電車アタック
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『電車アタック』(でんしゃアタック、原題:Denshattack!)は、スペインのインディーゲームスタジオUndercodersが開発し、Fireshine Gamesより2026年7月15日(日本時間では7月16日)に発売された3Dアクションゲーム[4][5]。
| ジャンル | 3Dアクションゲーム |
|---|---|
| 対応機種 |
Microsoft Windows PlayStation 5 Xbox Series X/S Nintendo Switch 2 |
| 開発元 | Undercoders |
| 発売元 | Fireshine Games |
| ディレクター | David Jaumandreu[1] |
| 音楽 |
Tee Lopes[2] Andrew One Sean Bialo 永松亮[2] リチャード・ジャックス[2] The Noble Demon THE DO DO DO's Toni Leys 目黒将司 2 Mello JUNKY58% 雄之助 高橋コウタ 藤田晴美 みるきぃ♪PRiSM Featuring: MIYACHI 光吉猛修[2] Lotus Juice Alice Peralta など |
| 発売日 |
|
| ゲームエンジン | Unreal Engine 5[3] |
概要
本作でプレイヤーが操作するのは高速で走行する電車だが、その電車は自動車のようにドリフト走行したりスケートボード競技のように空中でトリック(技)をきめたりすることができる[5]。また、線路上だけでなく壁を駆け抜けたり、線路が海中や空に伸びていたりなど、型破りな走行が展開される[6]。
物語の舞台は近未来の日本で、気候災害により富裕層は浄化ドームの中で暮らし、庶民は荒廃した地域での生活を強いられるという社会の分断が発生している。そして、ドーム外に住む人々の間では、放棄された鉄道を利用したエクストリームスポーツ「電車アタック」が広まり、各自しのぎを削っている[7][8]。そうした中で、日本国内を掌握している巨大企業「未来道(みらいどう)[注 1]」の陰謀を打ち砕くべく、「電車アタッカー」の絵美が電車で日本中を巡り、ライバルたちとの戦いを繰り広げて仲間に引き込んでいく[8]。
システム
本作はステージクリア型の形式で進行していく。多くのステージではゴール地点に到達すればクリアとなり、一部ステージでは、指定されたミッションの達成や、既定のスコアを上回ること、ライバルとレースを行い上位でゴールすることがクリア条件となっている。また、舞台となる各地方にはストーリーの成り行きで戦う事になる組織がそれぞれ存在し、最終ステージではボス戦が行われる。対立する組織は主に「組」と呼ばれる電車アタッカー集団となるが、政府側の法執行機関やヤクザ組織などとも戦う事になる。
電車が空中にある状態でトリックをきめるとスコアが加算され、高難易度なものほど高いスコアとなる。また、連続でトリックをきめるとコンボ状態となり、継続するほど獲得スコアにかかる倍率が上昇していく。一方、トリックをきめるごとに画面横のゲージが増加していき、このゲージが満タンになると、コース中に「八百万道(やおよろずどう)」と呼ばれる、通常ルートとは異なる特別な経路が現れる。
コース中には、収集用アイテムとして、写真フィルム、スプレー缶、歯車が配置されている。写真フィルムは、入手ごとに各地方の詳細情報が解禁されていき、スプレー缶と歯車は、各地にある城でそれぞれ消費することにより、電車の外見を変更するステッカーや操作する新たな電車を入手できる。
登場人物
九州地方の人物
- 荒木 絵美(あらき えみ)
- 声 - ニケライ ファラナーゼ[9] / Rhiannon Moushall
- 大分県別府市出身の19歳の運転士。古い電車を操縦してラーメンを届けることで生計を立てている。両親はドーム建設の作業に関わっていたが作業中の事故で死亡している。
- 後述のフェルナンドとの出会いをきっかけに電車アタックのことを知り、ともに旅に出ることになる。旅先では、電車アタックの初心者ながら類まれな才能を発揮し、物怖じしない態度でライバルたちとの対戦に挑む。
- 玉城 フェルナンド(たましろ フェルナンド)
- 声 - 岡井カツノリ[9] / Andrew Wheildon-Dennis
- 日本各地を旅するフリーランスの写真家、ジャーナリスト。
- ペルー出身で、有名な外交官一家に生まれる。家族とともに初来日した6歳の時に見た電車アタックに魅了され、文化交流で滞在していた大阪ドームから抜け出した。現在は電車アタックのファン雑誌(ZINE)の制作を行なっている。
- 別府市で注文したラーメンを運んできた絵美の電車の操縦技術に感心し、電車アタックを始めるよう勧める。
- 光竹 佳恵(みつたけ よしえ)
- 声 - 武田華[9] / Dev Joshi
- 福岡県出身のコギャル、インフルエンサー。九州地方の組「爆イケクイーン」のボス。
- 両親は未来道に土地を売却したことで巨富を築いており、佳恵はその財産(佳恵いわく「汚いお金」)を無断でファッションなどに投じて華やかな生活を送り、日本中の少女たちの人気を得た。しかし、その影響力を「好ましくない」とみなす地元の政治家たちにより公共の場から追放され、これに対抗するために九州全域のコギャルを集め、組を結成している。
- 自身との対決を望む絵美の威勢のよさを気に入り、「爆イケクイーン」のメンバーたちの電車を合体変形させた巨大ロボットで対決する。敗北後、絵美たちの旅に同行する。
- 中谷 立花(なかや りっか)
- 声 - 武田華 / Croni
- 「爆イケクイーン」のメンバー。
- 絵美の電車を見てダサいと言い放ち、勝負後に、熊本城にいる後述の芸術家の薫に電車の見た目を変更してもらうよう勧める。強めの九州弁で話す。
- 青木 エイプリル(あおき エイプリル)
- 声 - 大木むつみ / Cynthia Emeagi
- 「爆イケクイーン」のメンバー。
- 佳恵を倒すと豪語する絵美に驚きながらも技量を試し、その実力を認めて佳恵を紹介する。
中国地方の人物
- 佐藤 円花(さとう まどか)
- 声 - 新井笙子[9] / Florence St Ledger
- 広島県出身のスケバン。中国地方の組「死球」のボス。
- かつて高校の野球部でエースピッチャーを務めていたが、その気性の荒さでライバル2人とチームメイト1人を病院送りにしたことで追放される。その後、数々の騒動が地域の少女たちの注目を集め、不良グループが結成された。
- 絵美と出会った当初は興味を示さず、戦いを挑まれると巨大なピッチングマシンを備えた電車で返り討ちにするが、絵美が四国地方で電車を整備した後に再び戦いを挑むと、今度は鳥取県の鳥取砂丘でワーム状の電車を操縦して対決する。敗北後、絵美たちの旅に同行する。
- 桜塚 安美音(さくらづか やすみね)
- 声 - 坂本悠里 / Emma Ballantie
- 「死球」のメンバー。
- 山口県岩国市に絵美たちを招いて戦いを挑み、敗北後に絵美たちを円花のもとへ案内する。
- 小山 結衣(こやま ゆい)
- 声 - 上絛千尋 / Elsie Lovelock
- 「死球」のメンバー。
- 円花との戦いを間近に控える絵美に対し、自身が管轄する島根県の石見銀山のコースで勝負を仕掛ける。
四国地方の人物
- 小木曽 信(おぎそ しん)
- 声 - 佐々木義人[9] / Tei Sussex
- 自動車整備所の元経営者。四国地方の組「ロカビリーズ」のボスの一人。
- 気候災害の影響で自動車の利用が急減したことで破産するが、その後、若者たちが行なっている電車アタックの錆びた電車を見て整備を手掛けるようになり、その技術とカリスマ性で四国各地の電車アタッカーたちから支持を得ている。
- 電車の整備を依頼する絵美に対し、自身が所有する電車「トリックスター」を貸し出して、その操縦の腕前を確認する。
- 川村 文彦(かわむら ふみひこ)
- 声 - 佐久間元輝[9] / Ross Henson
- 自動車整備所の元経営者。「ロカビリーズ」のボスの一人。小木曽信の幼馴染で自動車整備所を共同経営していた。
- 小木曽信と同様に電車の整備をしていた中で、自身が整備した電車を操縦する人物が電車アタックの最中に亡くなってしまい、これを機に徳島県の山奥にこもっている。
- 絵美や「ロカビリーズ」のメンバーたちの激励によって気力を持ち直し、天守閣型の巨大兵器「ロックンローラー」を起動して絵美の実力を試す。敗北後、信とともに絵美たちの旅に同行する。
- 小木曽 マリア(おぎそ マリア)
- 声 - 坂本悠里 / Natasha Powell
- 「ロカビリーズ」のメンバー。小木曽信の妹。
- 絵美が操縦する電車のエンジンの整備が行き届いていないことを気に掛け、絵美の実力を試し実力を認めた後に信を紹介する。
- 小木曽 ボビー(おぎそ ボビー)
- 声 - 坂本悠里 / Emma Ballantine
- 「ロカビリーズ」のメンバー。小木曽マリアの息子。12歳。
- 電車アタッカーの女性を見ると必ず一目惚れし、電車を操縦する絵美に対しても思わず愛の告白をしてしまう。
関西地方の人物
- 山形(やまがた)
- 声 - 田邉安彦[9] / Oliver James Parkins
- 関西地方の暴走族「タランチュラ」のボス。
- 10歳の時点で両親のいない環境で暮らす状況になり、他のホームレスの子供たちと集団を形成して悪名を馳せてきた。そして、電車アタッカーとして生きながら、敵対する未来道や自分たちを捕らえようとする政府と戦い続けている。
- 大阪府と奈良県にあるドーム都市の襲撃を計画し、絵美に協力を求めた。しかし、襲撃後に絵美が電車アタックを「楽しい」と語ると態度を一変させて怒りをあらわにする。「タランチュラ」の本拠地でもあり過去に未来道によって命を奪われた弟分たちが眠る滋賀県で無念の言葉を口にすると、組の総力を挙げて絵美に戦いを挑んだ。敗北後、山形の悲しみを知った絵美と白鬚神社の前で握手をして仲直りをし、その後は旅に同行する。
- ケイ
- 声 - 上絛千尋 / Elsie Lovelock
- 「タランチュラ」のメンバー。
- 京都府亀岡市の練習場で絵美の技量を試した後、大阪府のドームの襲撃計画を伝える。山形とは「タランチュラ」が結成される前からの知り合いで、全幅の信頼を寄せている。
- 竜作(りゅうさく)
- 声 - 佐久間元輝 / Trev Flemming
- 「タランチュラ」のメンバー。蜘蛛の目を模した柄のアイマスクで常に目を覆っており、心眼で周囲の情景を把握する能力を持つ。
- コース内で電車を推進させるギミックの幽霊風、通称「ユカゼ」を作り出した人物として知られており、和歌山県と三重県で絵美の操縦技術を高めるためユカゼの指南を行う。
中部地方の人物
- 石田 ブライアン(いしだ ブライアン)
- 声 - 濱岡敬祐 / CDawgVA[10]
- 未来道によって政府の法執行拠点として再開発された中部地方で展開されている特殊部隊のボス。日本人サラリーマンの父とブラジル人ホステスの母を両親に持つ。
- かつては、孤児などを集めたグラフィティとヒップホップを好む組「ストリート・ハウンズ」のリーダーだったが、電車アタッカーの分断を狙う政府から厚遇を提示され、メンバーを養うためにやむなく政府側に寝返り、電車アタッカーの取り締まりを行っている。
- 絵美たちを急襲し、フェルナンド、佳恵、信、文彦の4人を拘束して電車アタッカー専用収容所と化した愛知県名古屋市に連行する。その後、4人は絵美により救出されるが、逃走経路を先回りして待ち構えており直接対決する。
- 後藤 野亜(ごとう のあ)
- 声 - 新井笙子 / Anna Morrey
- 特殊部隊のメンバー。未来道によってレジャー都市と化した岐阜県にある電車アタッカーたちのアジトを監督している。
- 面識のある山形からの挑発を受け、絵美たちが収容所へ潜入するために必要な特殊部隊の電車を賭けて対決が行われる。
- 佐藤 美香(さとう みか)
- 声 - 大木むつみ / Cynthia Emeagi
- 特殊部隊のメンバー。
- 収容所から脱出した絵美たちを追跡するが、逆に、美香を倒そうと静岡県のレース場で待ち構えていた絵美たちから反撃を受ける。
関東地方の人物
- 星 涼奈(せい すずな)
- 声 - 坂本悠里[9] / Natasha Powell
- ボーカリスト兼ギタリスト。関東地方のボス。星に忠誠を示す無口の集団「ボイスキーパーズ」に支えられている。
- 幼少期に未来道のエンターテイメント部門から天才児として売り出されたが大人になると見限られたという過去を持つ。その後、失意の中で行なっていたドーム外での演奏が電車アタッカーたちの間で共感を得て大勢の観客となり、これに心を動かされて自らも電車アタックを始める。
- 未来道を止めると宣言する絵美を試すため、海の中から巨大怪獣を蘇らせる。そして絵美がこれを撃退すると、絵美たちを「ボイスキーパーズ」の本拠地である栃木県に招き、自ら作り出した八百万道のステージでの対決を行う。
東北地方の人物
- 米田 紫帆里(よねだ しほり)
- 声 - 大木むつみ[9] / Jane Ajia
- 東北地方で影響力を持つ工芸品を製造するコングロマリット兼ヤクザ組織である米田家のボス。次期当主と目されている。
- 米田家は未来道と協力関係を締結しており、未来道に敵対する東北地方の電車アタッカーたちを米田家に従う仲間として引き込んでいるが、紫帆里はその統括を任されている。
- 冷酷非道な性格で、岩手県の湯田ダムに絵美たちを招き水門を開けて溺死させようとするが失敗に終わる。その後、青森県に攻め込んだ絵美たちに対し、ねぶたの山車灯籠を乗せた電車で迎え撃つ。
- 真子(まこ)
- 声 - 上絛千尋 / Leonie Schliesing
- 米田家のメンバー。
- 数年前に米田家の金庫を盗もうとして捕まるが、紫帆里の働きかけにより放免となり、それ以降、米田家に従っている。
- 山形県で屋外に設置する巨大こけしを作るための木材や花飾りなどを集めるよう絵美に依頼し、続いて、宮城県に絵美を招き電車レースを挑む。
- 浜本ツインズ(はまもとツインズ)
- 声 - 濱岡敬祐 / Thomas Mitchells
- 米田家のメンバー。紫帆里のボディーガードを務める2人組。宮城県仙台市の警備も担当している。
- 幼少期から米田家でボディーガードの訓練を受け、紫帆里が電車アタックの統括を任されてからは自分たちも電車アタックの技量を磨いている。
- 市民からの寄付金を街中の徴収ボックスから取り出す仕事を絵美に依頼するが、絵美がこれを反故にして徴収ボックスを破壊し始めたため激怒する。
その他の人物
- 薫(かおる)
- 声 - 不明
- 日本各地の城で現れる芸術家。
- 電車の表面に張り付けるステッカーを絵美に提供する。
- 安綱 玲子(やすつな れいこ)
- 声 - 不明
- 日本各地の城で現れる技術者。電車アタックの父といわれる安綱リチャードの娘。
- 自身が設計した電車を乗りこなす絵美に感激し、新たな電車を設計する。
- モルティ
- 声 - 上絛千尋 / Elsie Lovelock
- 未来道に属するモグラのような姿のマスコットキャラクター。物語の合間には、モルティが未来道の情報を紹介するテレビ番組のような映像がたびたび挿入される。
- 東北地方を訪れた絵美たちの前に友好的な態度で現れ、米田家の一員になれば、日本全域の地下を高速走行する自社のAI制御電車「VACTRAIN」に試乗させると話を持ち掛ける。しかし、絵美が米田家を撃破すると態度を翻して対決姿勢をあらわにし、未来道の本拠地がある北海道から別府市の区間で、絵美の電車とVACTRAINによるレースが行われることになる。
- 以前の未来道は人間の社員が従事していたが、現在は人間が排除されてモルティが実権を握っており、その意識は、未来道の月面基地で管理されている。モルティに勝利した絵美たちは、未来道の野望を完全に打ち砕くため、鹿児島県の種子島宇宙センターから電車を宇宙に打ち上げて月面基地へ向かう。
開発
本作を開発するUndercodersのディレクターのDavid Jaumandreuは、1998年の16歳の時に観光で初めて日本を訪れた際に日本の歴史や文化に魅了され、それ以降ほぼ毎年日本を訪れている。そして、観光の際に乗車する山手線の電車や新幹線の技術力の高さと乗り心地の良さに感激し、日本の鉄道システムを気に入っていた。ある日、Jaumandreuは小さな電車のおもちゃを持ってスケートのように滑らせていたところ、アイデアが次々と沸き上がり、これをゲームにできるかもしれないと考えた。その後、Jaumandreuが電車のおもちゃを職場に持っていき開発チームにプレゼンテーションを行うと懐疑的な意見が相次いだが、Unreal Engineに詳しい同僚が数日かけてプロトタイプを作成すると、一転して好評を得た。そして、それから約3年にわたり開発が続けられた[11]。
ゲームプレイの面では、『トニー・ホーク プロスケーター』『オリオリワールド』『SSX』からインスピレーションを得ている。また、アート面では、主に『ジェットセットラジオ』『Bomb Rush Cyberfunk』『Hi-Fi RUSH』から影響を受けている。そして、ジャンルは全く異なるが、『Celeste』からは、高難易度ながらペナルティは厳しくなく即座にゲームに復帰できるという仕組みを取り入れている[12]。