あやかしの鼓
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100年ほど前、さる鼓作りの職人が、綾姫という姫君への破れた恋の形見にと、情念を込めて上等の樫の木で鼓を作りあげる。しかし、あまりにも深い情念が呪いと化してしまい、この鼓にかかわった人間は全員不幸な死を遂げてしまう。そのため、鼓はいつしか「あやかしの鼓」と呼ばれるようになる。
月日は流れて大正時代の東京。主人公である「私」こと音丸久弥は、病床の父から死の間際に、「あやかしの鼓」にまつわる因縁話を聞かされる。「あやかしの鼓」を作った職人は自分たちの祖先であることや、存在さえ定かでなかった「あやかしの鼓」が実在し、腕のいい鼓職人だった父が実際にその鼓を手にしたことがあること。そして「お前は絶対に鼓を習おうなんて思うな。触れてもいけない。」と言い残して父は息を引き取った。しかし、私は「あやかしの鼓」の呪いに引き寄せられるように鼓に出会ってしまい、やがて因果の連鎖の輪の中に取り込まれてしまう。