ダブル・ベース・ドラム

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ダブル・ベース・ドラム: Double bass drum)は、主にポピュラー音楽において、ベースドラムを2個備えたドラムセット、またはそれを用いた演奏技法を指す。ツー・バスとも呼ばれることがあるが、これは和製英語である。ロックハードロックヘヴィメタル、フュージョンなどのジャンルで使用される。

サイモン・フィリップスのダブル・ベース・ドラムセット

使用ドラマー

ダブルベースドラムを最初に使用したドラマージャズのルイ・ベルソンで、その後キース・ムーンジンジャー・ベイカーカーマイン・アピスナラダ・マイケル・ウォルデンコージー・パウエルテリー・ボジオらも使用した[1]サイモン・フィリップスは、ロックとジャズの両ジャンルでダブルベースドラムを使用するドラマーである。一方、樋口宗孝など、シングルベースドラムにこだわりを持つドラマーもいる。ポップスやジャズでダブルベースドラムを用いるドラマーは減少する傾向にある。

目的

ダブルペダル

ダブルベースドラムを使用する目的は「シングルベースドラムでは不可能な連打を可能にするため」や「それぞれ違う口径の物を使用し、対応力を高めるため」などがある。また、前者は演奏者の好みやスペースの関係でダブルベースドラムにできない場合にダブルペダルという特殊なペダルを使用することで実現が可能である。特殊な例として「シングルベースドラムであっても演奏可能だが、ダブルベースドラムを使用することでより正確さを高めるため」という理由もある。

シングルベースドラムの場合、ベースドラムを正面にセットすることが多いが、ダブルベースドラムはベースドラムを八の字型にセットすることが一般的である。また、近年[いつ?]では、「ダブルベースドラムは場所をとる」「大きなベースドラムを2個並べると、タムの位置が高くなり、手が届かなくなる」などの理由でダブルベースドラムからシングルベースドラムとダブルペダルの組み合わせに転向するドラマーが増えてきている。またドラムマシン打ち込みを多用し、生ドラムを使用することは希であるテクノ・ミュージックでは用いられることは少ないが、改訂期P-MODELにおける上領亘など、ダブルベースドラムセッティングを行うドラマーは少なからず存在する。

トリプル・ベース・ドラム

ジョナサン・モフェットのトリプル・ベース・ドラムセット

文字通り、ドラムセットにベースドラムを3個セットすることである。ダブルベースドラムとの意義的相違はベースドラムの個数のみだが、使用者の意図は大きな相違が生じる場合がある。トリプルベースドラムを主に使用するドラマーの意図は、ダブルベースドラムの利点である連打のためだけではなく「純粋にそのベースドラムの音が欲しい」という点にある。また、元ドリーム・シアターマイク・ポートノイなど、単にダブルベースドラムを発展させて、トリプルベースドラムにしたというドラマーもいる。ポートノイの場合は、それぞれ独立したダブルベースドラムのセットとシングルベースドラム(ダブルペダル)のセットを隣合せて並べているもので、スローンは2つある[2]。ライブでは曲に応じてセット間を移動し叩き分けていた。shujiは26インチのベースドラムを2個とは別に、リズムを刻むためやアクセントを付けるための20インチのベースドラムをセットしている。また、別の例としてLUNA SEA真矢はかつて3つとも異口径のものにしてパターンごとに使い分けていた。個人にもよるが、トリプルベースドラムではダブルベースドラムとセッティングの形態が違う場合がある。真矢は3つ、村上“ポンタ”秀一は4つのベースドラムを一直線上に並べている。また元Janne Da Arcshujiのように2つのベースドラムを八の字にセットし、さらに(ドラマー側から見て)右側のベースドラムの奥にもう1つのベースドラムをセットする(リモートベースドラム)場合もある。

また、テリー・ボジオは、最大で8つのベースドラムを使用する。ボジオの場合はアコースティックドラムによるメロディ演奏を伴うソロパフォーマンスがスタイルとなっており、音程を合わせてチューニングした大小さまざまなバスドラムと複数のハイハットによりフレーズを構築するために、ベースラインの一部として多数のベースドラムを必要とする。そのため、足元にはベースドラム用のみならずハイハット、その他パーカッションを鳴らすための大量のペダルボードがポジオを取り囲むように並ぶ。

ダブルベースドラム(トリプルベースドラム)+ダブルペダル

ダブルベースドラム演奏者が時折ダブルベースドラムにダブルペダルを用いることがある。ダブルペダルはシングルベースドラムでダブルベースドラムと同様の効果を得るためのものだが、それがダブルベースドラムに応用される場合がある。1つのベースドラムにのみ用いる場合もあれば、2つともダブルペダルを用いる場合もある。前者は主に1つをリズムを刻むため、もう1つは連打用と使い分けていることもある。後者の場合はそれぞれのベースドラムが異口径であれば対応力が高まるほか、それぞれのベースドラムで連打することが可能になる。DIR EN GREYShinyaはダブルベースドラム+ダブルペダルであり、曲によってダブルベースドラムの連打、ダブルペダルでの連打を使い分けている[3]。ダブルベースドラムと普通のペダルを使った場合と、シングルベースドラムでダブルペダルを使った場合とでは、微妙ながら演奏に違いが出る。ダブルベースドラムと普通のペダルを使った時は2つのベースドラムを交互に叩くため、それぞれのベースドラムのサステインミュートせずに演奏することができるが、シングルベースドラムでダブルペダルを使う際は、1つのベースドラムに2つのビーターで叩くため、ベースドラムのサステインがミュート気味の演奏になってしまう。

脚注

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