GAD-7

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GAD-7(Generalized Anxiety Disorder 7)とは2006年 Robert L. Spitzer英語版らによって作成された全般性不安障害のスクリーニングのための自己記入式尺度である[1]。GAD-7の質問項目は米国精神医学会の診断基準であるDSM-5の全般性不安障害の項目に準拠している。日本語訳は村松公美子らによって作成された[2]。DSM-5に準拠しており、比較的短時間(5分程度)で行うことができることもあり、現在GAD-7は不安障害のスクリーニング、治療の評価、疫学調査のために世界中で幅広く用いられている。

GAD-7の項目は、1)緊張感、不安感または神経過敏を感じる、2)心配することを止められない、または 心配をコントロールできない、3)いろいろなことを心配しすぎる、4)くつろぐことが難しい、5)じっとしていることができないほど 落ち着かない、6)いらいらしがちであり、怒りっぽい、7)何か恐ろしいことがおこるのではないかと 恐れを感じる、からなる[1]。被験者は過去2週間にこれらの症状がどの程度あったかを「全くない」「数日」「半分以上」「ほとんど毎日」から選択する。選択肢の得点は順に0点、1点、2点、3点となる。各項目の総スコアは0点から21点まで分布する。

スコアと指針

下記の表はスコア、抑うつの重症度、推奨する対応を示している[1][3]

GAD-7 スコア 抑うつの程度 推奨される対応
0-4 軽微 特に必要ない
5-9 軽度 再検査によるフォローアップ
10-14 中等度 再評価が必要、治療計画が必要
15-21 重症 治療計画が必要、頻回のケア、薬物療法の再調整

GAD-7 を用いた研究ではカットオフ値を10点と設定すると、全般性不安障害に対して感度89%、特異度82%が報告されている[4]

米国でのGAD-7による疫学調査

次の表は米国の一般人口を対象とした疫学調査 National Health Interview Survey英語版(2019)での GAD-7の項目反応の分布を示している。分布には共通点があり、いずれの項目も"ない"が最も多く,"ない"から"半分以上"にかけて減少し、"半分以上"から"ほぼ毎日"にかけて増加する。GAD-7の項目反応の分布は抑うつ評価尺度と同じく抑うつの分布モデルに近似すると報告されている[5]

項目ない数日半分以上ほぼ毎日
1 緊張感不安感74.2%16.7%2.9%3.9%
2 心配することを止められない80.7% 10.6%2.3%4.1%
3 心配しすぎる74.3%15.8% 2.8%4.7%
4 くつろぐことが難しい78.6% 12.4%2.5%4.2%
5 落ち着かない86.3%7.2%1.5%2.8%
6 いらいらしがち73.4%17.5%3.2% 3.7%
7 恐ろしいことがおこるのではないかと恐れを感じる85.5% 8.2%1.6%2.4%

次の表は同じ疫学調査National Health Interview Survey(2019)における GAD-7の総スコアの分布を示している[6]。GAD-7 の代表的なカットオフ値は10点以上であるが、米国人口の約6.1%が陽性ということになる。

GAD-7点数0-45-910-1415-21
パーセント 84.4%9.5%3.4%2.7%
パーセンタイル 84.4%93.9%97.3%100%

関連項目

脚注

参考文献

外部リンク

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