おすわどん

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おすわどん』は古典落語の演目。江戸落語上方落語の両方で演じられる[1][2]。ある家で、死んだ前妻の声が毎晩聞こえるという怪異が起きて後妻が病に臥したため、武術に腕のある男が声の正体を突き止めようとする内容。怪談噺と滑稽噺の要素が混じった演目である。江戸落語と上方落語で落ちの付け方に差異がある(詳細後述)。前田勇は「東西いずれが先か未詳」とする[3]

桂歌丸は内容を一部改変して持ちネタとした。こちらについては節を改めて説明する。

※以下、『落語事典 増補』掲載の内容に準拠する[1]

ある旦那がおすわという妾を抱え、気立てのよい本妻のおあきはおすわと同居することを認める。ところがおすわは性格が悪く、おあきをいじめたため、おあきは井戸に身投げした。おすわは後妻となる。すると井戸の方から「おすわどーん」という声が毎晩聞こえてきた。おすわがおびえて伏せっているのを知って、町内の剣術師範[注釈 1]が正体を見届けようと不寝番をする。

ところが、その声の正体は屋台のそば屋の「おそば、うどーん」という売り声であった。それを知った剣術師範は、自分が不寝番をした申し訳を立てるためにそば屋の首を打ち落とすと無理を言う。そば屋は「私の首は差し上げられません。その代わり、私の息子を身代わりに立てますので、お許しを」とそば粉を取り出し、「そば屋のコ(子=粉)だからソバコ」と話す。「これを身代わりにしてどうするというのだ」「ええ、テウチになさいまし」(そばの生地を打つことをさす「手打ち」と武士の制裁をさす「手討ち」を掛けた地口)。

上方落語版

上方落語版では、おすわが本妻をいびる下りを長く取る代わりに、声の正体がそば屋(うどん屋)と判明するところで落ちとする[1]。宇井無愁は江戸落語版の落ちを「蛇足」と評している[2]

桂歌丸版

桂歌丸は、『文芸倶楽部』(1907年10月刊)に掲載されていた6代目桂文治の口演速記から発掘し、オリジナルの「妾が本妻をいびって死なせる」という内容を、病を患った本妻が臨終に後添え(=後妻を迎えること)を勧め、それに従っておすわという女性と再婚するという形に改めた(おすわに妾という設定はない)。

のちに5代目三遊亭圓楽が歌丸から直接教わり演者の一人となる[4]。他には柳家喜多八も持ちネタとしていたほか、11代目桂文治も歌丸から教わり演じている[5]

脚注

参考文献

関連項目

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