かぶせ放送
From Wikipedia, the free encyclopedia
日本国内
キー局系衛星放送局
地上波キー局系の衛星放送局(BS放送・CS放送)で、親会社のキー局の番組をそのまま放送する場合、一部映像において、放送権・肖像権の問題が発生する。近代オリンピックやFIFAワールドカップ関連などのスポーツの試合やタレント特に肖像権が厳しいジャニーズ事務所(当時)関連の映像などに多い。
これらの映像は、地上波局で「のみ」放送することが許されている場合が多く、そのまま放送すると権利を侵害することになる。
これを回避するために、当該の映像の冒頭で画像をストップさせて静止画(スチル)状態にし、「この映像は放送できません」などという断りのテロップを表示したり、代替として新聞社・通信社が配信した写真を表示する[1]ことがある。地上波側でその映像が終了すると、かぶせ放送を終え、通常の番組に戻る。
スチル状態にもできない場合は、テロップのみや、風景写真など関係のない静止画を放送する場合もある。
日テレG+のプロ野球中継(巨人ホームゲーム)では地上波・BS放送向けとCS放送向けに分かれて送出しているため、地上波が他球場の途中経過映像や企画ものが流れていても、CS放送では蓋かぶせをせず、球場内映像を流したままで「権利の関係上、映像はお届けできません」とテロップ表示される。
衛星放送局が地上波と同一法人で運営している場合はある程度は問題なく放送できるが、ごくまれに蓋かぶせとなる場合もある。
NHKのBS放送では地上波の同時・時差放送でも地上波と同一法人の運営で放送権・肖像権を管理しているため、蓋かぶせすることは試験放送時代から一切行っておらず、2010年3月に開始した放送衛星による地デジ難視対策衛星放送でも民放を含めて同様である。放送大学が地上波でも放送していた時代のBS放送でも放送開始・終了時のコールサインアナウンス部分で放送休止扱いの差し替えがある以外、蓋かぶせを一切行なっていなかった。
ネット配信
サイマル放送のNHK ONE(NHKプラス)と民放各局系リアルタイム配信(日テレ系、テレ朝系、TBS系、テレ東系、フジテレビ系)とTOKYO MXのエムキャスは権利関係の処理が難しい映像は差し替え措置が行われる。
放送されたニュース映像をインターネット動画(Yahoo!ニュースなど)で配信する際も蓋かぶせを行う場合がある。権利上インターネットでの映像配信が出来ない海外の映像のほか、他社(ケーブルテレビ事業者からの映像提供など)の映像が流れる場合に行われる。民放(日テレNEWS、ANNnewsCH、TBS NEWS DIG、FNNプライムオンラインなど)で見られ、NHK ONE ニュースのページでは一部映像の蓋かぶせは行っていない[2]が、民放、NHKともに動画配信が出来ないニュースの場合は一部除き写真掲示の上文字のみの掲載となる。
NHKオンデマンドでは放送権・肖像権などの都合で放送できない部分は当該箇所のみNHKワールドで使用しているのとは別の静止画像によふ蓋かぶせもしくは配信そのものを中止することがある。
国際放送など
CNN
CNNの日本向けチャンネル「CNNj」では、ブラックアウト・無音となる。
NHKワールド
上記と同じく、一部は条件付で放送が認められているものがあるが海外からのスポーツ中継、オリンピック[3]、FIFAワールドカップ、ワールド・ベースボール・クラシック、日本国内の民放各局から映像素材を受けたものなどスポーツの映像は権利関係上、国外で放送することができない場合がある。また、国内向け地上波・BS同時および時差放送の番組で映画の映像や資料映像など、著作権がNHK以外にある映像も関係者の承諾を得ない限り、通常は放送できない。ごくまれにNHKが取材した映像や芸術的価値が高い肖像画の作品などでもかぶせ放送が行われることがある。
文化・宗教・政治的な理由などで、日本以外の国で放送することがはばかられる映像でもかぶせ放送が行われる[4]。放送できない部分が非常に多い場合は当該番組の放送を休止し、別の番組に差し替えとなる場合もある。
このケースはNHKワールド・プレミアムでよく見られる。NHKワールドTVも以前は[いつ?]「かぶせ放送」がよく見られていたが現在は完全独自編成の放送を行っているため「かぶせ放送」があっても日本国内向け番組の時差放送でごくまれにしか出ない。
中華人民共和国では中国共産党当局にとって不都合とされる映像が放送される際に、NHKの映像に対して中国当局によるかぶせ放送が行われる。例えば、2010年に中国国内での劉暁波へのノーベル平和賞授与決定のニュースを放映中に中国当局によるかぶせ放送が[5][6]、2013年1月には南方週末社説差し替え事件のニュースを放映中[7]に同じく中国当局によるかぶせ放送が、2014年2月21日には、ダライ・ラマ14世の訪米を伝えていたNHKワールドのニュースを放映中に、同じく中国当局によるかぶせ放送が行われ、同年の六四天安門事件25周年を放送した番組は当局から映像と音声を切る形でかぶせ放送が行われた[8]。2020年に入ってからは、従来の画面が真っ暗な状態から、カラーバーと「NO SIGNAL PLEASE STAND BY 信号異常 馬上回来(すぐ戻ります)」の文字に切り替わり、電波異常を装って、より手段が巧妙になったと指摘されている[9]。
脚注
- ↑ CS「日テレNEWS24」で、日本テレビ放送網の「Oha!4 NEWS LIVE」を地上波とサイマル放送する際によく見られる。
- ↑ NHKプラスでは先述の通り、映像単位で蓋かぶせを行う場合がある。
- ↑ 2012年のロンドンオリンピック終了以降は1番組1回の放送につき映像使用時間の条件がついたためか、過去の大会も含めてかぶせ放送せずにそのまま放送されるケースも出てくるようになった。
- ↑ 2012年7月17日放送のNHKニュースおはよう日本でも「ナンキンムシ大発生、被害は突然に」の項目では被害を受けた住宅の映像もNHKワールドオリジナルデザインのかぶせ放送の措置がとられた。
- ↑ 2010年の中国での事例:劉暁波の項目も参照[リンク切れ] 。中国当局、海外ニュースを遮断=新華社、外務省談話のみ報道(2010.10、時事通信社)
- ↑ 画面が真っ暗な状態が数秒間続いた。
- ↑ 中国でNHKニュースまた中断 南方週末改ざん報道で画面真っ黒 Archived 2013年1月15日, at the Wayback Machine.
- ↑ NHKによると、中国での放送はNHKが衛星を通じて提供したものを中国側が受信し、政府の規制に従って、別の衛星を通じて中国国内に配信している。中国側はこの間に内容を常時点検しているとみられる。中国国内では衛星放送の直接受信は一部を除いて禁止されており、全て政府のコントロール下にあるケーブルテレビ経由で配信されている。
- ↑ “中国、NHKニュース遮断の裏側は…「より巧妙になった」”. 西日本新聞. (2020年11月18日). https://www.nishinippon.co.jp/item/665144/