GitHub
ソフトウェア開発のプラットフォーム
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GitLab(ギットラブ[7]、ギットラボ[8])は、Gitによるソースコード管理、課題管理、CI/CD、セキュリティ検査など、ソフトウェア開発のライフサイクル全体を単一のアプリケーションで扱うDevOpsプラットフォームであり[9][1]、それを開発・運営する米国企業GitLab Inc.(NASDAQ: GTLB)の名称でもある[10]。ソフトウェアはオープンコアモデルで提供され、MITライセンスのオープンソース版であるCommunity Edition(CE)と、プロプライエタリな機能を加えたEnterprise Edition(EE)がある[5][6]。
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GitLab 14.3の画面(2021年8月) | |
| URL |
about |
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| 言語 | 英語ほか |
| タイプ |
DevOpsプラットフォーム Gitリポジトリホスティングサービス |
| 本社所在地 |
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| 事業地域 |
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| 運営者 | GitLab Inc. |
| 設立者 |
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| 主要人物 | |
| 業種 | ソフトウェア |
| 従業員数 | 約2,580人(2026年1月31日時点)[3] |
| 営利性 | 商用 |
| 登録 | 任意 |
| ユーザー数 | 登録ユーザー5,000万以上(2026年1月)[3] |
| 開始 | 2011年 |
| 現在の状態 | 運営中 |
| 初版 | 2011年10月[4] |
|---|---|
| 最新版 |
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| リポジトリ |
gitlab |
| プログラミング 言語 | Ruby、Go、JavaScript |
| 対応OS | クロスプラットフォーム |
| サポート状況 | サポート中 |
| ライセンス | Expat License(Community Edition)[5]、プロプライエタリ(Enterprise Edition)[6] |
| 公式サイト |
github |
2011年にウクライナの開発者ドミトリー・ザポロゼツ(Dmitriy Zaporozhets)が公開したオープンソースプロジェクトに始まり[4][11]、2014年にシッツェ・シブランディ(Sid Sijbrandij)とともにオランダで会社が設立された[11][12]。会社は2015年から米国法人として運営され[11]、2021年10月にNASDAQへ上場した[10][13]。創業以来本社を置かず、全社員がリモートワークで働く「オールリモート」の企業として知られ[14][12]、2026年1月末時点で60か国に約2,580人の従業員(同社の呼称では「チームメンバー」)を擁する[3]。
GitLabは、同社が運用するSaaSのGitLab.com、利用者自身のサーバーやクラウド環境で稼働させるSelf-Managed版、Amazon Web Services(AWS)上に顧客ごとに分離した専用環境を構築するGitLab Dedicatedの3つの形態で提供されている[3][15]。2023年以降はGoogle Cloud、AWS、AnthropicなどのAIモデルを利用した開発支援機能「GitLab Duo」を拡充している[16][17][18]。
概要
GitLabは、Gitリポジトリのホスティングとソースコード管理を中核に、マージリクエストによるコードレビュー、課題(Issue)の管理、ウィキ、継続的インテグレーションと継続的デリバリー(CI/CD)、コンテナイメージやパッケージのレジストリ、アプリケーションのセキュリティ検査、デプロイと監視までを一つのアプリケーションに統合している[9][1]。同社はこれを「DevOpsライフサイクルの全段階を単一のアプリケーションで実現する」構想として説明し、分野ごとに専用ツールを組み合わせる方式と比べて、統合や保守のコストを抑えられると主張している[19]。同じ分野では、マイクロソフト傘下のGitHubやアトラシアンのBitbucketと競合する[10][9]。
会社としてのGitLab Inc.は、2020年代前半には自社を「DevSecOpsプラットフォーム」と称し[20]、2026年にはAIエージェントの活用を前提とした「インテリジェント・オーケストレーション・プラットフォーム」を掲げている[21][22]。調査会社のガートナーは、2023年に初めて発行したDevOpsプラットフォーム分野のマジック・クアドラントで同社をリーダーの1社に位置づけ[20]、2025年版まで3年連続で同じ評価を与えている[23]。
歴史
オープンソースプロジェクトとしての始まり(2011年 - 2013年)
GitLabは、2011年にウクライナのプログラマであるドミトリー・ザポロゼツが、自分たちのサーバー上で動かせるGitリポジトリ管理ツールとして開発を始めたオープンソースプロジェクトに由来する[11][4]。2011年10月には、ニュースサイトのThe Next Webが「自社サーバーで動くGitHub」として紹介している[4]。ソフトウェアはMITライセンスのフリー・オープンソースソフトウェアとして公開された[4]。
2013年7月、製品はCommunity Edition(CE)とEnterprise Edition(EE)に分割された[24]。この時点では両エディションともMITライセンスのままであったが、2014年2月にGitLabはオープンソースを核とするビジネスモデル(オープンコア)への移行を発表し、EEはプロプライエタリライセンスとなり、CEには含まれない機能を提供することになった[25][26]。
会社の設立と成長(2014年 - 2020年)
2014年、シブランディはザポロゼツとともに、オープンソースプロジェクトの開発を継続し関連サービスを提供する会社としてオランダにGitLab B.V.を設立した[11]。同年9月には米デラウェア州でGitLab Inc.が設立され[3]、顧客の多くが北米に集中していたことから、2015年7月以降は米国法人GitLab Inc.として事業を運営している[11]。同社は設立当初から本社を置かず、全社員がリモートで働く体制をとった[14]。
2014年6月の報道によれば、GitLabは当時10万を超える組織で使われており、アメリカ航空宇宙局(NASA)、アリババグループ、オライリーメディアなどが利用組織として挙げられていた[27]。同記事は、当時の有料顧客が利用者の0.1%にすぎない状態で同社が事業を築いていたとも伝えている[27]。
2015年3月、GitLabは競合するGitホスティングサービスGitoriousを買収し、同サービスの利用者にGitLabへの移行を促した[28]。同年、シードアクセラレーターのY Combinatorのプログラムに参加し、7月にシード資金として150万ドルを[29]、9月にはコースラ・ベンチャーズが主導するシリーズAで400万ドルを調達した[30]。8月にはオープンソースのチャットツールMattermostを「GitLab Mattermost」として同梱した[31]。2016年9月にはオーガスト・キャピタルなどからシリーズBで2,000万ドルを[32]、2017年10月にはGV主導のシリーズCで2,000万ドルを調達した[33]。2017年3月には、開発者向けチャットサービスGitterの買収を発表した[34]。
2018年6月、マイクロソフトによるGitHub買収の報道を受けて、GitLabへのリポジトリのインポートが平常時の10倍に急増したと同社は公表した[35]。同年8月にはGitLab.comの基盤をMicrosoft AzureからGoogle Cloud Platformへ移し、200TBを超えるデータの移行手順を公開した[36]。移行の理由として同社は、Kubernetes上でGitLabを稼働させる方針を挙げている[36]。2018年9月にはICONIQ Capital主導のシリーズDで1億ドルを調達し、評価額11億ドルのユニコーン企業となった[37]。2019年9月にはシリーズEで2億6,800万ドルを調達し、評価額は27.5億ドルとなった[38]。
2020年2月時点で従業員は66か国に1,200人以上おり、同社は同年11月の株式公開を予定していると公表していた[12]。同年4月には日本法人を設立して日本市場への本格参入を発表した[19][9]。2020年11月、従業員保有株の二次売却で60億ドルを超える評価額がつき、株式公開は2021年に先送りされる見通しと報じられた[39]。
株式公開以降(2021年 - )
2021年3月、GitLabは中国市場向けに現地の投資家との合弁で極狐信息技術(JiHu)を設立し、同社がGitLabの中国版を運営する体制をとった[40][3]。6月には、社内で開発していたオープンソースのデータ統合ツールMeltanoを分離独立させた[41]。9月17日に米証券取引委員会へ新規株式公開の届出書(Form S-1)を提出し[42]、10月14日にNASDAQへティッカーシンボル「GTLB」で上場した[10]。公開価格は1株77ドルで約6億5,000万ドルを調達し、公開価格に基づく企業価値は約110億ドル(当時の為替レートで約1兆2,000億円)であった[10][13]。上場日のオープニングベルは共同創業者のシブランディとザポロゼツが鳴らした[13]。同年12月には、オープンソースのオブザーバビリティ基盤を開発するOpstraceを買収した[43]。
2023年5月、GitLabはGoogle CloudとAI分野で提携し、Google CloudのVertex AIなどを用いたコード提案やコード解説の機能をGitLabに組み込む計画を発表した[16]。同月22日に公開されたGitLab 16.0はAI機能を前面に出したリリースとなり[44][45]、これらの機能は後に「GitLab Duo」の名称でまとめられた[46]。同年6月には、ガートナーが初めて発行したDevOpsプラットフォーム分野のマジック・クアドラントでリーダーに位置づけられた[20]。
2024年3月、イスラエルのアプリケーションセキュリティ企業Oxeyeを買収した[47][48]。4月にはチャット形式のAI支援機能GitLab Duo Chatを正式版とし[46]、6月にはGoogle Cloudとの統合(認証、CI/CDランナー、デプロイなど)をパブリックベータとして公開した[49]。12月3日にはAWSとの共同開発による「GitLab Duo with Amazon Q」を発表し[17][50]、同月5日には共同創業者でCEOのシブランディが退任して取締役会のエグゼクティブチェアに就き、元New Relic CEOのビル・ステイプルズ(Bill Staples)が新CEOに就任した[51][52]。
2025年2月に公開されたGitLab 17.9では、生成AIモデルを利用者自身のインフラで動かす「GitLab Duo Self-Hosted」が正式版となった[53]。4月17日にはGitLab Duo with Amazon Qが一般提供となった[54][55]。9月にはガートナーのDevOpsプラットフォーム分野のマジック・クアドラントで3年連続のリーダー評価を受けた[23]。
2026年1月15日、GitLab 18.8と同時にAIエージェント基盤「GitLab Duo Agent Platform」を一般提供した[56][57][58]。2026年1月期(2026会計年度)の売上高は9億5,520万ドルで、年間経常収益(ARR)は10億ドルを超えた[21][3]。4月にはAnthropicのClaudeモデルとの統合を深め、Google CloudとAmazon Bedrockのどちらを経由してもモデルを利用できるようにした[18]。5月21日に公開されたGitLab 19.0では、同社が「インテリジェント・オーケストレーション」と呼ぶ、AIエージェントを中心とした機能群を拡充した[59][22]。6月にはGoogle Cloudとの提携拡大を発表し、最新のGeminiモデルをDuo Agent Platformで利用できるようにするとともに、認定パートナーによるGoogle Cloud上のマネージドGitLabの提供を始めた[8]。同月10日にロンドンで開いたイベント「GitLab Transcend」では、多数のAIエージェントによる並列アクセスを想定したGit互換のソースコード管理基盤「Project Switch」を発表した[60]。
買収と分離
GitLab Inc.が発表した主な買収と分離は次のとおりである。
- 2015年3月 - Gitorious(Gitホスティングサービス)を買収。Gitoriousは同年6月に終了し、利用者はGitLabへの移行を促された[28]。
- 2017年3月 - Gitter(開発者向けチャット)を買収。Gitterは独立したプロジェクトとして継続し、コードはMITライセンスで公開するとされた[34]。2020年9月、GitterはMatrixのエコシステムへ移管された[61]。
- 2018年1月 - Gemnasium(オープンソースライブラリの依存関係を検査するセキュリティサービス)を買収し、その機能をEEとCI/CDに統合した[62]。
- 2020年6月 - ファジングテストを手がけるPeach TechとFuzzitを買収[63]。
- 2021年6月 - UnReview(機械学習によるコードレビュアー推薦ツール)を買収[64]。同月、オープンソースのデータ統合(ELT)ツールMeltanoを分離独立させた[41]。
- 2021年12月 - オープンソースのオブザーバビリティ基盤を開発するOpstraceを買収[43]。
- 2024年3月 - Oxeye(イスラエルのクラウドネイティブ・アプリケーションセキュリティ企業)を買収。報道された買収額は3,000万〜4,000万ドル[47][48]。
製品
主な機能
GitLabはソースコード管理を出発点として、月例のリリースごとに機能を追加してきた。2015年9月のGitLab 8.0では、それまで別のアプリケーションとして提供されていたGitLab CIが本体に統合された[65]。2016年8月の8.11では課題をカンバン方式のボードで管理するIssue Boardが追加され[66]、2017年3月の9.0ではグループの階層化(Subgroups)と、Prometheusによる監視機能の統合が行われた[67]。2017年9月の10.0では、リポジトリのコードを検出してビルド・テスト・デプロイのパイプラインを自動構成する「Auto DevOps」が導入された[68][69]。2018年3月の10.6では、GitHubやBitbucketなどGitLab以外のGitリポジトリをGitLabのCI/CDと連携させる機能が追加され[70]、同年4月にはGoogle Kubernetes Engine(GKE)とのネイティブ統合が発表された[71]。2021年の14.0以降は、新規リポジトリのデフォルトブランチ名が「master」から「main」に変更された[72]。
外部の監視サービスとの連携としては、9.0でのPrometheus統合に加え、2021年7月の14.1でDatadogのCI Visibilityとの統合が追加され、GitLabのパイプラインやジョブの実行情報をDatadogへ送って可視化できるようになった[73][74][75]。
セキュリティ検査の機能は、2018年のGemnasium買収による依存ライブラリの検査、2020年のPeach TechとFuzzit買収によるファジングテストなど、買収を通じて拡充されてきた[62][63]。2026年5月の19.0では、SBOM(ソフトウェア部品表)に基づく依存関係スキャンが正式版となり[22]、CI/CDジョブが使う認証情報をGitLab内で管理するGitLab Secrets Managerがオープンベータとして提供された[59]。同年7月の19.2では、依存ライブラリの問題を検出すると修正済みのマージリクエストを自動生成する機能がパブリックベータとなった[76]。
GitLab Duo(AI機能)
「GitLab Duo」は、GitLabに組み込まれた生成AIによる開発支援機能の総称である[53]。2023年5月のGoogle Cloudとの提携を起点に、コードの補完と生成、コードの解説、テストの生成、マージリクエストの要約、セキュリティ検査結果の解説といった機能が段階的に追加された[16]。2024年4月にはチャット形式で開発を支援するGitLab Duo Chatが正式版となり、月額19ドルからの有償機能として提供された[46]。
AIモデルの提供元は複数にわたる。2024年12月、GitLabはAWSと共同で、AWSの生成AIアシスタント「Amazon Q Developer」のエージェント機能をGitLab Duoのチャットから利用できる「GitLab Duo with Amazon Q」を発表した[17][50]。両社は共同でのエンジニアリングと専任の営業体制を組み、コードレビュー、単体テストの生成、Javaアプリケーションのモダナイズなどを対象とした[17]。同製品は2025年4月17日に一般提供となり、AWS上で稼働するSelf-Managed版のGitLab Ultimateを対象としている[54][77][55]。2025年2月の17.9で正式版となったGitLab Duo Self-Hostedは、GPT-4oやClaude 3.5 Sonnet、Codestralなどのモデルを、vLLM、Amazon Bedrock、Azure OpenAIといった利用者が管理する基盤上で動かす選択肢を提供する[53]。
2026年1月に一般提供されたGitLab Duo Agent Platformは、計画、コード作成、セキュリティ分析などの役割を持つ複数のAIエージェントを開発ライフサイクル全体で動かす基盤で、公開時点で7種類のエージェントが提供された[56][57][58]。同年4月にはAnthropicのClaudeモデルとの統合を深め、Google CloudとAmazon Bedrockのどちらを経由してもモデルを利用できるようにするとともに、Anthropicの「Claude Marketplace」に参加した[18]。Google Cloudとは2026年4月に提携を拡大してGeminiモデルをDuo Agent Platformで利用できるようにし、同年6月にはGemmaモデルをDuo Self-Hostedでも利用可能にした[8]。2026年7月の19.2では、ターミナルからエージェントを操作するGitLab Duo CLIが正式版となった[76]。
アーキテクチャ
GitLabはRuby on Railsで書かれたウェブアプリケーション(GitLab Rails)を中心に、Gitリポジトリへのアクセスを担うGitaly、大きなHTTPリクエストを処理するWorkhorse、CI/CDジョブを実行するGitLab Runner、SSH接続を扱うGitLab Shellなどの構成要素を組み合わせて動作する[78]。バックグラウンド処理にはSidekiq、データベースにはPostgreSQL、キャッシュとキューにはRedis、ウェブサーバーにはnginxとPumaが使われる[78]。
CEとEEのソースコードは長らく別々のリポジトリで管理されていたが、2019年に単一のコードベースへ統合する方針がとられ、EEの機能はリポジトリ内のディレクトリとして区分されるようになった[79]。
提供形態とエディション
Community Edition(CE)はMITライセンスのオープンソース版、Enterprise Edition(EE)はプロプライエタリライセンスの下でソースコードが公開される版である[5][6]。有償のサブスクリプションは、2017年時点ではEnterprise Edition StarterとEnterprise Edition Premiumの2段階[67]、2020年時点ではStarter・Premium・Ultimateの3段階で提供され[19]、その後はFree・Premium・Ultimateの3段階となっている[74]。
提供形態は3種類ある。GitLab.comは同社が運用するSaaSで、2018年8月以降は基盤としてGoogle Cloud Platformを用いており[36]、1日に複数回デプロイが行われる[80]。Self-Managed版は利用者が自身のサーバーやオンプレミス、クラウド環境にインストールして運用する[3]。GitLab Dedicatedは、顧客ごとに分離した専用インスタンスをGitLabが構築・運用する単一テナント型のSaaSで、2022年11月に限定提供が始まり、当初はAWS上で提供された[81]。2023年6月に一般提供となり[82]、顧客が選んだAWSのリージョンに展開される[15]。
リリースサイクル
GitLabは毎月1回のペースで新バージョンを公開している。2022年時点では毎月22日がリリース日であったが[83]、2023年11月16日公開の16.6以降は毎月第3木曜日に変更された[80]。メジャーバージョンは16.0(2023年5月22日)、17.0(2024年5月16日)、18.0(2025年5月15日)、19.0(2026年5月21日)と、毎年5月に公開されている[44][84][85][59]。
企業
経営と組織
GitLab Inc.は2014年9月に米デラウェア州で設立された株式会社で、本社を置かない全社リモートの企業である[3]。米証券取引委員会への届出上の所在地はサンフランシスコにある[3]。2024年12月からビル・ステイプルズが最高経営責任者(CEO)を務め、共同創業者のシッツェ・シブランディは取締役会のエグゼクティブチェアを務めている[51]。ステイプルズは2021年5月から2023年11月までNew RelicのCEOを務め、それ以前はマイクロソフトとアドビで幹部職にあった[52]。最高財務責任者(CFO)はジェシカ・ロス(Jessica Ross)である[21]。
従業員(チームメンバー)は、2016年12月時点で約150人[86]、2020年2月時点で66か国に1,200人以上[12]、2022年2月時点で65か国に約1,630人[87]、2026年1月末時点で60か国に約2,580人と推移している[3]。カナダ、ドイツ、フランス、インド、アイルランド、イスラエル、オランダ、スペイン、イギリス、オーストラリア、日本、韓国、シンガポールに子会社を置く[3]。中国では、2021年に現地投資家との合弁で設立された極狐信息技術(JiHu)がGitLabの中国版を提供しており、GitLab Inc.は同社を変動持分事業体として連結している[40][3]。
企業文化
GitLab Inc.は設立以来本社を置かず、全社員がリモートで働く「オールリモート」を掲げている[14][12]。同社は働き方の指針として「Remote Manifest」を公開し、本社勤務より世界中での採用、口頭説明より文書化、同期的なコミュニケーションより非同期的なコミュニケーション、労働時間より成果を重視することなどを掲げている[12]。社内規程や業務手順をまとめた「GitLab Handbook」も一般公開されており、リモートワークの事例として日本でも紹介されている[12][88]。同社は透明性を企業価値の一つとし、製品ロードマップを含む非機密情報を文書として公開する方針をとっている[3]。
ロゴのマスコットはキツネに似た姿だが「タヌキ(Tanuki)」と名付けられている。シブランディは、ロゴをキツネだと言う人とタヌキだと言う人がいたことから英語でない名称を採用したこと、またスーパーマリオシリーズで飛ぶ力を与えるタヌキにちなみ、利用者がGitLabで飛躍することへの願いを込めたと説明している[1]。2022年4月末にはDevOpsの無限ループの概念を取り入れた丸みのあるデザインへ改められた[2]。
業績と利用状況
GitLab Inc.の売上高は、2025年1月期(2025会計年度)に7億5,920万ドル、2026年1月期(2026会計年度)に9億5,520万ドルであった[3][21]。2026年1月期には年間経常収益(ARR)が10億ドルを超えた[21]。上場直前の2021年5月〜7月期の売上高は5,810万ドルで、前年同期比69%の増加であった[10]。
登録ユーザー数は2026年1月時点で5,000万人以上で、フォーチュン100企業の50%以上が顧客であると同社は説明している[3]。年間経常収益が10万ドルを超える顧客は2026年1月31日時点で1,456社(前年同時点は1,229社)で、顧客は159を超える国・地域にわたる[3]。2016年12月時点では、オープンソースプロジェクトに1,400人以上の開発者が貢献していた[89]。
同社はGoogle CloudやAWSなどのクラウド事業者、独立系ソフトウェアベンダー、販売代理店、システムインテグレーターからなるパートナー網を通じて、直販を補完する販売体制をとっている[3]。
日本での事業
GitLabは2020年に日本法人GitLab Japan(GitLab合同会社)を設立し、同年4月28日に日本市場への本格参入を発表した[9][19][90]。日本は同社が初めてカントリーマネージャーを置いた国で、初代の日本担当カントリーマネージャーには村上督が就いた[1][9]。参入時点で最上位プランのUltimateを契約する日本企業は65社以上あり、それまで同社製品を販売していたクリエーションラインに加えて、システムインテグレーターを中心に販売パートナーを広げる方針が示された[9][19]。2022年2月からは、営業体制を金融や通信などの産業別に改めた[83][87]。
2023年6月には小澤正治が日本担当カントリーマネージャーに就任し(発表は同年11月)、日本ではソフトウェア開発基盤の安全性やガバナンスを重視する訴求を進めているとしている[91][92]。日本法人は利用者向けイベントとして「GitLab Connect Japan 2024」(2024年2月7日、東京)や「GitLab Epic Tour Japan 2025」(2025年11月28日)を開催している[90][93]。2026年2月には、日本国内の開発・セキュリティ・運用の担当者3,266人を対象としたAI活用に関する調査結果を公表した[94]。
オープンソースコミュニティでの利用
GitLabは、自身のサーバーで運用できるオープンソース版があることから、複数の大規模なオープンソースプロジェクトが開発基盤として採用している。GNOMEプロジェクトは2018年5月にGitLabへの移行完了を発表し[95]、KDEは2019年11月の採用決定を経て2020年6月に開発基盤をGitLabへ移した[96]。