FOXO4

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FOXO4(forkhead box protein O4)は、ヒトではFOXO4遺伝子にコードされているタンパク質である[5][6]

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号FOXO4, AFX, AFX1, MLLT7, forkhead box O4
概要 PDBに登録されている構造, PDB ...
FOXO4
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

1E17, 3L2C

識別子
記号FOXO4, AFX, AFX1, MLLT7, forkhead box O4
外部IDOMIM: 300033 MGI: 1891915 HomoloGene: 4342 GeneCards: FOXO4
遺伝子の位置 (ヒト)
X染色体
染色体X染色体[1]
X染色体
FOXO4遺伝子の位置
FOXO4遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点71,095,851 bp[1]
終点71,103,532 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
X染色体 (マウス)
染色体X染色体 (マウス)[2]
X染色体 (マウス)
FOXO4遺伝子の位置
FOXO4遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点100,298,134 bp[2]
終点100,304,479 bp[2]
RNA発現パターン
さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 血漿タンパク結合
酵素結合
転写因子結合
beta-catenin binding
identical protein binding
DNA結合
DNA-binding transcription factor activity
promoter-specific chromatin binding
DNA-binding transcription activator activity, RNA polymerase II-specific
sequence-specific DNA binding
DNA-binding transcription factor activity, RNA polymerase II-specific
細胞の構成要素 細胞質
細胞質基質
細胞核
核質
nuclear speck
生物学的プロセス positive regulation of transcription, DNA-templated
negative regulation of smooth muscle cell differentiation
negative regulation of G0 to G1 transition
insulin receptor signaling pathway
negative regulation of angiogenesis
多細胞個体の発生
細胞分化
transcription, DNA-templated
筋発生
stem cell differentiation
transcription by RNA polymerase II
positive regulation of transcription by RNA polymerase II
mitotic G2 DNA damage checkpoint signaling
細胞周期
regulation of transcription, DNA-templated
negative regulation of cell population proliferation
response to water-immersion restraint stress
response to nutrient levels
老化
positive regulation of smooth muscle cell migration
protein deubiquitination
negative regulation of transcription by RNA polymerase II
glucose homeostasis
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_001170931
NM_005938

NM_018789

RefSeq
(タンパク質)

NP_001164402
NP_005929

NP_061259

場所
(UCSC)
Chr X: 71.1 – 71.1 MbChr X: 100.3 – 100.3 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
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構造と機能

FOXO4はフォークヘッドボックス(FOX)ファミリーのOサブクラスに属する転写因子であり、このファミリーはDNA結合に用いられるwinged helixドメインによって特徴づけられる[7][8]。FOXOファミリーには4種類のメンバーが存在し、他のメンバーはFOXO1FOXO3FOXO6英語版である。これらのタンパク質の活性は、リン酸化ユビキチン化アセチル化など多くの翻訳後修飾によって変化する[9]。DNAに対するFOXO4の結合親和性は修飾状態に依存して変化し、それによって酸化ストレスシグナル、長寿、インスリンシグナル、細胞周期の進行、アポトーシスなど多くの細胞経路の調節が可能となっている[10][11][12][13][14]。FOXO4の活性を調節する主要な上流因子となるのは、PI3キナーゼ(PI3K)とAKT/PKBの2つである[15][16]。PI3KとAKTはどちらもFOXO4を修飾することでへの移行を妨げ、FOXOの標的遺伝子の転写を効果的に阻害する。

臨床的意義

長寿との関係

FOXO転写因子は、IGFシグナル伝達経路の下流のエフェクター分子であることが示されている。線虫Caenorhabditis elegansでは、インスリン非存在下ではPI3Kが不活性となり、FOXOホモログであるDaf-16は核へ移行して長寿と関連した遺伝的経路を活性化することができるようになる[17]。FOXOによるこうした経路の活性化は線虫、ハエ、マウスで寿命を伸長することが示されており、ヒトでもFOXO3aの多型と長寿との関連が示されている[18][19]。一方でFOXO4はp53と結合して細胞老化を誘導することが知られており、FOXO4と競合するペプチドはp53を核から搬出することでセノリティック薬(老化細胞除去薬)として作用する[20]

がん

多くの種類のがんでAKTのリン酸化を促進する変異、すなわちFOXOの不活性化をもたらして細胞周期の適切な調節を効果的に防ぐ変異が生じしていることが観察されている[21][22][23]。FOXO4はCDK阻害因子であるp27を活性化し、G1への進行を阻害する[24]HER2陽性腫瘍細胞では、FOXO4活性の増大によって腫瘍のサイズが縮小する[24]FOXO4遺伝子の転座急性白血病の原因の1つであることが示されている[25]。こうした転座によって形成される融合タンパク質はDNA結合ドメインを欠いており、タンパク質の機能喪失が引き起こされる[25]

胃がんでは、原発部位にとどまっているがんと比較して、既にリンパ節へ到達しているがんでFOXO4のmRNA濃度の低下が観察される[26]。正常組織と比較した際には、胃がん組織の上皮細胞では核内に位置するFOXO4の濃度が減少しており、FOXO4のエフェクター機能や発がん性の抑制因子としての機能の低下と一致する。FOXO4は細胞周期をG1/S期で停止させて細胞増殖を防ぐとともに、ビメンチンをダウンレギュレーションして転移を防いでいる[27]。これらの結果は、FOXO4が上皮間葉転換(EMT)を阻害する役割を果たしていることを示している。

非小細胞肺がん英語版では、がんのステージに応じてFOXO4の発現が変化する。重篤な症例ではFOXO4が最も少なく、重症度の低い症例ではFOXO4濃度は高い[28]。胃がんと同様に、FOXO4の濃度が最も低いがんでE-カドヘリン濃度は最も低く、ビメンチン濃度は最も高い。このことはFOXO4がEMTの抑制因子として作用していることと一致する[28]

相互作用

FOXO4は、PIN1[29]Mdm2[30]と相互作用することが示されている。

一部の腫瘍では、染色体転座によって生じたCIC英語版-FOXO4融合タンパク質が観察される[31]

出典

関連文献

関連項目

外部リンク

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