『上海屋』。毎年、創業記念日に豪華絢爛な余興を見せていたが、あまりにもいろいろとやりすぎたせいでとうとう今年はネタがなくなってしまった。困った主の唐右衛門は、番頭に珍しい芸人を探してくるように厳命する。番頭も張り切って捜索に出るが、何しろあらかたの芸は既にやっているためなかなか珍しい芸人が現れない。
そんなある日、山中で迷子になってしまった番頭は、息をフーッと吐くことでもう一つ同じものを出現させたり、ものを腹に吸い込む能力を持つ鉄拐という仙人に助けられる。これぞ珍しき芸能! そう直感した番頭は、仙人に頼み込んで上海屋の余興に出演してもらった。鉄拐が得意の分身の術を披露すると、これが大評判となって近郷近在はもとより、近隣諸国からお客が大挙して見学に来る大騒ぎに。こうなると流石の仙人もすっかり乗せられてしまい、興業師にマネジメントをしてもらい、弟子を雇って芸を仕込むなどすっかり増長してしまった。
あまりにも人気者となった鉄拐をねたみ、彼の向こうを張るような秘術を持った者を呼んでこようという興業師が出現。あちこちと探した結果、瓢箪から自在に馬を出す張果老という仙人をスカウトした。これがまた大変な評判となり、鉄拐の人気が落ちてくる。頭にきた鉄拐は、ある晩、張果老の家に忍び込み、瓢箪の中の馬を自分の腹に吸い込んでしまった。
おかげで張果老の人気は下落。また鉄拐が人気者になってくる。今度は「自分の分身を馬に乗せて出現させる」と宣言したが、分身は吸い込めても吹き出せないため、お客を腹の中に吸い込み、そこで見物させることにした。ところが、客のなかに酔っ払いがいて、腹の中で喧嘩を始めて大暴れ。鉄拐は腹痛を起こし、その酔っぱらいを吐き出してみると、これが李白と陶淵明だった。