VT-1型原子炉

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K-27は、ソ連における第1世代の原子力潜水艦であるノヴェンバー型原子力潜水艦の1隻だが、液体金属冷却炉を搭載した唯一の艦である[1]:110/393[2]:22-23。当時のソ連海軍は、アメリカ海軍が1957年に竣工させた、液体ナトリウム冷却原子炉S2Gを搭載したシーウルフ (SSN-575)に関する情報をKGBを介して入手し、検討の上、第143設計局の設計による、液体金属冷却炉を搭載したノヴェンバー型原子力潜水艦の改型の建造に第402造船所で1958年から着手した[2]:24が、ギドロプレス設計局によるVT-1型原子炉の設計作業自体は1952年に開始されていた[1]:86/393

ソ連海軍が建造に着手する以前の1957年の段階で、アメリカ海軍は、問題の多い液体金属冷却炉に見切りをつけ、シーウルフの原子炉を加圧水型原子炉に換装することを決定していたが[3][4]、こうしたアメリカ海軍の動向をソ連海軍が無視した事情は明らかではない[2]:23-24

設計

VT-1はギドロプレス設計局が設計を担当し、液体ナトリウム冷却材としたアメリカ海軍のS2Gと異なり、鉛・ビスマス共晶合金英語版を冷却材とする液体金属冷却炉として設計された[1]:86/393

核燃料は90%高濃縮ウラン燃料を使用し、73MWの熱出力を発揮し[1]:86/393、実艦には2基セットで搭載され、蒸気タービン2基により35000軸馬力を発揮し、2軸を駆動させた[1]:110/393。これはVM-A型原子炉の4.3パーセント増であった[2]:23

核燃料はウラン・ベリリウムの合金として形成され、酸化ベリリウムとともにセラミック燃料ペレットに焼成され、ステンレス鋼の被覆管に封入されて燃料棒に加工された[1]:86/393

冷却材の鉛・ビスマス合金は、100,000 Pa (0.99 atm)までの気圧下で、融点125℃/254.3℉ (純鉛の融点は 327℃/621℉、純ビスマスの融点は 271℃/520℉) 、沸点1,670℃/3,038℉[5]であり、加圧水型原子炉と異なり、常圧下で高い除熱能を発揮し、高温の過熱蒸気を発生させられるため、高い熱効率を期待できる。運転中の冷却材の温度は440℃(20 kg/cm2 (280 psi))、過熱蒸気の温度は355℃(38 kg/cm2 (540 psi))に達した[1]:86/393[2]:23。また、冷却材の循環は自然循環のため、騒音源となる冷却材循環ポンプが不要であった。

しかし、問題は小さくなく、鉛・ビスマス共晶合金のもっている強い腐食性は特に大きな問題であった。冷却材中の酸素濃度を一定範囲内に管理することが腐食性の抑制に有効であることが発見された[6]が、酸素濃度は低すぎれば構造材表面に酸化被膜が形成されず、構造材が溶出し、高ければ腐食性が高まる[7]:353ため、酸素濃度の管理という運用負荷が避けられなくなった。また、冷却材の温度が125(275)を下回ると凝固が始まり、原子炉を損傷させるおそれがあるだけでなく、再起動に備えて原子炉停止中には冷却材の余熱が必要であった[1]:86/393。また、1次冷却系への高圧蒸気の漏出により酸化物(「スラグ」と呼ばれた)が発生して冷却系配管を閉塞させる事故が発生したため、後に、定期的にスラグを除去する作業が必要だった[1]:87/393。さらに、ビスマス209が中性子を吸収しアルファ崩壊することで、1次冷却系内に強力なアルファ線源・熱源であるポロニウム210を発生させ[7]:352、その強い放射能と発熱のため冷却系配管の保守整備に問題を生じさせた[2]:23-24

運用歴

脚注

参考文献

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