HD 269810

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赤経 (RA, α) 05h 35m 13.905s[2]
赤緯 (Dec, δ)−67° 33 27.51[2]
HD 269810
星座 かじき座
見かけの等級 (mv) 12.28[1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  05h 35m 13.905s[2]
赤緯 (Dec, δ) −67° 33 27.51[2]
視線速度 (Rv) 264 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: 0.9 ミリ秒/[2]
赤緯: -0.9 ミリ秒/年[2]
距離 1.6 ×105 光年[注 1]
(4.9 ×104 パーセク[3]
絶対等級 (MV) -6.6[1]
物理的性質
半径 18 R[4][注 2]
質量 150 M[4]
表面重力 10 G[3][注 3]
自転速度 173 km/s[5]
スペクトル分類 O2 III(f*)[1]
光度 2.19 ×106 L[4]
表面温度 52,500 K[4]
色指数 (B-V) -0.23[1]
他のカタログでの名称
RMC 122, Sk-67 211, GSC 09162-00101, TYC 9162-101-1, 2MASS J05351389-6733275
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HD 269810は、大マゼラン雲にある青色巨星である。既知の恒星の中で、質量が最も大きい恒星の一つ、且つ光度が最も高い恒星の一つで、スペクトル型がO2の数少ない既知の恒星の一つである。

HD 269810は、ヘンリー・ドレイパーカタログ収録の恒星名だが、269810番はカタログ第1版には存在しなかった数字で、拡張版で追加されたものであり、正式にはHDE 269810という。

特徴

HD 269810は、スペクトル型がO2 III(f*)で、表面温度は52,500Kにもなるとみられる。光度階級がIIIであるので、主系列からいくぶん進化した段階にあることを示している。(f*)は、スペクトルの特異性を示す記号で、3階電離窒素イオン波長4,058Å)の輝線が2階電離窒素イオン(波長4,634・4,640・4,642Å)輝線より強く、2階電離窒素イオンの輝線の強さは中程度で、そこに弱い1階電離ヘリウムイオン(波長4,686Å)の吸収線が付随することを示しており、HD 269810はこのようなスペクトル型の恒星の典型とされる[6]

半径は、太陽の18倍程度だが、表面温度が非常に高いので、太陽の200万倍くらい明るい。高い温度は、高速の恒星風を生み出し、その終端速度は3,750km/sに達する[7]。この恒星風で、1年当たり太陽質量の100万分の1という質量の物質を放出している[3]1995年の段階では、HD 269810の質量は太陽の190倍で、既知の恒星の中で最も大きいとされていた[7]が、その後の研究で太陽の150倍程度であろうと考えられている[4]

進化

HD 269810くらい質量の大きい恒星が、大マゼラン雲に典型的な金属量だったとすると、強い対流自転による撹拌で、化学的にほぼ均質な状態で進化すると予想される[8]。そのような恒星の表面での組成は、水素核融合が起こっている段階でも、ヘリウム、窒素が過剰になる。

この先は、高光度青色変光星を経ずにウォルフ・ライエ星へと進化し、ウォルフ・ライエ星としての進化を経てIc型超新星(またはIb型)となり、後にはブラックホールが残ると考えられる[9]。全体での寿命はおよそ200-300万年で、そのうち大半をO型星として過ごす。

高速で自転する大質量星は、最終的に極超新星として、長周期ガンマ線バーストを起こすことが期待されるが、HD 269810のように質量があまりに大きいと、激しい質量放出と外層の急膨張のせいで、自転速度がどんどん低下すると予想され、長周期ガンマ線バーストにはならないのではないかと考えられる[8]

脚注

関連項目

外部リンク

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