ホザキノフサモ

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ホザキノフサモ(穂咲の房藻、学名Myriophyllum spicatum)は、アリノトウグサ科の沈水性多年草である。ヨーロッパアジア北アフリカを原産とし、現在では世界各地に帰化している。ヨーロッパ各地の湖や運河では淡水生物の生息環境を形成し、水草帯の主要構成種のひとつとして重要な役割を果たしている。一方で、北米などでは侵略的外来種として問題視されている。

概要 ホザキノフサモ, 分類(APG IV) ...
ホザキノフサモ
ホザキノフサモ(イラスト)
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ユキノシタ目 Saxifragales
: アリノトウグサ科 Haloragaceae
: フサモ属 Myriophyllum
: ホザキノフサモ M. spicatum
学名
Myriophyllum spicatum
L., 1753
シノニム
  • Myriophyllum pusillum Blume (1850)
  • Myriophyllum spicatum var. baicalense Czepinoga (2008)
  • Myriophyllum spicatum var. majus Hartm. (1820)
  • Myriophyllum spicatum var. minus Gray 1822)
  • Myriophyllum spicatum var. tenellum Hartm. (1820)
  • Myriophyllum verticillatum subsp. spicatum (L.) Bonnier & Layens (1894)
和名
ホザキノフサモ
英名
Eurasian watermilfoil
Spiked water-milfoil
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分布

原産地はヨーロッパアジア北アフリカ。 現在では北アメリカオーストラリア大陸アフリカなどにも広く分布している。 ヨーロッパでは湖沼や緩やかな流れの河川運河に生育し、沈水植物群落の主要種のひとつとなっている。 北アメリカでは1940年代に侵入し、1970年代半ばにはカナダブリティッシュコロンビア州オンタリオ州で数千ヘクタールを覆うまでに繁茂した。[1]

形態

茎は最大約2.5mに達する沈水植物で、4枚の羽状葉が輪生し、各葉には長さ4〜13mmの糸状小葉が多数つく。葉の長さは15〜35mmほど。 花は雌雄同株で、葉腋に生じる。上部に雄花、下部に雌花をつけ、水面上に5〜15cmの花穂を直立させる。花は橙赤色で長さ4〜6mmと小さい。 近縁種のM. sibiricumシベリアフサモ)とは小葉の数が異なり、本種は12〜21対、M. sibiricumは5〜9対である。両者は交雑可能で、雑種は中間的な形質を示す。

生態

沈水性の多年生植物で、湖沼や緩やかな河川、ため池などの泥質底に根を張る。切断された茎片からも再生可能なため、栄養繁殖による拡散力が非常に強い。 また、光を遮るほどの群落を形成し、在来種の生育を妨げることがある。

ヨーロッパの淡水域では、水生無脊椎動物や稚魚の隠れ場として機能し、淡水生態系において重要な役割を担っている。

化学的特徴

Myriophyllum spicatumポリフェノール(エラグ酸、ガロ酸、ピロガロール酸、(+)-カテキンなど)を生成し、アオコMicrocystis aeruginosa)の生育を抑制するアレロパシー作用を持つことが報告されている。[2]

利害

本種は観賞用・アクアリウム用水草として利用されることもあるが、湖沼やダムで繁茂すると在来植物を駆逐し、ボート航行や釣りの妨げとなる。 北アメリカでは「有害雑草(noxious weed)」として指定されている。 一方、ヨーロッパでは生物多様性の維持や水質浄化に寄与する水草としても知られている。

管理

完全な根絶は困難であり、主に以下の方法で制御されている。

  • 生物的防除 - 水中ガ(Acentria ephemerella)やミルフォイルゾウムシ(Euhrychiopsis lecontei)を利用。
  • 手作業除去 - アメリカ・ニューヨーク州アディロンダック公園では潜水作業による除去が成功している。
  • 水位調整 - 冬季に湖の水位を下げて岸辺を凍結させ、根を死滅させる方法もある。


脚注

外部リンク

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