NEDD8

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NEDD8(neural precursor cell expressed, developmentally down-regulated 8)は、ヒトではNEDD8遺伝子にコードされるタンパク質である[5][6]出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeでは、このタンパク質はRub1として知られる。このユビキチン様タンパク質は、限られた種類の細胞内タンパク質に共有結合的に付加される。この過程はNEDD化英語版と呼ばれ、ユビキチン化と類似した過程である。ヒトのNEDD8のアミノ酸配列は、ユビキチンと60%同一である。NEDD8の既知の主要な基質はCullinタンパク質である。Cullinをサブユニットとして含むE3ユビキチンリガーゼ複合体は、CullinがNEDD化されているときにのみ活性化状態となる。このNEDD化はE2酵素をE3リガーゼ複合体へリクルートするために重要であり、ユビキチンの結合を促進する。NEDD8修飾は細胞周期の進行や細胞骨格の調節に関与していることが示唆されている。

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号NEDD8, NEDD-8, neural precursor cell expressed, developmentally down-regulated 8, NEDD8 ubiquitin like modifier
染色体14番染色体 (ヒト)[1]
概要 PDBに登録されている構造, PDB ...
NEDD8
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

1NDD, 1R4M, 1R4N, 1XT9, 2BKR, 2KO3, 2NVU, 3DBH, 3DBL, 3DBR, 3DQV, 3GZN, 4F8C, 4FBJ, 4HCP, 4P5O

識別子
記号NEDD8, NEDD-8, neural precursor cell expressed, developmentally down-regulated 8, NEDD8 ubiquitin like modifier
外部IDOMIM: 603171 MGI: 97301 HomoloGene: 4485 GeneCards: NEDD8
遺伝子の位置 (ヒト)
14番染色体 (ヒト)
染色体14番染色体 (ヒト)[1]
14番染色体 (ヒト)
NEDD8遺伝子の位置
NEDD8遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点24,216,857 bp[1]
終点24,232,367 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
14番染色体 (マウス)
染色体14番染色体 (マウス)[2]
14番染色体 (マウス)
NEDD8遺伝子の位置
NEDD8遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点55,899,720 bp[2]
終点55,909,581 bp[2]
RNA発現パターン
さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 血漿タンパク結合
ubiquitin protein ligase binding
protein tag
細胞の構成要素 細胞質基質
エキソソーム
細胞核
核質
細胞質
生物学的プロセス タンパク質局在化
解剖学的構造の形態形成
transforming growth factor beta receptor signaling pathway
有機環状化合物への反応
ubiquitin-dependent protein catabolic process
タンパク質分解
protein neddylation
protein deubiquitination
cellular iron ion homeostasis
protein ubiquitination
翻訳後修飾
modification-dependent protein catabolic process
regulation of proteolysis
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_006156

NM_008683

RefSeq
(タンパク質)

NP_006147

NP_032709

場所
(UCSC)
Chr 14: 24.22 – 24.23 MbChr 14: 55.9 – 55.91 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
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活性化と結合

ユビキチンやSUMOと同様に、NEDD8はC末端テールのプロセシング後に細胞内タンパク質に共有結合的に結合する。NEDD8のE1酵素は、APPBP1(NAE1英語版)とUBA3英語版からなるヘテロ二量体である。APPBP1とUBA3はそれぞれユビキチンのE1酵素のN末端領域、C末端領域との相同性を有する。UBA3サブユニットには触媒中心が存在し、ATP依存的反応によってNEDD8を活性化して高エネルギーチオエステル中間体を形成する。その後、活性化されたNEDD8はE2酵素であるUbcH12(UBE2M英語版)へ転移され、そして適切なE3リガーゼの存在下で特異的基質に対して共有結合的に結合する。

基質

活性化されたNEDD8の付加が行われる基質として最もよく特性解析がなされているのは、Cullinタンパク質(ヒトでは、CUL1、2、3、4A、5、7、PARC)である[7]。CullinはCullin-RINGユビキチンリガーゼ(CRL)の分子的足場として機能するタンパク質であり、Cullinの保存されたリジン残基に対してNEDD8が共有結合的に付加される[8]。CullinのNEDD化によってCRLにはコンフォメーション変化が生じ、標的タンパク質へのユビキチン転移が最適化されてユビキチン化活性が高まる。

除去

NEDD8を結合タンパク質から除去するプロテアーゼはいくつか知られている。UCHL1UCHL3英語版、USP21はNEDD8とユビキチンに対する二重特異性を有する。NEDD8特異的な除去は、SCFユビキチンリガーゼCUL1英語版サブユニットからNEDD8を除去するCOP9シグナロソーム英語版や、SENP8英語版(NEDP1、DEN1)によって行われる[9]

DNA修復における役割

DNA損傷部位へのNEDD8の蓄積は、高度に動的な過程である[7]。NEDD化は、ヌクレオチド除去修復(NER)経路のGGR(global genome repair)サブパスウェイにおいて短期間必要とされる。この過程では、紫外線照射によってDNA損傷が引き起こされた後、DDB2英語版を含む複合体中のCUL4A英語版がNEDD8によって活性化され、損傷除去へと進行する[10]

NEDD化はDNA二本鎖切断の修復とも関係している[7]非相同末端結合(NHEJ)は二本鎖切断の修復に高頻度で利用される修復経路である。この経路の第一段階はKu70/Ku80ヘテロ二量体に依存しており、DNA末端を取り囲む非常に安定なリング構造が形成される[11]。NHEJ過程が完了した場合にはKuヘテロ二量体の除去が必要であり、さもなくば転写や複製の妨げとなる。Kuヘテロ二量体はDNA損傷とNEDD化依存的にユビキチン化され、NHEJ過程の完了後にKuやその他のNHEJ関連因子の修復部位からの遊離が促進される[7]

がん化学療法

DNA修復遺伝子のプロモーター領域の高メチル化によるサイレンシングは、がんへの進行の最初期段階の1つとなっている可能性がある。DNA修復遺伝子の転写レベルでのサイレンシングは、生殖細胞系列変異と同様に作用すると考えられている。これらいずれかの機構によるDNA修復能力の喪失はゲノム不安定性をもたらし、その細胞やその子孫細胞ががんへ進行する素因となる。最も一般的な17種類のがんにおいて、DNA修復遺伝子のエピジェネティックなサイレンシングは高頻度で生じている[12]

上述したように、活性化されたNEDD8はNERとNEHJという2つのDNA修復経路に必要とされる。NEDD8の活性化が阻害された細胞ではNERやNHEJの欠如が引き起こされ、DNAの修復不足による損傷蓄積によって致死となる可能性がある。代替的DNA修復経路で機能する遺伝子のエピジェネティックなサイレンシングによってDNA修復不足ががん細胞で生じていた場合には、NEDD8の阻害の影響は正常細胞よりもがん細胞で大きなものとなる(合成致死性を参照)。

NEDD8の活性化を阻害する薬剤であるペボネジスタット英語版(MLN4924)は、2015–2016年に行われた4つの第I相臨床試験で有意な治療効果が示されている。これらの臨床試験は、急性骨髄性白血病骨髄異形成症候群[13]、再発/難治性多発性骨髄腫またはリンパ腫[14]、転移性メラノーマ[15]、進行性固形腫瘍[16]が対象となっている。

前臨床研究

PPARγ

PPARγアディポジェネシス脂肪細胞内の脂質蓄積に重要な役割を果たしている[17]。活性化されたNEDD8はPPARγを安定化し、アディポジェネシスの増大をもたらす。マウスでの実験では、NEDD8活性化阻害薬であるペボネジスタットは高脂肪食誘発性の肥満や耐糖能異常を防止した[17]

NF-κB

NF-κBの転写活性は、核移行を阻害するタンパク質IκB(IκBα英語版IκBβ英語版)との物理的相互作用によって主に調節されている。IκBαの分解はユビキチン化によって媒介されており、このユビキチン化を担うE3リガーゼはNEDD化によって制御されている。ペボネジスタットはNEDD8の活性化を阻害し、そしてIκBのユビキチン化を阻害する。その結果、NF-κBの核移行が阻害される[18]。ペボネジスタットは、NF-κBとその標的であるmiR-155に対する影響を介して、白血病細胞を移植されたマウスの生存を伸長する[18]

大腸がん

ペボネジスタットによるNEDD8活性化阻害は、大腸がん細胞株の16/122(13%)で成長の停止やアポトーシスを誘導することが示されている。そして患者腫瘍組織移植モデルでのさらなる解析により、ペボネジスタットは低分化型高グレード粘液癌に対して有効であることが明らかにされている[19]

相互作用

NEDD8は次に挙げる因子と相互作用することが示されている。

出典

関連文献

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