電荷秩序

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電荷秩序[1](でんかちつじょ、: charge ordering)は、遷移金属酸化物や有機導体のような強相関材料でしばしば起こる(一次あるいは二次の)相転移である。電荷整列(でんかせいれつ)とも和訳される[2]。電子間の強い相互作用のため、電荷が特定のサイトに局在し、電荷不均衡を起こす。相互作用の異方性に応じて、縦縞(vertical stripe)から横縞(horizontal stripe)、市松模様(checkerboard)まで、さまざまなパターンの電荷秩序相が現れる[2][3][4]。電荷秩序転移は対称性の破れを伴い、強誘電性を齎す可能性がある。超伝導巨大磁気抵抗を示す相の近傍でしばしば観測される。

電荷秩序のパターン

この長距離秩序現象は、1939年にエバート・フェルベー英語版によって磁鉄鉱Fe3O4で初めて発見された[5][6]。彼はTCO = 120 Kにおいて電気抵抗率が2桁も増加することを観測し、この転移は現在フェルベー転移英語版として広く知られている[7]。彼はこの文脈において秩序形成過程の概念を初めて提唱した。磁鉄鉱の電荷秩序構造は2011年にポール・アットフィールド英語版率いる研究グループによって解明された[8]

オンサイトクーロン反発と最近接クーロン反発を導入した拡張ハバード模型

は、電荷秩序転移を良く記述する[9]。ここで、総和サイトとサイトが互いに最近接の関係にあることを意味する。は最近接サイト間のトランスファー積分、生成消滅演算子スピンは数密度演算子である。は互いに逆向きの2つの電子スピンが同じサイトを占有する際に生じるクーロン反発であり、は最近接の関係にある2つのサイトに電子がそれぞれ1つずつ占有した際に生じるクーロン反発である。

が重要なパラメータであり、電荷秩序状態の形成において本質的かつ決定的な役割を果たす。簡単のため、1次元格子を考え、1サイト当たり+0.5個の正孔を仮定する。正孔が動くことで安定化するエネルギー()よりも、隣り合わせになることで不安定化するエネルギー()の方が大きくなるとき、電荷(ここでは正孔)が+1、0、+1、0、…のように電荷の濃淡を生じさせて局在する。これが電荷秩序状態である。

1次元格子における電荷秩序の模式的な描像

電荷秩序を示す物質

実験的観測

脚注

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