GRB 090423
From Wikipedia, the free encyclopedia
| GRB 090423 | |
|---|---|
| 星座 | しし座 |
| 最大視等級 | 17.94 ± 0.04 (K)[1] |
| 分類 | ガンマ線バースト |
| 発見 | |
| 発見日 | 2009年4月23日 07:55:19 (UTC) |
| 発見者 | スウィフト |
| 発見方法 | 自動検出 |
| 位置 元期:J2000.0[2] | |
| 赤経 (RA, α) | 09h 55m 33.19s[2] |
| 赤緯 (Dec, δ) | +18° 08′ 57.5″[2] |
| 赤方偏移 | 8.26 +0.07 −0.08[1] |
| 見かけの後退速度 | 292880 km/s[3] |
| 実際の後退速度 | 619154 km/s[3] |
| 見かけの距離 | 131億 光年[3] |
| 実際の距離 | 298億 光年[3] |
| ■Template (■ノート ■解説) ■Project | |
GRB 090423とは、2009年4月23日に地球から見てしし座の方向に発見されたガンマ線バーストである[1]。地球からの距離は298億光年[3]と、発見時は地球から最も遠い天体であった[1][3]。
GRB 090423は、協定世界時2009年4月23日7時55分19秒にスウィフトによって発見された[1]。ガンマ線の放出は10秒と[4]、大質量星が爆発する2秒以上のガンマ線バーストに分類されることを示している[5][6]。
その後、地上の観測所が次々とGRB 090423を観測し、その残光から赤方偏移の値を求めた。後述するとおり赤方偏移の値が極めて大きいため観測が難しく、速報値は極めて荒い精度で求まっていた。4月26日の段階で、赤方偏移の値は 8.0+0.4
−0.8 と求まっていたが[7]、最終的には6月8日にネイチャーに掲載された論文で、8.26+0.07
−0.08 と定められた[1]。
| 日時 (UTC) | |
|---|---|
| 4月23日07:55 | スウィフトがGRB 090423の発見を最初に報告。 |
| 4月23日07:58 | 米国の複数のチームが観測を開始。 |
| 4月23日11:00 | UKIRTが赤外線の残光を観測。 |
| 4月23日15:00 | ジェミニ北望遠鏡のCucchiaraらのチームが、赤方偏移を9と報告。 |
| 4月23日20:30 | Cucchiaraが、赤方偏移を7から9と報告。 |
| 4月23日22:00 | イタリアのTNGが観測を開始。 |
| 4月23日23:00 | チリのGRONDが7つのバンドで観測を開始。 |
| 4月24日01:30 | VLTが観測を開始。 |
| 4月24日03:00 | GRONDのOlivaresらの観測チームが赤方偏移を 8+0.5 −1.2 と報告。 |
| 4月24日03:15 | イタリアのThöneらの観測チームが赤方偏移を7.6と報告。 |
| 4月24日07:30 | VLTのTanvirらの観測チームが赤方偏移を8.2と報告。 |
| 4月24日14:00 | イタリアの観測チームが、前回の観測結果である7.6を8.1へ修正。 |
| 4月25日03:45 | Krimmらのチームが、スウィフトのBATの観測結果からGRB 090423が長いバーストなのか短いバーストなのかを示すラグ分析の解析結果を発表。 |
| 4月25日10:40 | VLAではGRB 090423は観測できなかった。 |
| 4月26日18:30 | GRONDが最終報告として、赤方偏移の 8.0+0.4 −0.8 と発表。 |
| 4月28日00:30 | ビュール高原電波干渉計が、0.2mJyの領域で残光を観測。 |
| 4月28日02:00 | CARMAが0.7mJy以上ではGRB 090423を観測できなかった。 |
距離
先述の通り、GRB 090423の赤方偏移の値は2009年4月26日の段階で8.0[7]、現在採用されている6月8日の段階で8.26である[1]。4月末の段階で、2006年4月に発見され、当時観測されていた宇宙で最も遠い天体であった銀河のIOK-1の6.96[8]を大幅に上回る、当時の宇宙で最も遠い天体であったと発表された[9][10][11][12][13][14]また、2008年9月13日に発見された、最も遠いガンマ線バーストであったGRB 080913の6.7[15]も大幅に上回っている[9]。GRB 090423は、2010年10月20日に発見が報告された、赤方偏移が8.55のUDFy-38135539まで座を維持した[16][17]。
赤方偏移の値から、2013年現在最新の宇宙論パラメータを適用すると、地球からGRB 090423までの距離は約298億光年であり、約131億年前の宇宙に存在する天体である。これは宇宙の誕生[18]からわずか約7億年後に発生したイベントである。GRB 090423のバーストの放出時間は、大質量星の崩壊を示しており、この時代には、大質量星が存在していたことを示している[9][19]。また、直接的な証拠は得られていないものの、発生した時代から、GRB 090423の元となった恒星は、金属を全く含まない種族IIIと呼ばれる未発見の恒星である可能性がある[20]。
距離の記録について
GRB 090423は、先述の通り最も遠いガンマ線バーストであった。しかし、そのわずか6日後の4月29日に発見されたGRB 090429Bは、赤方偏移の値が9.4[21]であり、見かけの距離は132億光年、実際の距離は307億光年[22]と、GRB 090423を上回る値であった。しかし、GRB 090429Bの赤方偏移の値が判明したのは、発見から1年以上後の2011年5月25日であった[21]。GRB 090423は、先述の通りUDFy-38135539が発見されるまで宇宙で最も遠い天体の座を持っていたが、GRB 090429Bの場合は、赤方偏移の値が判明する前の2011年1月26日に、赤方偏移の値が10.3のUDFj-39546284の存在が公表されたため[23]、宇宙で最も遠い天体の座を獲得することはなかった。しかし、GRB 090429Bは、GRB 090423を上回る、宇宙で最も遠いガンマ線バーストとなっている。