バスドラム
打楽器
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バスドラム(Bass Drum, ベースドラム)は、低定音や不低音を演奏する打楽器である。ソウル/R&B、ジャズ、ファンク、ロックなどのポピュラー音楽では、キック・ドラムを使用して演奏する。バスドラ、キック・ドラム、キックの通称がある。クラシック音楽で使用される音楽用語のグランカッサ(イタリア語)なども同義。クラシック音楽、応援団、祭りなどでは「大太鼓」と呼ぶが、ポピュラー音楽では「バスドラム」が使われている。スネアドラムを「小太鼓」というのに対し、クラシック音楽ではバスドラムを大太鼓ということもある[1]。筒状の胴の両端に膜を張った両面太鼓であり、膜鳴楽器に分類される。一定のピッチを判別しがたい、低い音が出る。民俗音楽やクラシック音楽での使用が早く、後にポピュラー音楽でも使用された。ポピュラー音楽においては単独ではなく、ドラムセットに組み入れられて使用される。ドラム用語では直径ではなく、大砲や銃と同様、口径が使用される。(1インチは2.54センチ)

写真は奏者側から見た様子で、専用のスタンドに設置され、打面をやや傾けてセットした、吹奏楽団やオーケストラにおける典型的な使用例である。
概要
歴史的に知られている、最も早い時期に使用されたバスドラムは、トルコのdavulであり引き伸ばしてシェルにつけて使用した[2][3]。
口径は16インチから24インチぐらいまであるが、ドラムセットでは22インチぐらいが平均値である。[4][5]より重厚な音を求めて、従前の製品よりも直径に対する胴の長さの割合が高い、深胴型・超深胴型などと呼称されるタイプのコンサートバスドラムが、いくつかのメーカーから発売されている。一般的には、通常の管弦楽曲や吹奏楽曲の演奏では、一例として、36インチ×22インチ や 32インチ×20インチ といった直径・深さのものや、それよりやや浅めの胴の 36インチ×18インチ といったもの[6][7]が用いられることが多い。ドラムセットのバスドラムでは、直径が12インチ(30センチ)なのに対し、深さが22インチという、「深胴」タイプのバスドラムが日本のメーカーから発売されている。 撥(ばち)はマレットと呼び、通常は直径10センチほどの柔らかいヘッドのついたマレットで叩いて演奏する。 吹奏楽においては、多くの楽曲で編成に組み込まれており、重要なパートの一つである。専用のスタンドに固定して用いられるが、マーチングバンドで用いられるマーチングバスドラムはキャリングホルダーで担ぐ形で用いられる。日本では高校野球などでは、応援団が自分のチームを鼓舞する目的で使用する。応援の曲としては、ヴァン・マッコイ[8]の「アフリカン・シンフォニー」などがある。
ドラムセットにおけるバスドラム

低く力強い音が出るため、ドラムセットにおいては欠かせないものとなっている。
ダブル・バスドラム
主にバスドラムは1つセットさせているのが主流だが、2つセッティングして2バスドラムにするドラマーもいる。ダブル・ベース・ドラムはジャズのルイ・ベルソンが最初に使用し、その後キース・ムーン、ジンジャー・ベイカー[9]、カーマイン・アピス、ナラダ・マイケル・ウォルデン、コージー・パウエル、テリー・ボジオらも使用した。[10]フィッシュボーンやリヴィング・カラーのドラマーも、ツーバスで高度なテクニックを披露している。ヘヴィメタルのバンドでは、2バスが多く見られるが、スペースの関係で1つしかバスドラムを設置出来ない場合など、1つのバスドラムで2つ設置した時と同等の効果を得る為に、ツインペダルという特殊なペダルを使用する場合がある。 また日本でも、幅広い表現を求めるために、村上 “ポンタ” 秀一が、ツー・バスを使用した。テリー・ボジオに至っては、最大8台のバスドラムを使用している。
バスドラムの奏法
ポピュラー音楽において、ドラムセットに組み込まれたバスドラムはペダルを踏む際に色々な工夫を施すことで、微妙な拍の強弱やアクセント、音量を自在に変化させることができる。 まず、座席の高さを程よく保つこと、これはレバリッジやコントロールをやりやすくするためで、ツールはハードフェルトのものを用意できると、なおベターである。[11]
オープン奏法 クローズ奏法
オープン奏法はバスドラムをキックした際、足をペダルからすぐ離すことによって、バスドラムのヘッドからすぐビーターを離す奏法のこと、クローズ奏法はバスドラムをキックした際、足をペダルから離さず、ビーターをバスドラムのヘッドに押し付ける奏法のことである。オープン奏法は音の余韻が長く、大砲の発射音の様な音を出すのに対し、クローズ奏法は音の余韻をミュートした音を出す。この2つの奏法を使い分けられれば、リズムパターンに微妙な音の変化を付けることができる。ただし、どんな奏法においても同じことが言えるが、聞き手に伝わらなければ意味がなく、ギターやベースなどの別の楽器が、大音量で演奏し、バスドラムの音が埋もれてしまっては、違いを聞き分けることは難しい。この問題を解消する方法として、CD音源等の場合はミックスダウンの際、バスドラムの音を大きくミキシングするか、そうでなければ他の楽器の音に埋もれないぐらい、バスドラムを力強くキックするほかない。
ヒールアップ奏法 ヒールダウン奏法
ヒールアップ奏法とヒールダウン奏法の違いは、バスドラムをキックする時、踵を床から浮かせてバスドラムを演奏するか(ヒールアップ奏法)、踵を床に着けてバスドラムを演奏するか、(ヒールダウン奏法)の違いのみである。ドラマーに使用される頻度はヒールアップ奏法の方が上で、多くのドラマー、特にハードロックやヘヴィメタルのドラマーはほとんどがヒールアップ奏法を用いている。その理由としてヒールダウン奏法よりヒールアップ奏法の方が体重を掛けやすく、大きな音を出しやすいということが挙げられるが、踵を浮かせる分だけヒールダウン奏法に比べ体のバランスが崩れやすい。ヒールダウン奏法は多くの場合、ジャズなどで使用される。また、ヒールダウン奏法は足、特に脛の付近の部分にかかる負担が大きく、ライブやコンサート等の長時間演奏に耐えるのは相当の訓練が必要である。
アップダウン奏法 スライド奏法 スウィングステップ奏法
アップダウン奏法とスライド奏法、およびスウィングステップ奏法はバスドラムのダブルアクション(二連打)のキックの仕方であり、その際の足の動作によって区別される。アップダウン奏法は膝が1回上下する間にビーターで2回叩くもので、例えばかかとでバスドラムを1回キックした後、すぐにペダルから離し、瞬時に爪先でもう1度キックするといった奏法のことである。前文のパターンはあくまで1つの例なので、これ以外のパターンも多数、存在する。スライド奏法は足をペダルに着けたまま、下から上にスライドさせて2回、音を出す奏法のことである。スウィングステップ奏法は左右にかかと、またはつま先をスライドさせて2回、音を出す奏法で、前者のツーパターンよりも音の安定度が均等で連打にも適している。一般的に難易度もアップダウン(ダウンアップ)→スライド→スウィングステップと上がっていく。
