Media Ambition Tokyo
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Media Ambition Tokyo(メディア・アンビション・トウキョウ、略称: MAT)は、東京都を舞台に最先端のテクノロジーアート、メディアアート、映像、音楽、パフォーマンスを実験的なアプローチで発信するテクノロジーとアートの祭典である。2013年に六本木ヒルズで初開催され、以後毎年開催を重ねた[1]。「最先端のテクノロジーカルチャーを、実験的なアプローチで都市実装するリアルショーケース」を標榜し[2]、東京から世界へ向けてテクノロジーカルチャーの可能性を発信することを目的とした。
主催は一般社団法人Media Ambition Tokyo(2018年3月設立[3]、法人番号6010405016568)。構成団体はJTQ株式会社、パノラマティクス(旧ライゾマティクス・アーキテクチャー)、森ビル株式会社、Enhance Experience株式会社、Mistletoe株式会社[2]。同法人は2025年8月25日に清算結了し閉鎖された[3]。
Media Ambition Tokyoは、ジャンルやカテゴリーの枠を超えた実験的なアプローチにより、テクノロジーが創り出す都市の未来の可能性を東京から世界に向けて提示することを掲げた祭典である[4]。六本木ヒルズ森タワー52階の東京シティビューをメイン会場とし、都内各所のサテライト会場でインスタレーション展示(MAT EXPERIENCE)、トークセッション(MAT TALK)、電子音楽と映像によるライブパフォーマンス(MAT LIVE)を展開した[5]。
従来の美術展やメディアアートフェスティバルとは異なり、キュレーションではなくアーティスト同士の紹介・推薦による参加を基本とし、「民間による民間のためのメディアアートイベント」として運営された[6]。会場提供者・製品提供企業・クリエイターがそれぞれの資源を持ち寄るパートナーシップ型のエコシステムを構築し、持続可能な運営モデルを実現した[7]。
歴史
設立と初開催(2013年)
2013年2月15日から17日までの3日間、六本木ヒルズアリーナおよび森タワー52階の東京シティビューにて初開催された[1]。主催はCG-ARTS協会(公益財団法人画像情報教育振興協会)、共催は六本木ヒルズ、空間デザインはJTQ株式会社が担当した[1]。初回は3日間で約14,000人の来場者を記録した[8]。出演・参加アーティストにはRHIZOMATIKS、チームラボ、原田大三郎、高木正勝、OPEN REEL ENSEMBLE、VJ ENLIGHTMENT、DJ TOWA TEI、ピエール瀧(電気グルーヴ)、MOODMANらが名を連ねた[1]。
規模拡大(2014年 - 2016年)
2014年は2月7日から3月30日まで約2か月間にわたり開催され、東京シティビュー展望台全体を使用して16作家による18作品を展示した[8][9]。参加アーティストにはIMG SRC、渋谷慶一郎 + 池上高志(《filmachine》)、高木正勝(《うたがき》)、チームラボ、RHIZOMATIKS、小松宏誠、WOWらが含まれた[9]。MAT LIVEには真鍋大度、TOWA TEIらが出演した[9]。
2015年は2月11日から15日に開催され、前2回で累計約12万人の来場者を集めた実績を踏まえ、六本木・青山・お台場・飯田橋・渋谷の5エリアに会場を拡大[10]。RHIZOMATIKSの《1,220》(INTERSECT BY LEXUS)、チームラボの《増殖する生命 – Gold》(日本科学未来館)、WOW×SANDWICHの《MAT Lab》(六本木ヒルズ)などが出展された[10]。
2016年は2月26日から3月21日まで、12か所の会場で同時開催された[5]。参加アーティストにはRhizomatiks Architecture、WOW、平川紀道(×LEXUS)、水口哲也、宮島達男、渋谷慶一郎、チームラボらが参加した[5][6]。六本木ヒルズに加え、TSUTAYA TOKYO ROPPONGI、INTERSECT BY LEXUS、アンスティチュ・フランセ東京、デジタルハリウッド大学、Apple Store銀座・表参道、代官山 蔦屋書店、寺田倉庫、日本科学未来館などが会場となった[6]。
法人化と発展(2017年 - 2019年)
2017年は第5回として2月11日から3月12日まで開催[11]。落合陽一は《Colloidal Display》《Levitrope》《幽体の囁き》の3作品を出展し、田川欣哉(Takram)、齋藤精一(Rhizomatiks Architecture)らとのトークセッションも開催された[12]。AKI INOMATA、WOWの《TOKYO LIGHT ODYSSEY》(future by LEXUS)なども展示された[11]。
2018年3月4日、一般社団法人Media Ambition Tokyoが設立され、中長期的なビジョンに基づく運営体制に移行した[13]。同年の第6回は2月9日から25日まで東京シティビューで開催され、18組以上のアーティスト・団体が参加[14]。Rhizomatiks、ソニーデザイン、AR三兄弟、落合陽一、ジョアニー・ルメルシエ、WOW×ポケモン、Honda、ダイキン、LEXUSとのコラボレーション作品などが展示された[14][15]。
法人化後初となる2019年の第7回は2月23日から3月3日まで開催[16]。Niantic × ポケモン(《Pokémon GO AR展望台》)の初参加が話題となり、Rhizomatiks Architecture、ispace、チームラボ、落合陽一(《風量と質量と》)、WOW(《YADORU》)、nor、Synesthesia Lab feat. evala、ANOTHER FARM(スプツニ子!×串野真也)、PARTY、脇田玲、IMG SRC、Qosmo、ティエリ・フルニエなど約30組が参加した[16][17]。六本木のほか、渋谷・銀座・虎ノ門・お台場などにもサテライト会場が設けられた[16]。
新型コロナウイルスの影響と展開(2020年 - 2021年)
2020年の第8回は2月28日から3月8日(一部3月14日)に開催された[18]。渋谷キューズ(SHIBUYA QWS)をメイン会場の一つに加え、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、SHIBUYA109、上野公園、日本科学未来館など都内各所で展開された[18]。落合陽一、脇田玲、Rhizomatiks Architecture(齋藤精一《JIKU#04 ROPPONGI》)、WOW(《Emerge》)、OPEN MEALS(《サイバー和菓子》)、Qosmo、IMG SRCらが参加した[19]。新型コロナウイルスの感染拡大により、一部プログラムが中止・縮小された。
2021年の第9回は当初の予定から会期を変更し、5月12日から6月8日まで東京シティビューで開催された[20]。リアルとオンラインを組み合わせたハイブリッド形式を採用し、落合陽一(《物化する地平線》)、水口哲也、脇田玲、中村勇吾(AR作品《HUMANITY》)、市原えつこ×渡井大己、evala、OPEN MEALS、小野澤峻らが参加した[20][21]。代官山のギャラリー会場や熱海のサテライト会場も設置された[20]。
法人の清算(2025年)
一般社団法人Media Ambition Tokyoは2025年8月25日に清算結了し、法人としては閉鎖された[3]。
創設メンバーと運営体制
Media Ambition Tokyoは以下の3名を中心に構想・設立された。
- 谷川じゅんじ(JTQ株式会社代表取締役、スペースコンポーザー) - 代表理事。ミラノ・サローネに着想を得て、東京発のテクノロジーカルチャーの祭典を構想した[7]。
- 杉山央(森ビル、のちART+TECHプロデューサー) - 理事。森ビル入社後、六本木ヒルズのアートイベント企画を担当。後に「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」企画運営室長、「TOKYO NODE」施設長を歴任[13]。2024年に森ビルを退社し独立[22]。
- 孫泰蔵(Mistletoe株式会社代表取締役社長) - 理事。スタートアップエコシステムの形成・支援の観点からMATに参画した[13]。
2018年の法人化以降、構成団体として齋藤精一率いるパノラマティクス(旧Rhizomatiks Architecture)、水口哲也のEnhance Experience、森ビル、Mistletoeが加わり、多角的な運営体制が構築された[2]。
主な開催会場
- 東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階) - 2013年の初開催から継続的にメイン会場として使用。地上約250mの展望台空間にインスタレーションを展示し、東京の眺望とアートの融合を実現した[8]。
- INTERSECT BY LEXUS(南青山) - LEXUSとアーティストのコラボレーション作品を展示[10]。
- 日本科学未来館 - チームラボ作品などを展示[10]。
- アンスティチュ・フランセ東京(飯田橋) - Digital Chocフェスティバルとの連携[10]。
- デジタルハリウッド大学
- SHIBUYA QWS(渋谷キューズ) - 2020年よりメイン会場の一つとして使用[18]。
- 代官山 蔦屋書店、TSUTAYA TOKYO ROPPONGI
- Apple Store 銀座・表参道
- 寺田倉庫
- 東京ミッドタウン
開催一覧
| 回 | 名称 | 会期 | メイン会場 | 会場数 | 主な参加アーティスト |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | MEDIA AMBITION TOKYO 2013 | 2013年2月15日 - 17日 | 六本木ヒルズ | 1 | RHIZOMATIKS、チームラボ、原田大三郎、高木正勝、TOWA TEI、ピエール瀧 |
| 2 | MEDIA AMBITION TOKYO 2014 | 2014年2月7日 - 3月30日 | 東京シティビュー | 2 | 渋谷慶一郎+池上高志、高木正勝、チームラボ、RHIZOMATIKS、小松宏誠、WOW、IMG SRC |
| 3 | MEDIA AMBITION TOKYO 2015 | 2015年2月11日 - 15日 | 東京シティビューほか | 5エリア | Rhizomatiks、チームラボ、WOW×SANDWICH |
| 4 | MEDIA AMBITION TOKYO 2016 | 2016年2月26日 - 3月21日 | 東京シティビューほか | 12 | Rhizomatiks Architecture、WOW、平川紀道、水口哲也、宮島達男、渋谷慶一郎、チームラボ |
| 5 | MEDIA AMBITION TOKYO 2017 | 2017年2月11日 - 3月12日 | 東京シティビューほか | 8 | 落合陽一、Rhizomatiks、チームラボ、Takram、WOW、AKI INOMATA、脇田玲 |
| 6 | MEDIA AMBITION TOKYO 2018 | 2018年2月9日 - 25日 | 東京シティビューほか | 都内各所 | Rhizomatiks、落合陽一、AR三兄弟、ジョアニー・ルメルシエ、WOW×ポケモン、ソニーデザイン |
| 7 | Media Ambition Tokyo 2019 | 2019年2月23日 - 3月3日 | 東京シティビューほか | 都内各所 | Niantic×ポケモン、Rhizomatiks Architecture、チームラボ、落合陽一、WOW、ispace、evala |
| 8 | Media Ambition Tokyo 2020 | 2020年2月28日 - 3月8日 | 渋谷キューズ・六本木ヒルズほか | 都内各所 | 落合陽一、脇田玲、Rhizomatiks Architecture、WOW、OPEN MEALS、Qosmo |
| 9 | Media Ambition Tokyo 2021 | 2021年5月12日 - 6月8日 | 東京シティビューほか | 3 | 落合陽一、水口哲也、脇田玲、中村勇吾、市原えつこ、evala、OPEN MEALS |
主な参加アーティスト
Media Ambition Tokyoには多数のアーティスト、クリエイター、テクノロジー企業が参加した。以下は複数回にわたり参加した主要な出展者である。
- 落合陽一 - メディアアーティスト・研究者。2017年より継続的に参加。《Colloidal Display》《Levitrope》《風量と質量と》《物化する地平線》などを出展[11][20]。
- Rhizomatiks / Rhizomatiks Architecture / Panoramatiks(齋藤精一) - 初回より一貫して参加。構成団体の一つ。テクノロジーとデザインの融合表現を展開[1]。
- チームラボ(猪子寿之) - 初回より参加。《Flowers and Corpses》《増殖する生命 – Gold》などを出展[1][10]。
- WOW - 映像デザインスタジオ。《Ophelia has a Dream》《TOKYO LIGHT ODYSSEY》《YADORU》《Emerge》など継続的に出展[9][16]。
- 水口哲也 - ゲームクリエイター・プロデューサー。Enhance Experience代表として構成団体に参画し、アーティストとしても出展[20]。
- 脇田玲 - アーティスト・科学者。《Scalar Fields》《Moment》などを出展[11][19]。
- 渋谷慶一郎 - 音楽家・アーティスト。池上高志との共作《filmachine》などを出展[9]。
- 高木正勝 - 映像作家・音楽家。《うたがき》などを出展[9]。
- 真鍋大度 - MAT LIVEに出演[9]。
- TOWA TEI - DJ。初回および2014年のMAT LIVEに出演[1][9]。