50歳で初めて詩に志し、たちまち大詩人の名声を得て、1篇を吟ずるごとに好事家の伝えるところとなった。吐蕃との戦いに従事したので辺塞詩も多い。詩風は「高古豪壮」とされる。李林甫に忌まれて蜀に左遷されて汴州を通ったときに李白・杜甫と会い、悲歌慷慨したことがある。しかし、その李林甫に捧げた詩も残されており、「好んで天下の治乱を談ずれども、事において切ならず」と評された。『高常侍集』8巻がある。
| 邯鄲少年行 |
| 原文 |
書き下し文 |
| 邯鄲城南遊侠子 |
邯鄲(かんたん)城南 遊侠の子 |
| 自矜生長邯鄲裏 |
自ら矜(ほこ)る 邯鄲の裏に生長するを |
| 千場縦博家仍富 |
千場 博を縦にして家仍ほ富み |
| 幾度報讐身不死 |
幾度か讐(しゅう)に報ひて 身死せず |
| 宅中歌笑日紛紛 |
宅中の歌笑 日に紛紛 |
| 門外車馬常如雲 |
門外の車馬 常に雲の如し |
| 未知肝膽向誰是 |
未だ知らず 肝胆 誰に向かって是なるかを |
| 令人却憶平原君 |
人をして却って 平原君を憶はしむ |
| 君不見今人交態薄 |
君見ずや 今人 交態薄く |
| 黄金用盡還疎索 |
黄金用い尽くさば 還た疎索(そさく)たるを |
| 以茲感嘆辞舊遊 |
茲(ここ)を以て感嘆して 旧遊を辞し |
| 更於時事無所求 |
更に時事に於て 求むる所無し |
| 且與少年飲美酒 |
且らく少年と美酒を飲み |
| 往来射猟西山頭 |
往来射猟せん 西山の頭(ほとり) |