PCSX2

PlayStation 2のエミュレータ From Wikipedia, the free encyclopedia

PCSX2は、フリーかつオープンソースで開発されているPlayStation 2(以下PS2)エミュレータである。対応OSは、Microsoft WindowsLinuxmacOS[1]

作者 Linuzappz, Shadow, Refraction, Saqib, Gabest, Gregory, GovanifY, Stenzek, lightningterror
開発元 PCSX2 Team
初版 2002年3月23日 (23年前) (2002-03-23)
最新版
2.6.3 / 2026年1月29日 (38日前) (2026-01-29)
概要 作者, 開発元 ...
PCSX2
Windows 10で動作するPCSX2
(バージョン1.6.0)
作者 Linuzappz, Shadow, Refraction, Saqib, Gabest, Gregory, GovanifY, Stenzek, lightningterror
開発元 PCSX2 Team
初版 2002年3月23日 (23年前) (2002-03-23)
最新版
2.6.3 / 2026年1月29日 (38日前) (2026-01-29)
最新評価版
2.7.167 / 2025年9月15日 (5か月前) (2025-09-15)
リポジトリ https://github.com/PCSX2/pcsx2
プログラミング
言語
Visual C++
対応OS Microsoft WindowsLinuxmacOS
プラットフォーム x64
対応言語 26言語(日本語対応)
サポート状況 開発中
種別 PlayStation 2 ゲームエミュレータ
ライセンス GNU General Public License
公式サイト https://pcsx2.net/
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高いレベルの互換性と機能を備え、PS2タイトルを幅広くサポートしている。

概要

2002年に開発が開始された。アンチエイリアシングテクスチャフィルタリングにより、ネイティブ解像度の最大8倍に画質を向上させる機能など、従来のPS2本体でのゲームプレイよりも、改善された環境で遊ぶことができる。

特徴

PS2ソフトを動作させるには、標準的なx86アーキテクチャを採用したPCで、異なるアーキテクチャによるEmotion Engineの動作を再現する必要があり、その点が大きなボトルネックとなっていた。各プロセッサは独立してエミュレートできるが、それらを正確に同期して、動作の忠実な再現を行うことが困難であった[2]が、開発の進展に伴い、実用的なエミュレータへと進化していった。

Android用のPS2エミュレータ「AetherSX2」や[3] 、2022年にリリースされたXbox Series X/Sへの移植版の「XBSX2」も、PCSX2をベースにしている[4]

プラグイン

前身となるプロジェクト「PCSX」と同様に、PSEmu Pro仕様のプラグインが、コアエミュレータからいくつかの機能を分離して存在する、プラグインタイプのエミュレータである。グラフィックス、オーディオ、入力コントロール、CD/DVDドライブUSBFireWire(i.LINK)ポート等の各機能をそれぞれのプラグインが再現する。

異なるプラグインを利用することで、互換性とパフォーマンスの両方で異なる結果をもたらす可能性があるため、1つのプラグインでパフォーマンスが改善しない場合は、より別のものを試して高速化することもできる。

代表的なプラグインには、以下のようなものがある。

さらに見る 名称, 機能 ...
名称機能詳細
GSdx映像最も速く、最も正確なグラフィックプラグイン。OpenGLDirect3Dのサポートが必要で、オプションでGPUをできる。PS1とも互換性はあるが、ソフトウェアレンダリングに限定される。非公式のToCAEDIT[5]バージョンとGSdx-Cutieバージョンもある[6]
GSdx FX映像GSdxプラグインのためのポストプロセシングシェーダーパック。
ZZogl映像OpenGLを使用するあまり最適化されていないグラフィックプラグイン。LinuxとWindowsと互換性がある。ZeroGS KOSMOSプラグインのフォーク。
SPU2-X音声最も正確な音声プラグイン。
SSSPSX Pad入力シンプルな入力プラグイン。
LilyPad入力キーボードマウスコントローラに対応する、より先進的な入力プラグイン。
Nuvee入力ライトガンUSBマウスをサポートする入力プラグイン。
TwinPad入力マウスコントローラに対応する入力プラグイン。
XPad入力XBOX 360の純正コントローラに対応する入力プラグイン。
CDVDディスクPS2の光ディスク自体から、ゲームを動作させるためのプラグイン。
Linuz ISO CDVDディスクPS2の光ディスクISOイメージを圧縮するためのプラグイン。
Dev9ハードドライブPS2のHDDユニットイーサネットを再現できるプラグイン。
MegaDev9ハードドライブDev 9の機能追加版。HDDの動作再現のみ対応する。
ネットプレイネットプレイインターネットでの対戦を楽しめるプラグイン。
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v1.7.0-dev-1420において、PCSX2はすべての機能をコアエミュレータに統合し、プラグインの概念を排除した64bit版をリリースしている[7]。統合された機能はGSdx映像プラグイン、SPU2音声プラグイン、Lillypad (Windows)もしくはOnepad (Linux)入力プラグイン、DEV9プラグイン、CDVDプラグインである。

互換性

バージョン0.9より前のバージョンは動作が低速で、最も早く動作するソフトウェアでも2~15FPS程度しか出ず、非実用的だった。しかし、2006年4月に発表されたバージョン0.9以降、デュアルコアCPUAthlon 64 X2Core 2 Duoなど)をサポートし、マルチスレッド化による最適化がなされて、パフォーマンスが大幅に向上し、大半の2Dゲームにおいては実機での動作と大差のない体感速度になった。バージョン1.0からはさらに互換性が向上し3Dゲームの動作も実機と大差なくできるタイトルが増えてきている。

2021年11月現在では、PS2タイトルの97%が、軽微な問題はあるものの、エミュレータで「プレイ可能」とされている。22タイトルは「完璧」と見なされ、バグがなく、少なくとも1つを除くすべてがメニュー画面の読み込みを行える[8]

2016年9月からは、PlayStation(PS1)の一部タイトルに対応した[9]

動作環境

PCでの動作要件は以下のようになっている。

プラグインの改良、ハードウェアの能力向上により、動作は軽くなってはいるが、依然要求されるスペック(仕様)は高く、2Dゲームでは、3GHz前後のデュアルコアCPUがあれば、オンボードVGAで動作するものもあるが、3Dゲームでは、2016年時点のハイエンド機、3GHz以上のデュアルコアCPUに、GeForce GTX 1050 Ti以上の性能が必要である。

また、PS2の実機から吸い出したBIOSが動作に必要となるため、PS2本体が必要となる[10]

さらに見る 動作環境, 最小動作環境 ...
動作環境
最小動作環境 推奨動作環境
version 1.6.0
OS Windows 7Ubuntu 18.04 Windows 10 64bit、Ubuntu 19.04 64bit
CPU SSE2命令をサポートするHTT対応2コアCPU AVX2命令をサポートする4コアCPU
メモリ 4 GB 8 GB
GPU Direct3D 10OpenGL 3.xに対応するVRAM 2GBGPU Direct3D 11OpenGL 4.5に対応するVRAM 4GBのGPU
version 1.4.0
OS Windows XP Windows 1087Vista
CPU SSE2命令をサポートするCPU(Pentium 4もしくはAthlon 64 Intel Core 2 DuoもしくはAMD Phenom II以降
メモリ 512 MB 2 GB
GPU ピクセルシェーダー2.0に対応するGPU Direct3D 10に対応するGPU
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ハードウェア要件は、主にゲームによる。エミュレーションの高い計算負荷から、最新のミッドレンジからハイエンドのPCでのみ動作する可能性が高く、ローエンドのPCである場合、完全なパフォーマンスにならない可能性がある。

ほとんどの場合、エミュレーションの処理負荷はGPUではなくCPUにかかるが、内部解像度の設定が高すぎる場合や、最適化されていない一部のゲームをプレイする場合は、GPUによって動作が遅くなる場合もある。ただ、ハードウェアが時間とともに進歩し続けるにつれて、PCSX2のパフォーマンスの問題も減少してきている。

グラフィック改善(GSdx Plugin)

GSdxプラグインは、PS2本体よりも高画質に改善する機能がある。

その他

どこでもセーブと動的再コンパイル(JIT)に対応する。GSdxプラグインを使用することで、フルHDでのゲームプレイの録画も行える。

他には、ゲーム速度の変更、無制限のメモリーカード機能、PNACHパッチファイルを使用したチートコードへの対応などの機能がある。

歴史

PCSX2の開発は、PlayStationエミュレータ「PCSX-Reloaded」のプログラマーであった開発者、LinuzappzとShadowにより、2001年に開始された。他の開発者も後にチームに加わり、いくつかのPS2タイトルを読み込めるようになった。

PCSX2 for Linux 0.9.3
Linuxで動作するPCSX2(バージョン0.9.3)。

さらに、PS2のBIOSを動作させるという困難な作業に取り組み始め、当初は、実行はできたものの、遅さとグラフィックの不具合・歪みが存在した。その後、バージョン0.9.1が、2006年7月にリリースされた。

2007年から2011年にかけては、ネット対戦機能と速度の改善に取り組んだ[11]。バージョン0.9.8は2011年5月にリリースされ、wxWidgetsで書かれた新しいGUIを特徴とし、LinuxやWIndowsでの互換性を改善しました。

2010年には、新しいVUのリコンパイラ追加がなされ、互換性の向上や、メモリカードエディタ、SPU2-Xオーディオプラグインのオーバーホール、および他の多くの改善をもたらした[12]

2022年からは、Vulkanに対応した[13]。同年12月、WxWidgetsベースのUIからQtベースに移行された。

PCSX2 Playground

過去、公式のPCSX2とは別に、有志がPCSX2 Playgroundというプロジェクトを立ち上げ、主にリコンパイラの精度の改善、特定のゲーム向けの修正、プラグインの改良などを行っていた。2008年12月にPCSX2の公式ウェブサイトでプロジェクトが紹介され、同時に初のパブリックリリースを行った。 2009年9月時点で、公式のPCSX2にプロジェクトが統合された。

評価

PCSX2は非常に高い評価を得ている。Geek.comのマシュー・ハンフリーズは「印象的」と表現した[14]。PCワールドのアレックス・ガーネットは、PCSX2の設定の難しさを批判したが、同時に「傑作」とも評価した[15]。Micro Martのデビッド・ヘイワードもその複雑さを批判したが、「技術的に驚くべき」とも述べた[16]。In.comのSriram Gurunathanは、PCSX2を「間違いなく最も人気のあるエミュレータ」とした上で、サイトのトップ5エミュレータの1つであると評価した[17]。Digital TrendsのBrandon Widderは、最高のエミュレータを紹介する記事の中で、PCSX2を取り上げた[18]。Tom's GuideのJohn Corpuzは、最高のPC向けプレイステーションエミュレータの記事でPCSX2に言及し、「安定したプレイ可能なプレイステーション2エミュレーションに関しては、PCSX2は現時点で最高だ」と述べている[19]

脚注

外部リンク

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