鹿政談
日本の古典落語の演目
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あらすじ
奈良の鹿は、神獣として崇められ、古くから殺めた者は過失であっても死刑とされていた。奈良三条横町で三代続く豆腐屋を営む老爺・与兵衛は、ある朝、店のきらず(おから)を食っている獣を見つけ、野良犬と思い、追い払おうと薪を投げつけたところ、当たり所が悪く死なせてしまう。ところがよく見たところ、鹿であった。このことはすぐに知られ、与兵衛は奉行所に引き立てられる。
名奉行として名高い根岸肥前守(根岸鎮衛)が奈良奉行として裁くことになり、与兵衛が誠実な人物だと知って何とか無罪にできないかと考える。白洲において、根岸は「その方が殺したのは犬に違いない」と与兵衛に問いかけるが、嘘がつけない誠実な彼は「私が殺したのは鹿である」と頑として犬とは認めない。次に根岸は「殺された獣の死骸には角が無いから犬であろう」と問い直すが、今度は与力の塚原出雲が「春先の鹿は角が落ちているのは童でも知っている」として根岸の方便を否定しようとする。塚原は鹿を管理する興福寺の意を受け、便宜を図られていたためだが、ここで根岸は、御公儀から下賜されている鹿の餌料を、興福寺と塚原が横領している事実を知っていることを仄めかす。これには塚原も参ってしまい、それ以上の抗弁を諦めて訴状を取り下げる。
こうして無実の沙汰を下した根岸は、与兵衛に「斬らず(きらず)にやる」と言うと、感謝して与兵衛は答える。
「マメ(健在)で帰ります」