尾獣
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尾獣(びじゅう)は漫画『NARUTO -ナルト-』およびテレビアニメの『NARUTO -ナルト-』『NARUTO -ナルト- 疾風伝』に登場する架空の生物。
人柱力
かつて死の際にあった六道仙人によって9つに分けられた十尾のチャクラから陰陽遁によって生み出された9体の魔獣。基本的にかなり巨大な体をしているが、当初からこうだったわけではないらしく、九尾の回想における六道仙人との別れにおいては「子供」を思わせる小さな姿で登場している(それでも人間の数倍はある)。尾獣達はそれぞれ尾の数が違っており、「一尾」は尾が1本、「二尾」は尾が2本ある魔獣の事を指し、「九尾」までの9体が存在する。また、六道仙人が十尾を分けた際、それぞれの尾獣に名前を授けているが、その真の名を知るものは少ない。また、四尾・孫悟空など一部を除いては、基本的に尾獣同士でも「○尾」と呼び合う。なお、劇場版『疾風伝 絆』では「零尾」が登場するが、これは全くの別物である。
それぞれが莫大なチャクラの塊であるため、その昔、各国隠れ里が軍事力拡大のため競って手に入れようとした。しかし、その人智を超えた力は如何なる者も制御することができず、生きた人間の体内に封印することにより処理した。第一回五影会談の少し前、マダラが瞳術で従えて襲ってきた九尾を初代火影・千手柱間が打ち倒した際に妻・ミトが自らの体内に封印したのをきっかけに、一尾を除く7体の尾獣を捕獲。時の大戦の終了後に開かれた五影会談において、各国の力の均衡と平定を保つという理念のため、尾獣が各国に分配された。後の暁はこの力を手に入れるために、人柱力あるいは尾獣そのものを襲っていた。
作者の岸本は、忍者を軍隊、尾獣を核兵器というニュアンスで描いているとしている[1]。
尾獣を封印術により体内に封じられた人間を指す。体内の尾獣と共鳴することにより強力な力を引き出すことができるが、ほとんどの場合不安定で暴走の危険性をも孕んでおり、その力を完全に制御下に置くことができた者は少ない。しかし完全に制御できなくてもある程度は尾獣の力を利用することは可能な模様で、四尾の人柱力の老柴は四尾の力を利用して血継限界の「熔遁」を開発しており、疾風伝では六尾の人柱力のウタカタは土蜘蛛一族の禁術を止める時に六尾の力を使用した他、七尾の人柱力のフウは七尾の力を利用して飛行している。里によって人柱力の管理方針は多様であり、幽閉・放任・監視・戦力化といった措置が取られる。
人柱力はほとんどの場合、五影の近親者の中から選ばれる傾向にある。しかし、体内に秘められた圧倒的な戦闘力を怖れられ、周囲から畏怖・疎外されがちであり、心に深い傷を持つ者や人間不信になることもある。デイダラの話では一尾以前に狩られた人柱力は里の人々から疎外されており、むしろ狩ってくれた暁に感謝する者もいたという[2]。ただし、ナルト・我愛羅・ユギト・キラービーの様に自ら努力して社会に受け入れられるようになった者も存在する。
人柱力の情報はその強大な力を他国・里に奪われるのを防ぐために国家レベルの機密情報とされており、人柱力の情報を外部に洩らさないためにキラービー(八尾)や疾風伝でのフウ(七尾)のように里内に軟禁状態に置かれる場合が多い。中には分福(一尾の元人柱力)のように監視付きで幽閉される事もある。
雲隠れの里の人柱力である二位ユギト(二尾)とキラービー(八尾)の二名は、本人の意思で尾獣化とコントロールが可能。それ故、里の戦力としてだけでなく、一忍者としても評価されており、里の者から尊敬の念を集めている。特にビーの方は、現職の雷影の弟であるのもさることながら、八尾を相棒と呼び気軽にコミュニケーションを取り、掛けられた幻術を解除してもらうなど良好なコンビネーションを見せている。雲隠れの里の場合は人柱力本人達の努力も然ることながら管理体制の充実ぶりも制御の成功を助けている。
なお、術や何らかの要因で尾獣が人柱力から離れた場合、その人柱力は衰弱して死亡する(劇場版ではナルトが体内から九尾を口寄せし、戦わせている)。また、人柱力が尾獣を宿したまま死亡すると尾獣が復活するまでインターバルが生じ国家間の尾獣バランスに影響が出る恐れがあるため、人柱力の死亡前に尾獣を引き剥がし次の器に封印する(別の物体に保存、または新たな人柱力に移す)ことが通例となっている。また、人柱力が女性の場合、妊娠している間はチャクラが胎児に流れて封印が弱まる為、出産中は尾獣に封印を破られぬよう監視が必要である。
特殊な例として、尾獣そのものを封印するのではなく、その肉体の一部を体に取り込んで己を強化する方法が存在する。大抵の場合はその力に耐え切れず死亡するが、特別な素養を持つ者(六道仙人の力を濃く受け継ぐ者、「穢土転生」された前任の人柱力など)は適応し、ある程度力を使用することができる。疾風伝においては、尾獣のチャクラの残痕を体内に封印された者が、力を発揮していたケースがある。また、カブトが作り出したナルトのクローンは九尾のチャクラを取り込み尾獣化している。またカブトは大蛇丸が培養していた八尾の角を利用して「穢土転生」で復活させた八尾の前任の人柱力であるブルービーを尾獣化させることに成功している。
一尾
- 名前:守鶴(しゅかく)
- 声 - 岩崎ひろし
- 人柱力:分福→我愛羅
- 特徴:砂で形成された小山のような体躯とそれより更に巨大な尾を待ち、体表に隈取りのような文様がある化け狸の姿を持つ。
- 封印された者の特徴:絶えず尾獣に精神を乗っ取られる危機に陥り、不眠症になるため目の周りに隈ができ[3]、情緒不安定になる傾向がある。
元は茶釜に封印された砂隠れの老僧の生霊だと言われているが定かではない[4]。唯一、名前の方が先に明かされた尾獣である[5]。一人称は「オレ」もしくは「オレ様」。性格はガマ吉曰く「ファンキー」で、好戦的である。八尾曰く「九尾は勝手に尾の数で尾獣の力を決めるため、一尾と九尾は犬猿の仲」らしく、九尾とは「バカ狐」「クソ狸」と呼び合うほど互いに忌み嫌っている。自らを道具として扱う人間を心底嫌悪しているが、他人に蔑まれながらも自分を友として扱った分福のことは六道仙人に似ているとして認めており、大戦でマダラとの戦いで自分を友として扱うようになった我愛羅を「分福に似ている」と認め、気遣うようになる。
オビトによって引き千切られたチャクラの一部がナルトに移され、そのチャクラ体が精神世界にて六道仙人・ハゴロモと再会した際には、自分の行いを甘いと自嘲するハゴロモに間違っていないとするナルトの言葉に賛同した。
風遁を得意とするほか、磁遁のチャクラ性質を持っており、体の紋様を呪印として利用する。守鶴を体に封印された者が寝てしまうと、肉体を守鶴に乗っ取られてしまうため、人柱力は必然的に不眠症となる。その一方で守鶴の意識を表に出さないと全能力を発揮できないため、必要な場合は人柱力が「狸寝入りの術」で眠らなければならない。
開始当初は砂の相談役、チヨによって四代目風影の次男・我愛羅に封印されていた。彼の前にも分福を含め2人の人柱力がいたが、いずれも寿命を迎える前に守鶴を抜かれ死亡している。
暁のデイダラによる砂隠れ襲撃の際、里を救うために力を使い果たした我愛羅は捕獲され、「封印術・幻龍九封尽」により守鶴も彼から引き剥がされ外道魔像に封印された(我愛羅もその際に一度死亡したが、チヨの転生忍術によって蘇生している)。十尾のチャクラがオビトから引き剥がされた際に他の尾獣同様解放される。その後、完全復活を果たしたマダラに我愛羅との連携技を皮切りに応戦するが、再び封印されてしまった。
第四次忍界大戦終結後は自由の身になり、風の国の砂漠で暮らしていたが、『BORUTO』にてモモシキに倒された牛鬼のチャクラの気配が消えたことを察し、かつての繋がりを介して我愛羅に警告を発した。その後、自身もウラシキに狙われることになり、避難のため自ら茶釜に封印され木ノ葉隠れに移送される。道中では移送を任されたボルトとシンキのコンビに対し、要所で助言を与えている。
二尾
生霊と呼ばれ、死を司り、怨霊を常に纏っている死神のペットとされる。一人称は「私」。その外見と能力の割に、お淑やかな口調をしているが、性格は肉食獣らしく獰猛。
二位ユギトに封印されていたが、暁の飛段と角都によって襲撃を受け捕獲、外道魔像に封印された。その後、ナルトと九喇嘛が協力して操られた尾獣たちと戦い、尾獣達の杭を抜く際に尾獣達の深層心理に入ることで出会えた。その際、四尾が残した言葉よりナルトにチャクラを分け与えた。
十尾チャクラがオビトから引き抜かれた際に解放されたが、直後に襲来したマダラによって他の尾獣ともども外道魔像に引きずり込まれる。
カグヤ封印後は森へ帰った模様。
三尾
- 名前:磯撫(いそぶ)
- 声 - 宗矢樹頼
- 人柱力:のはらリン→四代目水影・橘やぐら
- 特徴:鋭く尖った角と巨大な甲羅、海老に似た3本の尾を持つ亀に似た姿をしている。右目が潰れており、人間によく似た顔を持つ。腹には畝のような赤い甲羅がある。後ろ足は確認されていない。
巨大な体躯を持つが、高速で泳ぐことや巨体にも関わらず水面高く跳び跳ねることが可能。アニメにおいて、「別の次元から現れた」との設定がなされている。一人称は「僕」で、内向的で大人しい性格をしている。
原作では確認されてはいないが、人間に幻覚を見させる効力のある霧を発生させることもできる他、高周波を帯びた咆哮は堅い水晶体ですら超振動で粉砕する。高圧のチャクラを周囲に展開させることで津波を発生させたり、他の尾獣同様チャクラを顔前に球状に圧縮[6]、発射したり水を吐いたりすることも可能。三本の尾には多数のトゲがあり、これを束ねることで敵を貫く攻撃法もある。体内には特殊な空間が広がっており、大きさにいくつかの差がある無数の三尾の分身体がうごめいている。体表を覆う甲羅は、紅蓮の晶遁も通用しないばかりかかすり傷一つ負わせることも敵わない程の防御力をもつ。また、石灰を放って相手の動きを封じるといった術も使用する。
第三次忍界大戦時から霧隠れが有していたが、敵である木ノ葉を潰すため、戦場で拉致した木ノ葉隠れの忍・のはらリンに強制的に封印される。直後にリンは自殺したため目論見は失敗し、その後は四代目水影・やぐらに封印された。やぐらの死後は封印から解放され野に放たれていたが、暁のデイダラとの戦闘に敗れて(デイダラ曰く人柱力でなかったため知能があまり高くはなく、力の抑制が下手だったため)捕獲され、外道魔像に封印された。
疾風伝では、二尾と同時期に捕獲されておらず、アニメオリジナルストーリー「三尾出現の章」に登場している。三尾捕獲を目論む大蛇丸は、三尾をコントロールする能力を持つ少年・幽鬼丸を使い捕獲を試みるも失敗。木ノ葉と音との争奪戦の後、デイダラとトビが現れ原作通りに捕獲された。後にナルトと再会した際、前述の事件に根を持っているらしく拗ねていた。
四尾
- 名前:孫悟空(そんごくう)
- 声 - 安元洋貴
- 人柱力:老紫
- 特徴:筋骨隆々の赤い体色のゴリラの姿をしており、頭部には「緊箍児(きんこじ)」がついている。上顎からは二本の長大な牙が生えており、口から溶岩を吐く。
モチーフは『西遊記』の孫悟空。一人称は「俺(オレ)」。他の尾獣の中でも自己主張が強く、派手な自己紹介をしたり、四尾と呼ばれることを嫌い自分を名前で呼ぶことを求めたりしている。名の口上は「水簾洞の美猿王、六道仙人より孫の法号を与えられし仙猿の王、孫悟空斉天大聖」。また、「ウキキィー」と猿らしい鳴き声を上げる癖がある。青緑の火炎を吐き、血継限界・熔遁を操ることができる。
トビのペイン六道となり操られた老紫(尾獣化)にナルトが飲み込まれた際、精神世界の中で彼と出会う。そこで自分や九尾の名前を教え、同時にナルトが自分たち尾獣と本気で友達になりたいと望んでいることを知る。彼に協力し現実空間の自分を止めるための方法を教え、それが成された後は外道魔像に再度吸い込まれた。また、吸い込まれる直前にはナルトに自らのチャクラを僅かながら与えると共に、魔像に縛られていた他の尾獣・人柱力達に彼のことを伝え、最後の最後で老紫とも心を通わせた。
ナルトの中に封印されたチャクラ分身はその後、六道マダラやカグヤとの戦いで彼に力を貸した。本体は解放後、ねぐらの水簾洞に帰った模様。
なお、老紫やナルトからは「孫」と略して呼ばれる(当人は嫌がっているが、ナルトに関しては彼が口上を覚えられなかったために諦めている)。
五尾
六尾
七尾
八尾
- 名前:牛鬼(ぎゅうき)
- 声 - 相沢まさき
- 人柱力:ブルービー→キラービー
- 特徴:前後4本の角(前頭部の片方の角は牛角状で、片方はブルービーの暴走の際にエーにより折られている)に8本の尾(タコの触手)、人間の上半身をあわせ持つ巨大な暴れ牛。尾は切られても再生する。
- 封印された者の特徴:ビーは自分の意思で自在に尾獣化、コントロールが可能であり、尾獣の「朱いチャクラ」を8本目まで身に纏ってもかつてのナルト(九尾)のように暴走や肉体的負担はなく、精神を乗っ取られる事もない。ナルト同様、通常のチャクラの衣を身に纏う際は犬歯や爪が伸び、それ以上の変身時にはキラービーの皮膚が剥がれる。
知能は高く、獰猛そうな外見に反して思慮深い。人柱力であるキラービーとは初めこそチャクラの奪い合いをしていたが、今ではビーが幻術を掛けられた際には八尾がそれを解くなど戦闘においても協力している。人柱力のビーを宥めることがしばしばあり、その自由翻弄な性格にさすがに呆れつつも、相棒兼保護者に近い役割で彼を支えていた。そのため、両者の仲は良好で、ナルトは自分と九喇嘛がこのような関係になりたいと憧れている。かつては四代目雷影・エーの従兄弟や叔父等が人柱力だった。ナルトとビーには「八っつぁん」の愛称で呼ばれる。(ナルトからは彼の火影就任後、愛称ではなく本名で呼ばれている)
サスケとの戦いの後、新たなる忍界大戦を予感する。第四次忍界大戦ではナルトとビーと協力し、トビや人柱力六人との戦い、さらに十尾との戦いに挑む。その際十尾の尾獣玉を防ぐために自ら十尾の口の中で十尾の尾獣玉を自分の尾獣玉で押し返し、その爆発でもう一方の角も折れてしまった。最終的に完全復活したマダラにキラービーから引きずり出され十尾に飲み込まれてしまう。その後にオビトによってマダラからチャクラの一部がナルトに移された。雲隠れでは封印に琥珀の浄瓶を使用していた。外道魔像を口寄せしたマダラによってビーが八尾を抜かれた後も、タコ足の切れ端が触れていたことでビーは一命を取り留めた。第四次忍界大戦終結後は「下手くそなラップも癖になった」という理由から自らの意思でビーに再度封印され、彼と共生している。
タコの触手を8本の尾に見立てるアイディアは単行本43巻170ページ「NARUTOオリキャラ優秀作発表その2」の読者の投稿したデザインを岸本が採用したもの。