防鎖
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防鎖の有効性
英語ではブーム(boom)とチェーン(chain)という2通りの言葉があるが、ブームは水面に浮く防材のみを指すのに対し、チェーンは加えて水中に渡す防鎖も指す。
中世ヨーロッパの港では、湾口の両岸に鎖塔が建てられ、ここから常に鎖が渡されていた。平時は鎖を緩めて沈めているのだが、戦時には巻き上げて水面に引き上げ、湾口を封鎖するのである。 これにより味方を通行させ、敵を妨げるというような応変の制御が容易にできた。鎖の巻き上げ・巻き下げには、ウィンドラス(ハンドル式揚錨機)やキャプスタン(絞盤)が用いられることもあった[3]。
防鎖による防衛は万全というわけではなく、しばしば大型船の強行突破を受け破壊されてしまうこともあった。例としてダミエッタ包囲戦、メドウェイ川襲撃、ビーゴ湾の海戦が挙げられる[4][5][6][7]A。またロンドンデリー包囲戦ではロングボートによる体当たりで突破されている。
防鎖はそれ自体が防衛設備であるが、港湾防衛の要としてさらに周辺の防衛施設で守られるのが常だった。帆船時代には、防鎖の後ろには常に数隻の軍艦が控えており、防鎖の破壊を試みる敵船を舷側砲で撃退した。また何本もの鎖を並べてより強固な封鎖とすることもあった。

