PIN1

From Wikipedia, the free encyclopedia

PIN1(peptidylprolyl cis/trans isomerase, NIMA-interacting 1)は、ヒトではPIN1遺伝子によってコードされている酵素である[5][6]

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号PIN1, DOD, UBL5, peptidylprolyl cis/trans isomerase, NIMA-interacting 1
染色体19番染色体 (ヒト)[1]
概要 PDBに登録されている構造, PDB ...
PIN1
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

1F8A, 1I6C, 1I8G, 1I8H, 1NMV, 1NMW, 1PIN, 1ZCN, 2F21, 2ITK, 2KBU, 2KCF, 2LB3, 2M8I, 2M8J, 2M9E, 2M9F, 2M9I, 2M9J, 2Q5A, 2RUC, 2RUD, 2XP3, 2XP4, 2XP5, 2XP6, 2XP7, 2XP8, 2XP9, 2XPA, 2XPB, 2ZQS, 2ZQT, 2ZQU, 2ZQV, 2ZR4, 2ZR5, 2ZR6, 3I6C, 3IK8, 3IKD, 3IKG, 3JYJ, 3KAB, 3KAC, 3KAD, 3KAF, 3KAG, 3KAH, 3KAI, 3KCE, 3NTP, 3ODK, 3OOB, 3TC5, 3TCZ, 3TDB, 3WH0, 4GWT, 4GWV, 4QIB, 4TNS, 4TYO, 4U84, 4U85, 4U86, 2RUQ, 2N1O, 2RUR

識別子
記号PIN1, DOD, UBL5, peptidylprolyl cis/trans isomerase, NIMA-interacting 1
外部IDOMIM: 601052 MGI: 3649546 HomoloGene: 4531 GeneCards: PIN1
遺伝子の位置 (ヒト)
19番染色体 (ヒト)
染色体19番染色体 (ヒト)[1]
19番染色体 (ヒト)
PIN1遺伝子の位置
PIN1遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点9,835,257 bp[1]
終点9,849,689 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
2番染色体 (マウス)
染色体2番染色体 (マウス)[2]
2番染色体 (マウス)
PIN1遺伝子の位置
PIN1遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点104,544,271 bp[2]
終点104,546,724 bp[2]
RNA発現パターン
さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 GTPase activating protein binding
beta-catenin binding
isomerase activity
peptidyl-prolyl cis-trans isomerase activity
血漿タンパク結合
mitogen-activated protein kinase kinase binding
cytoskeletal motor activity
phosphoserine residue binding
phosphothreonine residue binding
tau protein binding
phosphoprotein binding
cis-trans isomerase activity
細胞の構成要素 細胞質
細胞質基質
nuclear speck
midbody
ミトコンドリア
neuron projection
細胞核
核質
glutamatergic synapse
postsynaptic cytosol
生物学的プロセス negative regulation of neuron apoptotic process
positive regulation of protein phosphorylation
regulation of cytokinesis
positive regulation of protein dephosphorylation
negative regulation of protein catabolic process
positive regulation of canonical Wnt signaling pathway
synapse organization
negative regulation of cell motility
タンパク質の安定化
negative regulation of transforming growth factor beta receptor signaling pathway
negative regulation of protein binding
protein peptidyl-prolyl isomerization
regulation of protein localization to nucleus
positive regulation of GTPase activity
positive regulation of neuron apoptotic process
positive regulation of ubiquitin-protein transferase activity
neuron differentiation
negative regulation of ERK1 and ERK2 cascade
細胞周期
negative regulation of type I interferon production
positive regulation of cell growth involved in cardiac muscle cell development
regulation of pathway-restricted SMAD protein phosphorylation
positive regulation of transcription by RNA polymerase II
regulation of mitotic nuclear division
regulation of signal transduction by p53 class mediator
regulation of protein phosphorylation
遺伝子発現調節
positive regulation of protein binding
microtubule polymerization
低酸素症への反応
タンパク質安定性の制御
negative regulation of amyloid-beta formation
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_006221

NM_001033768

RefSeq
(タンパク質)

NP_006212

NP_001028940

場所
(UCSC)
Chr 19: 9.84 – 9.85 MbChr 19: 104.54 – 104.55 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
閉じる

PIN1はペプチジルプロリルイソメラーゼ(PPIase)である。リン酸化セリン/スレオニン-プロリンモチーフに対してのみシス/トランス異性化を行い、タンパク質のコンフォメーション変化によって機能を調節するリン酸化後制御機構として機能している。PIN1の調節の異常はさまざまなな疾患に重要な役割を果たしている可能性がある。特に、PIN1のアップレギュレーションは特定の種類のがん、そしてPIN1のダウンレギュレーションはアルツハイマー病と関連していることが示唆されている。PIN1の阻害剤は、がん[7][8]や免疫疾患[9]の治療への応用の可能性がある。

発見

PIN1をコードする遺伝子は、1996年に有糸分裂の調節に関与しているタンパク質の遺伝学・生化学的スクリーニングから発見された[5]。一方で、Pin1のノックアウトマウスでは軽度の表現型しか観察されず[10]。、この酵素が細胞分裂自体に必要であるのかどうかは明確ではなかった。その後の詳細な研究により、マウスではPin1の喪失によって網膜変性をはじめとするいくつかの異常が生じることが明らかにされ、その表現型はサイクリンD1のヌルマウスと類似していることが示された[11]。このことから、PIN1によって媒介されるタンパク質のコンフォメーション変化が細胞の正常な機能に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。

活性化

PIN1の発現は細胞増殖条件下で増大し、E2F転写因子によって誘導される[12]。PIN1は核と細胞質の双方に分布している。PIN1には古典的核局在化配列と正確には一致しないものの類似した配列が存在し、インポーチンα5英語版(KPNA1)との相互作用によって核内に移行する[13]。基質となるタンパク質がPIN1によって認識されるためには、基質中のセリン/スレオニン-プロリンモチーフのリン酸化が必要である。PIN1はN末端のWWドメインとC末端のPPIaseドメインからなり、WWドメインがこのモチーフの認識を担っている。WWドメイン中のSer16のリン酸化は基質との相互作用に多様な変化を及ぼし[14]乳がんにおいてはこのリン酸化レベルの増大が腫瘍原性と関連している可能性がある[15]

機能

いくつかのプロリン指向性プロテインキナーゼMAPKCDKGSK3など)はPIN1によって認識されるモチーフを作り出し、またPIN1自身もこれらのプロテインキナーゼによってリン酸化されて機能が変化するなど、両者は複雑な相互作用を行うことで細胞過程の遂行や環境シグナルへの応答を行っている[16]。PIN1との相互作用がどのような影響を及ぼすかは系によって異なっており、Cdc25タウタンパク質はPIN1による異性化によって脱リン酸化が促進され[17]、サイクリンD1はPIN1との結合によって核外搬出が妨げられ核内に蓄積する[11]。また、PIN1はmRNAに結合するタンパク質複合体への作用を介してサイトカインのmRNAの安定性を高め、免疫応答にも重要な役割を果たしていることが示唆されている[18]。PIN1が分子タイマーとして機能しているという仮説も立てられている[19]

阻害

PIN1はいくつかのがんで過剰発現していることが知られており、乳がん子宮頸がん子宮体がん卵巣がんなどにおいて治療標的としての研究が広く行われている[7][20][21]。天然のビタミンA誘導体であるall-trans-レチノイン酸(ATRA)がPIN1の阻害に関与していることが研究から示されており[22]、ATRAはソラフェニブと相乗的に作用し、PIN1を減少させてがんの成長を阻害することが報告されている[23]。一部のエレモン酸(elemonic acid)誘導体もPIN1に対して阻害作用を示すことが報告されている[24]インドセンダン由来の一部のテルペノイドもエレモン酸誘導体と同様にPIN1を阻害する可能性が計算機解析から示されている[7]

相互作用

PIN1は次に挙げる因子と相互作用することが示されている。

出典

関連文献

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI