ATR (タンパク質)
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セリン/スレオニンキナーゼATR(ataxia telangiectasia and Rad3-related)は、ヒトではATR遺伝子にコードされる酵素である[5][6]。FRP1(FRAP-related protein 1)という名称でも知られる。ATRはPI3K関連キナーゼ(PIKK)ファミリーに属する。ATRはDNAの一本鎖切断に応答して活性化される。
機能
ATRはDNA損傷の検知に関与するセリン/スレオニン特異的プロテインキナーゼで、DNA損傷チェックポイントを活性化して細胞周期の停止を引き起こす[7]。ATRは持続的な一本鎖DNAの存在に応答して活性化される。一本鎖DNAはDNA損傷の検知や修復の際に形成される一般的な中間体であり、停止した複製フォークや、ヌクレオチド除去修復や相同組換え修復などのDNA修復経路の中間体として生じる。ATRはATRIPと呼ばれるパートナータンパク質とともに機能し、RPAで覆われた一本鎖DNAを認識する[8]。ATRは活性化されるとChk1をリン酸化し、細胞周期の停止へとつながるシグナル伝達カスケードを開始する。DNA損傷チェックポイントの活性化に関する役割に加えて、ATRは安定的なDNA複製のためにも機能していると考えられている[9]。
ATRは、もう1つのチェックポイント活性化キナーゼであるATMと関連があり、ATMはDNAの二本鎖切断やクロマチンの破壊によって活性化される[10]。
相同組換え修復
臨床的意義
ATRの変異はセッケル症候群の原因となる。セッケル症候群は稀少疾患で、疾患の特徴の一部はATMの変異を原因とする毛細血管拡張性運動失調症と共通している[12]。
ATRは、familial cutaneous telangiectasia and cancer syndrome(FCTCS、家族性皮膚毛細血管拡張-癌症候群)とも関連している[13]。