Sakana AI
生成系AIを開発する日本の企業
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Sakana AI株式会社(サカナエーアイ)は、大規模言語モデル(LLM)を生成する技術の開発に取り組んでいる日本のIT企業[3]。
〒105-0003
東京都港区虎ノ門一丁目17番1号
虎ノ門ヒルズビジネスタワー1階[1]
北緯35度40分3.9秒 東経139度45分0.4秒
| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 市場情報 | 非上場 |
| 略称 | サカナAI |
| 本店所在地 |
〒105-0003 東京都港区虎ノ門一丁目17番1号 虎ノ門ヒルズビジネスタワー1階[1] 北緯35度40分3.9秒 東経139度45分0.4秒 |
| 設立 | 2023年7月[2] |
| 業種 | 情報・通信業 |
| 法人番号 | 6010401175698 |
| 事業内容 |
生成AI領域における 基盤モデルの研究開発 |
| 代表者 | デビッド・ハ(最高経営責任者)[3] |
| 主要株主 | NTTグループ |
| 外部リンク | https://sakana.ai/ |
概要
名称
正式な社名は「Sakana AI株式会社」[5]であり、法人号以外は全てアルファベット表記である[5]。報道などでは「サカナAI」[2]と片仮名交じりで表記されることもある。「Sakana」は日本語の「魚」を意味しており[6][7]、魚の群れなど自然界の生物に着想を得た人工知能を開発したいとの思いを込めたものである[6][7]。異なる特徴を持つ複数の小規模な人工知能を組み合わせることで[2]、より優れた人工知能を開発することを目指している[2]。この手法を用いることで従来よりも短期間かつ効率的に開発できるとしている[2]。社名の由来に擬えて「小さな魚が集まって一匹の大魚のように泳ぐ物語『スイミー』に似た発想の新技術」[8]とも報じられた。
沿革
創業者のデビッド・ハはグーグルを経てスタビリティーAIに勤めていたが[9]、職務が管理中心となってしまったことから[9]、再び研究に注力したいと考えていた[9]。一方、創業者のライオン・ジョーンズもグーグルに勤め、他の同僚らと論文『Attention Is All You Need』の執筆に参加していたが[9]、労働時間の2割しか研究に割けない現状に不満を感じ[9]、全ての時間を研究に投入したいと考えていた[9]。そこで、ハとジョーンズは研究に没頭できる環境を整えるため、自身の会社を起ち上げることを決意した[9]。
2023年(令和5年)7月、Sakana AIが設立された[2]。ハが最高経営責任者に就任し[3]、ジョーンズが最高技術責任者[3]、伊藤錬が最高執行責任者に就いた[3]。
2024年(令和6年)1月、コースラベンチャーズやラックスキャピタルの主導の下で約45億円を調達した[4]。日本からはNTTグループ、ソニーグループ、KDDIなどが出資に応じており[8]、日本国内ではNTTグループが筆頭株主となっている[10]。さらにはニューエンタープライズアソシエイツ、コースラベンチャーズ、ラックスキャピタルから約1億2500万ドルの調達を目指しており[2]、日本史上最速でユニコーンを達成した企業と目されている[2]。
2024年(令和6年)9月4日にはNVIDIAなど複数の投資家から合わせて200億円を調達することを発表[11]。
2025年(令和7年)1月、巨大なAIモデルの知識を、計算資源の少ない環境でも動かせるSLM(小規模言語モデル)へ効率的に移し替える新技術「TAID」を発表。これを用いて作成された高性能な日本語モデル「TinySwallow-1.5B」を公開[12]。
2025年(令和7年)2月、日本生命からの出資を受ける。
2025年(令和7年)9月、GMO AI&ロボティクス商事と共同で、日本語向け大規模言語モデルの新たな研究開発プロジェクトをスタート[13]。
2025年(令和7年)11月、さらに200億円の追加調達を発表[14]。
2026年(令和8年)2月、金融領域に特化した高度な専門性を持つAIモデルの開発能力が評価され、シティグループより戦略的投資を受けた[15]。
2026年(令和8年)3月、防衛装備庁の防衛イノベーション科学技術研究所と委託研究契約を締結した。陸・海・空のドローン等から得られる膨大なデータを、複数のAIを組み合わせて高速処理・情報統合する技術を用い、指揮統制システム(C2システム)を高度化する実証実験を開始している[16]。
会社概要
従業員は基本的にオフィスへの出社を求められている[3]。単なる定型業務に従事するわけではないためリモートワークのみで成果を出すのは難しく[3]、対面でのコラボレーションが必要だとしている[3]。共同創業者のデビッド・ハは、人工知能の研究開発拠点がアメリカ合衆国のサンフランシスコ周辺と中華人民共和国の北京に集中している点に懸念を示しており「少数の企業や政府によって支配されるのは、世界にとって健全ではなく、私たちはこれを望みません」[6]としている。そのうえで、Sakana AIを日本で創業した理由について「アメリカと中国の間に位置しているのが日本であり、地政学的にも経済的にも、日本が技術開発の分野でより重要になる」[6]としている。
技術
AIコンステレーション
AIコンステレーションという複数の小型AIを連携させ、効率的かつサステナブルに動作させるアーキテクチャも研究している。このアプローチは、大規模AIモデルの高い計算コストや電力消費を低減し、複雑な社会課題を解決することを目指している。[17]
進化的モデルマージ
進化的アルゴリズムを使用したモデルマージ技術を開発しており、異なるアーキテクチャのAIモデルを組み合わせて高性能な生成AIモデルを作成することができる[18]。この技術は、英語と日本語の異なるモデルを融合させることで、日本語対応の言語モデル「EvoLLM-JP」、画像に対して日本語で応答するモデル「EvoVLM-JP」、画像生成モデル「EvoSDXL-JP」などが開発されている[18]。
AIサイエンティスト(The AI Scientist)
AIサイエンティストは、科学研究の自動化を目指している。このシステムは、大規模言語モデルを活用して、新しい研究アイデアの生成、コードの記述、実験の実行、論文の執筆までを一貫して行うことが可能である[19]。
Transformer²
Transformer²は、自己適応型のLLMであり、動的なパラメータ調整機構により、タスクに応じた最適な応答を生成する。これにより、従来のLLMに比べ再学習の負荷が大幅に低減され、リアルタイムな適応が可能となる[20]
CycleQD
CycleQDは、進化的アルゴリズムと品質多様性(Quality Diversity)の概念に基づき、複数のLLMエージェントを生成・進化させる技術である。各エージェントが独自の専門性を保持しながら協調してタスクを遂行する生涯学習型AIシステムの実現を目指す[21]
TAID
TAIDは、LLMの知識を小規模言語モデル(SLM)に効率的に転移するための新しい知識蒸留手法である。生徒モデルの学習進度に合わせて教師モデルを段階的に変化させることで、効果的な知識転移を実現する。この手法を用いて開発された日本語SLM「TinySwallow-1.5B」は、同規模のモデルの中で最高性能を達成している[22]。
Namazu
他社製のオープンウェイト基盤モデルを日本の要件に適応させたモデルである。Llama-3.1 (405B) やDeepSeek-V3.1といったベースモデルに対し、独自の事後学習を施すことで、日本の文化、価値観、安全保障上の要件に適合させている。ベースモデルが持つ高い推論・コーディング能力を維持しつつ、日本の政治や歴史に関する問いに対して客観的かつ網羅的な回答を行う中立性と正確性が大幅に改善された[23]。
Sakana Chat
「Namazu」モデルを搭載した一般向けAIチャットサービスである。Web検索機能が統合されており、最新の情報に基づいた対話が可能となっている[23]。
Doc-to-LoRA
AIに独自の知識を効率的に組み込むための技術。文書を入力するだけで、その内容を反映したLoRA(Low-Rank Adaptation)アダプターを1秒未満で生成することが可能となった。従来のファインチューニングに要した時間を劇的に短縮するこの手法は、検索拡張生成(RAG)に替わる新たなアプローチである[24]。