NHK学生ロボコン

NHKエンタープライズが主催の学生ロボットコンテスト From Wikipedia, the free encyclopedia

NHK学生ロボコン(エヌエイチケーがくせいロボコン)とは、NHK(日本放送協会)NHKエンタープライズが主催するロボットコンテスト(ロボコン、ロボット競技)の一つである。2015年以前はNHK大学ロボコンと称されていた。

現在、ABUロボコンの日本代表選考会を兼ねている。本大会は毎年6月に大田区総合体育館片柳アリーナで開催されている。

特徴

競技を行うロボットは、基本的に手動制御可能な手動ロボットと、スタート時のみ操作可能な自動制御ロボットの2種類で構成される。かつてABUロボコン開催前の本大会は、手動ロボットは内部に人を乗せて操縦する形式を採っていた。ABUロボコンの開催以後は、高専ロボコン同様、操縦者がコントローラを持ち、外部から操作する形式に変更となった。(ただし2012年のABUロボコンの競技は、手動ロボットに人が搭乗する競技形式を採用している。)

高専ロボコンと同様、他のロボット競技に比べて製作するロボットの大きさ、重量、パワーが大きい。手動で操作するロボットがあるため、構成されるロボットは「マシン」と呼ばれることもある[1]

放送

試合の模様はNHK総合テレビで放送される。しかし、高専ロボコンとは異なり、地区大会が無いため、放送回数やその占める時間は少ないが、近年ではインターネットによる生中継が実施されている。

参加者

参加者は同一の大学/高専に在籍する学部生3名と担当教員1名で構成され、チーム単位でエントリーを行う。この学生3名が試合時にフィールドで競技に臨む。さらに、数名の学生が会場裏のピットで待機、ピットクルーとしてロボットの修理や調整に加わる。2015年からはこれまでの大学学部生に加えて、高専4、5年、専攻科生も参加学生の対象となり「NHK学生ロボコン」と改称。

ロボットの製作にかかわる学生の数は数名のチームから、30名を超える大規模なチームまである。出場チームの組織形態は現在、サークル、同好会が多くを占める。

大会出場まで

他の一般的なロボット競技とは異なり、大会に出場するにはまずロボットの機構、アイデア、戦略を説明した応募用紙をNHKに提出し、書類選考を通過する必要がある。この書類選考にはおよそ全国の大学/高専から50~80チームが応募する。このうち20~40チーム前後が書類選考を通過する。1つの大学/高専から複数のチームの応募が可能であるが、同一の大学から2チーム以上が書類選考を通過することは無い(キャンパスが異なっていても1つの大学/高専として扱われる)。

書類選考を通過後、出場チームはロボット製作を行う。より多くの期間をロボット製作に費やすために、書類選考を通過することを前提として審査結果が決定する前に製作を開始するチームもある。

書類選考から数ヵ月後、各チームが作成したビデオ映像による、ビデオ審査を行う。2月下旬に第1次ビデオ審査が行われ、通過すると4月下旬に行われる第2次ビデオ審査に応募することができる。撮影した映像より、ロボットの製作状況やテストランの模様を審査、大会出場チームを決定する。ロボットの完成度や製作状況が芳しくない場合、書類選考時の案を実現できず大きく逸脱してしまった場合、このビデオ選考で落選し、本戦へ出場することはできない。

なお、ABUロボコン出場国の中には、国内予選に出場するチームが100チームを超える国がある。過去ABUロボコンでの優勝があり、NHKにおける大学ロボコン、ABUロボコンの放送において強豪国として取り上げられるベトナム[2]、タイ[3]はいずれも100チームを超える大規模な代表選考会が実施されている。これらの強豪国に比べると、日本の国内選考の規模は大きくない。

出場大学

ABUロボコン開始以後の各大学の出場年度および回数を以下の表に示す。○が出場、◎がABUロボコン出場を示す。

さらに見る 大学名, 2002年 ...
ABUロボコン開始以後の出場大学一覧
大学名2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年2015年2016年2017年2018年2019年2021年2022年2023年2024年2025年2026年出場回数
東京大学 24
金沢工業大学 23
豊橋技術科学大学 23
長岡技術科学大学 22
九州大学 21
東京農工大学 21
工学院大学 18
東京科学大学(東京工業大学) 18
京都工芸繊維大学 17
ものつくり大学 15
名古屋工業大学 14
三重大学 14
信州大学 14
新潟大学 13
大阪大学 13
早稲田大学 13
長崎総合科学大学 12
電気通信大学 12
北見工業大学 12
東京工科大学 11
大阪工業大学 11
立命館大学 10
福岡工業大学 8
千葉大学 8
横浜国立大学 8
鹿児島大学 7
筑波大学 7
京都大学 6
高知工科大学 5
東北大学 5
明治大学 5
岡山大学 5
富山大学 5
東京電機大学 4
湘南工科大学 4
静岡理工科大学 4
崇城大学 4
徳島文理大学 4
山口大学 3
弘前大学 3
東京都立大学(首都大学東京) 3
愛知工科大学 3
岐阜大学 3
仙台高等専門学校 3
慶應義塾大学 3
豊田工業高等専門学校 3
熊本大学 2
九州職業能力開発大学校 2
香川大学 1
多摩大学 1
広島大学 1
明星大学 1
神奈川工科大学 1
桐蔭横浜大学 1
日本大学 1
秋田県立大学 1
前橋工科大学 1
松江工業高等専門学校 1
鈴鹿工業高等専門学校 1
日本工業大学 1
九州産業大学 1
閉じる

ABUロボコンとの関係

2002年よりABUロボコン開催に伴い、本大会は国内予選を兼ねることとなった。ABUロボコンには本大会で優勝した大学が日本代表として出場することができる。 なお、日本がABUロボコンの開催国となる年には2校に出場権が与えられ、2002年は審査員推薦で選ばれたチーム[4]に、2009年と2017年は準優勝したチームにも出場権が与えられた。2021年はABUロボコンがオンライン開催となるため、準優勝したチームにも出場権が与えられた。

ABUロボコン出場大学

歴史

本大会は1991年より毎年開催されている。なお、1996年は開催予定地の大阪府堺市にて腸管出血性大腸菌O157の集団感染があり、大会は中止となった。競技内容は翌年に繰り越された。

ABUロボコン以前

(日本国内の大学のほか、海外の大学が数校出場)

さらに見る 開催年, 競技名 ...
ABUロボコン以前の競技名とその年の優勝校
開催年競技名優勝校準優勝校
1991年 PING-PONG SCOOPER秋田大学中部大学
1992年 TWIST EXPRESS鹿児島大学玉川大学
1993年 TECHNO SOCCER関西大学鹿児島大学
1994年 TECHNO SOCCER II豊橋技術科学大学長岡技術科学大学
1995年 TECHNO RUGGER豊橋技術科学大学(2度目)キングモンクット工科大学
1996年 (開催中止)  
1997年 PREMIUM NAVIGATOR長岡技術科学大学長崎総合科学大学
1998年 MIRACLE TOWER豊橋技術科学大学(3度目)キングモンクット工科大学
1999年 ROBO SOCCERバンコク大学(タイ王国)長岡技術科学大学
2000年 SNOW FIGHTERキングモンクット工科大学(タイ王国)長岡技術科学大学
2001年 キュービック ビンゴスラバヤ電子工学ポリテクニック(インドネシア九州大学
閉じる

ABUロボコン開催以後

(日本国内の大学/高専のみ)

さらに見る 開催年, 競技名 ...
ABUロボコン開催以後の競技名とその年の優勝校・準優勝校
開催年競技名優勝校準優勝校
2002年 富士山頂を目指せ!豊橋技術科学大学(4度目)金沢工業大学
2003年 タクローの覇者愛知工科大学金沢工業大学
2004年 織姫と彦星東京大学岡山大学
2005年 万里の長城を照らせ!東京大学(2度目)愛知工科大学
2006年 ツインタワー・ビルダー東京農工大学東京大学
2007年 ハロン湾の伝説金沢工業大学ものつくり大学
2008年 ゴヴィンダ豊橋技術科学大学(5度目)早稲田大学
2009年 旅は道づれ 勝利の太鼓を打て豊橋技術科学大学(6度目)金沢工業大学
2010年 ロボ・ファラオ ピラミッドを築け金沢工業大学(2度目)豊橋技術科学大学
2011年 ロイ・クラトンの火をともせ!東京大学(3度目)長岡技術科学大学
2012年 平安大吉(ペンオンダイガ)東京大学(4度目)金沢工業大学
2013年 THE GREEN PLANET金沢工業大学(3度目)東京大学
2014年 A SALUTE TO PARENTHOOD名古屋工業大学長岡技術科学大学
2015年 ROBOMINTON:BADMINTON ROBO-GAME早稲田大学新潟大学
2016年 Clean Energy Recharging the World東京大学(5度目)豊橋技術科学大学
2017年 The Landing Disc東京工業大学東京大学
2018年 NEM CON東京大学(6度目)豊橋技術科学大学
2019年 GREAT URTUU京都大学 早稲田大学
2020年 Robo Rugby 7s 東京大学(7度目) 豊橋技術科学大学
2021年 投壺長岡技術科学大学(2度目) 東京大学
2022年 LAGORI~ラゴリ~ 豊橋技術科学大学(7度目) 金沢工業大学
2023年 Casting Flowers over Angkor Wat 豊橋技術科学大学(8度目) 東京農工大学
2024年 Harvest Day 豊橋技術科学大学(9度目) 東京大学
2025年 ROBOT BASKETBALL 東京大学(8度目) 豊橋技術科学大学
2026年 KUNG FU QUEST 豊橋技術科学大学(10度目) 東京大学
閉じる
  • これまでに複数回優勝しているのは豊橋技術科学大学が10度、東京大学が8度、金沢工業大学が3度である。

2020年の大会

2020年の大会は、5月31日開催予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大のため、延期とされ最終的に8月5日に中止と発表された[6][7]。代替イベントとしてオンライン!学生ロボFESTIVALが開催された。これは8月末から9月にかけて各チーム(学生ロボコン2020参加予定チーム)が「ロボット映像」や「チームPR映像」を公開するもので、9月21日(月・祝)にNHK総合「NHK学生ロボコン2020」として放映されるとともに、9月26日(土)午後に全チームがWEB上に集うオンラインLiveイベントが、行われ[8]、各チームによるロボットのPR、投票の結果、1位東京大学、2 位の豊橋技術科学大学となり、共にアジアの国々が参加する大会である「ABU ROBOCON FESTIVAL」(オンライン開催)への出場権を獲得した[9]

スポンサー

ABUロボコン開催以後、大会スポンサーが大幅に増えた。

脚注

関連項目

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI