ちょっとだけエスパー
テレビ朝日系列のテレビドラマ
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『ちょっとだけエスパー』は、2025年10月21日から12月16日までテレビ朝日系「火曜9時枠の連続ドラマ」枠にて放送された野木亜紀子脚本によるテレビドラマ[1]。主演は大泉洋[1]。
| ちょっとだけエスパー Just a bit Espers | |
|---|---|
| ジャンル | 連続ドラマ |
| 脚本 | 野木亜紀子 |
| 監督 |
村尾嘉昭(TBSスパークル) 山内大典(共同テレビ) |
| 出演者 |
大泉洋 宮﨑あおい ディーン・フジオカ 高畑淳子 宇野祥平 北村匠海 新原泰佑 向里祐香 麿赤兒 岡田将生 |
| 音楽 |
髙見優 信澤宣明 |
| エンディング |
こっちのけんと 「わたくしごと」 |
| 国・地域 |
|
| 言語 | 日本語 |
| 時代設定 |
2025年 - 2026年 2035年、2055年、2070年 |
| 製作 | |
| 製作総指揮 | 三輪祐見子(テレビ朝日) |
| プロデュース |
貴島彩理(テレビ朝日) 山形亮介(テレビ朝日) 和田昂士(角川大映スタジオ) |
| 制作 | 角川大映スタジオ(協力) |
| 製作 | テレビ朝日 |
| 放送 | |
| 放送チャンネル | テレビ朝日系 |
| 映像形式 | 文字多重放送 |
| 音声形式 | ステレオ放送 解説放送 |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 2025年10月21日 - 12月16日 |
| 放送時間 | 火曜 21:00 - 21:54 |
| 放送枠 | テレビ朝日火曜9時枠の連続ドラマ |
| 放送分 | 54分 |
| 回数 | 9 |
| 公式サイト | |
特記事項: 初回は6分拡大(21:00 - 22:00)。 | |
人生を詰んだサラリーマンが「ちょっとだけエスパー」になり、「人を愛してはならない」というルールのもと世界を救うSFラブロマンス。
制作背景
- 企画
- 本作の企画は2021年夏、脚本家・野木亜紀子とプロデューサー・貴島彩理の共同発案によって正式に動き出した。両者は2016年の出会い以降、年に数回の頻度で「ドラマを語る会」を続けており、長年の交流の中で温めてきた「いつか一緒にドラマをつくる」という構想が結実したものである[2]。
- 野木は幼少期から『童夢』『AKIRA』『帝都物語』など超能力・SF作品に親しんでおり、「いつかSFを書く」という長年の願望も本作で実現することとなった[3]。
- 最初期では野木が「魔法使いもの」、貴島が「忍者もの」を志向しており、その折衷として「エスパーもの」に収束した[2]。野木はかつてTBSに「魔法使いもの」を打診したが採用には至らず、貴島とのタッグこそが「突飛な企画に踏み出す機会」だったと述べている[2]。
- 多くのキャラクターの命名は貴島が担当し、野木は「気に入らなければ変える」という条件で任せたが、結果的には兆以外ほぼすべて採用された[4]。なかでも「円寂」という名前は野木自身も驚いたが、高畑淳子演じる人物像との調和を感じ、彼女が自らつけた「仏名」として後付け設定が生まれた[4]。こうした名前から逆算する形でキャラクター像が深まり、物語の輪郭がより豊かになっていったという。
- キャスティング
- 2021から2022年の間に物語の大枠が固まり、大泉洋主演で企画され、「エスパーが出てくるSFラブロマンス」という突飛な内容であったが、メインキャスト7人は企画書の段階で出演を引き受けている[2]。
- 脚本・構成
- 脚本を書き出す前にメインキャストが確定していたことから、本作では当て書きが行われた[2]。
- 日本の地上波ではSFが馴染みにくい点を踏まえ、「ゆったりと始まり、徐々にSF度を上げる」構成が採用された[4]。また、同時期に「神様」「宇宙人」を題材とする他局ドラマが続いたため、題材の重複を避けつつ慎重に制作が進められた[3]。野木はマーベルのような海外大作との比較に否定的で、「日本らしいスケール感」を志向し、「少しだけ特別な力」を持つ主人公像は大泉洋の提案も反映されている[5]。作品の核となるSF設定「物体は時を越えられないが、データは送れる」も2021年段階で定まり、タイムリープやパラレルワールドとは異なる日本独自のSFを目指した[4]。
- 全9話構成は野木にとって初の試みであり、当初は10話想定の癖で執筆が進んだため、6話時点で内容過多となり大幅な再構成が行われた。四季の能力発現タイミングも3話案から4話へ変更されるなど、作品全体の「呼吸」を整えるための調整が続けられた[2]。
- 制作
- 制作体制においては、「安っぽいCGは嫌だ」という野木の要望が初期段階から共有され、超能力描写も可能な限り実撮ベースで成立させる方針が徹底された[4]。地上波ドラマの予算的な制約とのせめぎ合いのなかで、監督陣・プロデューサー陣・脚本が密に調整し、表現可能なラインを模索し続けたという[4]。その一方で、「アイデアや工夫は費用に左右されない」という信念のもと、「小さな能力で小さな依頼をこなす」構造を作品の骨格に据え、藤子・F・不二雄の「少し不思議(SF)」の精神を継ぐ姿勢が追求された[3][5]。
- 野木は本作を「世界の片隅に生きる人々の悲喜こもごもを描きつつ、軽やかなドラマにしたい」と述べており、大泉も多様なキャストの関係性とSF要素の深化が「視聴者の思考と想像を喚起する」と評している[3]。
あらすじ
→詳細は「§ エピソードリスト」を参照
各話冒頭のタイトルバックで英文が浮かび上がり、その回のあらすじが提示される[注 1]。
| 話数 | 英文 | 和訳 |
|---|---|---|
| Decision Tree 1 | Bunta starts working he becomes an ESP user. He gets a wife but he must not love. |
文太はエスパーになり働き始める。 彼は妻を得るが、決して愛してはならない。 |
| Decision Tree 2 | Bunta goes on a trip with his friends and wife. He saved a painter, the painter was happy to stay a painter. |
文太は友人たちや妻と一緒に旅行に出かける。 彼はある画家を助け、その画家は画家であり続けることを喜ぶ。 |
| Decision Tree 3 | Bunta learns about Osuke. He remembered his father. A dog barked. Sparks flew. The Espers became a little bit like heroes. |
文太は桜介について学んだ。彼は父親のことを思い出した。 犬が吠えた。火花が散った。 エスパーたちはちょっとだけヒーローになった。 |
| Decision Tree 4 | Bunta hides a secret from the boss.The secret grows. Bunta begins to love his allies.He also begins to love Shiki. Soon, the time will come. |
文太はボスに秘密を隠す。その秘密は大きくなっていく。 文太は仲間たちを愛し始める。そして四季のことも愛し始める。 やがて、その時が訪れる。 |
| Decision Tree 5 | The birth of a new Esper. Bit Five rejoices. Love and bonds grow deeper. An enemy appears. Will ash or snow fall from the sky? |
新たなエスパーの誕生。ビットファイブは歓喜する。 愛と絆はより深まっていく。 敵が現れる。空から降るのは“灰”か“雪”か? |
| Decision Tree 6 | Kizashi is a sign of the beginning of everything. Shiki's memories are hazy. And Bunta finally reaches out to Kizashi's heart. |
兆しとはすべての始まりのしるし。 四季の記憶はぼんやりとしている。 そして文太はついに兆の心に接触する。 |
| Decision Tree 7 | The data can be sent to the past.Ichimatsu acts for "I". Tears, joy, and anger…Shiki's memories are rewritten. Why was Bunta chosen? Why was that? |
データは過去へ転送できる。市松は「アイ」の代わりに行動する。 涙、喜び、怒り…四季の記憶は上書きされる。 なぜ文太が選ばれたのか?それはなぜか? |
| Decision Tree 8 | Bit Five disbanded. On Bunta's mission, Shiki remembers Bunchan, Kizashi's eternity and the fleeting moment of Shiki. |
ビットファイブは解散する。 文太のミッション中、四季はぶんちゃんのこと、 兆にとっては永遠の、自分自身には一瞬の出来事を思い出す。 |
| Decision Tree 9 | The Mission is endlessly difficult. Even so, it must eternally continue. That is what it means to live. |
ミッションは果てしなく困難である。 それでもなお、永遠に続けなければならない。 生き続けることがミッションなのだから。 |
キャスト
Bit5
ちょっとだけエスパーが発現した5人。
- 文太(ぶんた)〈47〉
- 演 - 大泉洋[1](幼少期:宮宇地怜央[6])
- 会社の金を横領して解雇され、家族も金も全てを失ってネカフェ難民になった男。
- 「ノナマーレ」の最終面接でEカプセルを飲み、世界を救う仕事に就く。
- Eカプセルを服用し「触れた相手の心の声を聞ける」エスパー能力が発現する。
- 四季(しき)
- 演 - 宮﨑あおい[7]
- 「ノナマーレ」の社宅で文太の妻として同居することになる女性。クリーニング店「小林ランドリー」勤務。
- 本当の夫を事故で亡くしたことが受け入れられず、文太を夫だと思いこんでいる。
- ノナマーレの社員ではなかったが、誤ってEカプセルを服用して「吹っ飛ばし系」エスパー能力が発現したため、文太からエスパー、世界を救うミッションのことを明かされる。
- 桜介(おうすけ)
- 演 - ディーン・フジオカ[8]
- 社員。なでると花を咲かせる花咲か系能力を持つエスパー。生花店「フラワー桜屋」経営。
- 半蔵(はんぞう)
- 演 - 宇野祥平[9]
- 社員。少しだけ動物と会話ができる能力を持つエスパー。
- 円寂(えんじゃく) / カオル[10]
- 演 - 高畑淳子[9]
- 社員。念じるとほんのり暖かくなるレンチン系能力を持つエスパー。社宅の管理者でもある。
ノナマーレ
Young 3
その他
ゲスト
第1話
- 面接受験者
- 演 - 中村碧十[18]、石田智輝[19]、竹内黎[20]
- 「ノナマーレ」の就職面接を受ける若者たち。
- 面接官
- 演 - 逢川大樹[21]、山中良弘[22]
- 「ノナマーレ」の就職面接官。
- 鈴木琢磨
- 演 - ベンビー[23]
- ミッション52「夜まで傘を持たせる」のターゲット。ミッションの成功で、借金を返済した。
- 佐藤満
- 演 - 宮川太一[24]
- ミッション53「目覚まし時計を5分早める」のターゲット。ミッションの成功で、昇進が決まる。
- 高橋健作
- 演 - 大村わたる[25]
- ミッション54「スマホの充電を14時までにゼロにする」のターゲット。ミッションの成功で、結婚が決まる。
- アナウンス[注 2]
- 声 - 森岡優菜[注 3][26]
- 「ノナマーレ」の留守番電話の音声案内。
- 男性
- 演 - 針原滋[27]
- 立ち食いソバ屋の客。「ここはカレーがいまいち」と心の中で思っている。
- 丸顔の男、眼鏡の男、ジャケットの男
- 演 - プリティ望[28]、もりりょう[29]、日下部十也
- 「明日から痩せるぞ」、「猫吸いたい」、「あの株絶対上がる」と心の中で思っている立ち食いソバ屋の客たち。
- 信号待ちの男、腕時計を見る男
- 演 - 中津川巧[30]、ミルクティ圭介[31]
- 「青信号って緑だよな」、「変わったらダッシュ」と心の中で思っている。
- 傍の男、すれ違った男、すっころんだ男
- 演 - 丸藤慶治[32]、田櫓祐二[33]、児玉純一[34]
- 「俺のひげ気持ちいい」、「腹減った」、転んで「うわ!恥っ!」と心の中で思っている。
- 店員
- 演 - 小原澤遼典[35]
- 店頭で居酒屋のビラを配りながら「しんどい」「死にたい」と心の中で思っている。
- スーツの男
- 演 - 武末志朗
- 「頭下げて何やってんだろう」と心の中で思っている。
第2話
第3話
- 瑞希
- 演 - 徳永えり[38](第4話・第8話)
- 桜介の元妻、紫苑の母。
- 陣内
- 演 - 阿部亮平[39]
- 桜介の昔の仲間。更生して漁師になった桜介の元に現れ悪事に巻き込もうとするが、家族を守ろうとした桜介に殺される。
- 良雄
- 演 - 東康仁
- 瑞希の再婚相手、紫苑の養父。
- 上杉、下川
- 演 - 伊藤圭吾[40]、渡辺優哉[41]
- 紫苑の高校の友人。
- 夏祭りの世話役
- 演 - 安藤彰則(役名:蛸村)、鈴木理学(役名:蕎麦山)[42]、三村伸子[43]、倉金春[44]
- 夏祭りの運営本部テントで談笑しているところ、文太に「爆発が起きるので全員避難させよう」と言われるが、笑って取り合わない。
- 遠藤
- 演 - 小橋川嘉人[45]
- 縁日の神社の裏で大きな鞄を持つ、黒づくめの不審な男。お祭りの景品を窃盗していた。
- 法被の男
- 演 - 城戸光晴[46]
- 文太たちが捕まえた遠藤を取り押さえる。
- コウタ、コウタの父
- 演 - 渡辺雄大[47]、根本明宏[43]
- 縁日で父とはぐれて迷子になった男の子とその父親。
- ホームレス
- 演 - たんぽぽおさむ[48]、蜂谷英昭[49]
- 夜の公園でりんご飴をかじる円寂を囲み、焼きそばなどを食べる。
第4話
第5話
第6話
第7話
第9話
- 村上初城
- 演 - 辻義人[64]
- 辰峰建設の現場責任者。コスト削減と納期短縮のため強度不足のボルトを使い、クリスマスマーケットの天井にLEDパネルを設置する。
- そのため、2025年12月24日にクリスマスマーケットでLEDパネル落下事故が発生し、34人が死亡。日本中から事故の責任を追及され、自殺する。
- アナウンサー
- 演 - 舘谷春香[65]
- 年明けのニュース番組で、クリスマスマーケットでのLEDパネル落下事故を報じる。
- 場内アナウンス
- 声 - 村杉明彦[66]
- クリスマスマーケットの場内アナウンス。
- ノナマーレ社員
- 演 - 一之森有香[67]、蒼怜[68]、はぎやまさき[69]、みすみのり[69]、竹内香帆[69]、細谷雅幸[69]
- クリスマスマーケットに特別ミッション「3人(市松、久条、紫苑)をクリスマスマーケットから出さない」で召集される。
スタッフ
用語
- ノナマーレ
- エスパーが世界を救うためのミッションを遂行する会社。社員は正体を知られてはいけない、NON AMARE(人を愛してはならない)。
- Extra-Sensory Perception(ESP)
- 超感覚的知覚。兆曰く、文太たちの能力は超能力とは少し違い、兆はエスパーと呼んでいる。発現する能力の内容は本人の資質次第。
- Eカプセル
- 服用することでエスパー能力が発現するカプセル。薬の効果がなくなると、エスパーを失う。能力を失うとノナマーレを自動的に解雇され、二度の発現はない。
- 2055年に市松博士(アイ)がそのレシピを発明するが未承認で、副作用で死の危険をはらむが、兆がレシピを盗み本来存在しない2025年で八柳たちに開発させていた。
- ディシジョンツリー
- 光る巨大な木の形をした世界を現すビッグデータ。出来事同士の因果関係を表し、出来事が互いに結びつき、過去から現在、未来へと世界を形作る様子を表している。
- 元の世界(実体座標)と歴史改へんで更新された世界(干渉座標)の差分をバックアップし、その差分を未来の更新された兆に送信し、歴史改へんの内容を認識させていた。
- ミッション
- 世界の分岐点への介入。積み重ねることでジャンクションが作り上げられる。
- ジャンクション
- 世界の分かれ道。ディシジョンツリーの分岐点。ディシジョンツリーの橙色の枝として目視される。
- ナノ・レセプター
- ガラス瓶に入れられた流動する銀色の液体。この液体を飲むことで電力をエネルギー源にデータを受信できるようになり、未来の記憶が脳の奥深くにインストールされる。
- ホロ・リンク・コミュニケーター
- 過去と未来を繋ぎ立体映像を過去に投影する技術。視野角前方120度。コミュニケーターを介して手に入れた過去の情報は、未来まで届けられる。
- たこっぴ
- 文太と四季が住むノナマーレの社宅1階の元たこ焼き屋。設備が残っており、文太たちの仕事の打ち上げやタコパ(たこ焼きパーティー)で使われている。
エピソードリスト
| 話数 | サブタイトル[71] | 初回放送日 | 演出 | 視聴率 |
|---|---|---|---|---|
| Decision Tree 1 | 愛してはいけない妻 | 2025年10月21日 | 村尾嘉昭 | 8.5% [72] |
| 会社の金を横領しクビになり、仕事も家族もすべてを失った47歳の文太は、ネカフェ難民となっていた。そんな彼のもとに、ある日「ノナマーレ」という謎の会社からの面接案内が届く。最終面接まで進んだ文太は、社長の兆から促され、渡されたカプセルを飲むと「今日からエスパー」と告げられ、世界を救う仕事を言い渡される。文太は社宅で、四季という女性と夫婦として同居するよう指示を受ける。彼女は文太を本当の夫だと思い込んでおり、文太は困惑する。翌朝、文太は同僚の半蔵から紹介されたスマホアプリを通じて「鈴木に傘を持たせる」「佐藤の目覚まし時計を5分進める」「高橋のスマホの充電をゼロにする」など、取るに足らないミッションをこなしていく。そしてその過程で「触れた相手の心の声が聞こえる」エスパー能力が発現したことに気づく。ミッションを達成した文太は仕事の打ち上げの席で、花咲か系能力の桜介や円寂ら仲間のエスパーから、自分のした小さな行動が、実は相手の人生を良い方向に変えていると明かされる。そんな中、偽りの夫婦生活で次第に四季に心を惹かれていた文太は、彼女の「愛している」という心の声を聞くが、兆から「ノナマーレの最重要ルールは人を愛してはならない(NON AMARE)ことだ」と警告され、心が揺れる。 | ||||
| Decision Tree 2 | 天使 | 10月28日 | 村尾嘉昭 | 6.3%[73] |
| 文太は兆からEカプセル服用でエスパー能力が発現すること、ミッションとは世界の分岐点への介入でより良い未来へ導くことと教えられ、引き続き四季の夫を演じるよう命じられる。翌日、「千田守の目的地到着を阻止せよ」というミッションが下る。画家・千田の目的地は不明だったが、桜介の妨害工作により芦ノ湖であることが判明し、四季が運転する車で追跡する。円寂の手かざしレンチン能力では千田を止めらず、文太はサービスエリアのトイレで千田に接触、彼の「300万円の価値があるのか?」という心の声を聞く。半蔵は動物お願い系能力で千田の車の視界を鳩の糞で奪うが、彼はタクシーでロープウェイ乗り場へ向かう。桜介が千田のカバンを投げ飛ばすと、著名画家の作品が現れ、文太は千田の心の声から、それが彼の手による贋作で、芦ノ湖で画商に売ろうとしていると察する。文太は千田を大涌谷で食事に誘い、自らの横領を語ることで、千田が生活苦から贋作に手を染めつつも「自分の絵を世間に試したい」という矜持があることを吐き出させると、「やりたいことをやれ」と彼を励ます。芦ノ湖駅行きのゴンドラで桜介は千田を下車させようとするが、文太は制止。千田は芦ノ湖駅に到着するが、戻りのゴンドラに直行する。千田は贋作ではなく黒い玉子の絵で実力を試す決意を固めていた。文太は湖畔で、四季が亡き夫の面影を文太に重ねていると半蔵から告げられると、「千田は画家として一生を終える」とミッション達成の報が届く。文太たちは歓喜するが、千田はトラックに衝突され、画家として一生を終えていた。 | ||||
| Decision Tree 3 | 世界を救う私たち | 11月4日 | 山内大典 | 6.0%[74] |
| 穏やかな朝、「なぜ文太が血を流し倒れる夢を見るのか」と四季が心でつぶやく声を聞き、文太は驚く。そんな中、同僚・半蔵の過去が明らかになる。かつて警察犬係の警察官だった彼は、繁殖業者に虐待される犬を救おうとして暴走し、警察を追われていた。そして花屋の桜介にも暗い過去があった。家族を守ろうと、彼は悪事に巻き込もうとするやくざ者を衝動的に殺してしまい、妻と離婚、家庭を失ったのだ。息子・紫苑と他人として生きる桜介は、密かに息子のことを見守り続けていた。文太は彼の父親としての孤独と贖罪に触れるうち、幼い日に縁日で父に置き去りにされた記憶を思い出す。文太は「父の本心が知りたい」その願いが「他人の心の声が聞こえる」エスパー能力を発現させたのかもしれないと感じ始める。やがて夏祭りの日、「神社での爆発で人が死ぬのを止める」とのミッションが下る。浴衣姿の人たちで賑わう境内で、文太たちエスパーは爆発の兆候を探る。半蔵と柴犬の佐助が神社の裏手で不審者を探し出し、文太たちが捕らえるが、真の危険は屋台のガスボンベにあった。漏れたガスが発電機の火花で引火し瞬く間に爆炎が走る。文太は男の子を、桜介は居合わせた息子・紫苑をかばい傷を負うが、死者を出さずに済む。兆は爆発事故に未確認因子を感知するが、事故現場の野次馬の中に白狐の面を被る学生・市松の姿があった。その夜、線香花火を見つめる文太と四季。文太は「人は自分を救うことが難しい」と考える。翌朝、熱が出た四季を気遣う文太は、彼女がEカプセルを風邪薬と間違って服用したことを知り愕然とする。 | ||||
| Decision Tree 4 | 未確認因子 | 11月11日 | 山内大典 | 6.2%[75] |
| 四季が誤ってEカプセルを飲んだことを受け、文太は円寂、桜介、半蔵に相談し、円寂の「様子を見よう」との助言に従い、兆への報告を保留し見守る。未確認因子による到達予定の遅れを兆は懸念していたが、文太たちは次々とミッションを達成する。そんな折、紫苑が桜介の花屋を訪れ、母親へ贈る花を選ぶ姿に桜介は目を細める。また、四季がクリーニング店の洗濯物のポケットで見つけた「たこ焼き研究会」のチラシをきっかけに、市松がたこっぴに招待される。文太は四季が「誰かに見られている気がする」と言っていたことから市松をストーカーと疑い、半蔵と大学に潜入して調査するが、彼は普通の学生であった。その後、クリーニング店で四季の誕生日を知った文太はプレゼントを探す中で、四季への想いに気づく。そんな中、四季を尾行する人物を発見した文太が追跡すると、正体は市松であり、彼はたこっぴで桜介の能力を目撃したことから文太たちを調べていたと明かす。文太はエスパーの弟子入りを志願する市松に厳しい修行を課してやり過ごし、正体が知られた件を兆に報告するのを控える。文太は横浜の港や中華街で四季とデートを重ね親密になり、誕生日を祝う席で「愛してる」と告白するが、ケーキに立てたろうそくの火を吹き消そうとする四季の息で、ケーキごと庭まで吹き飛ばされる。一方、兆がツリーの中にオレンジ色に光る枝を見つけた頃、Eカプセルを飲み込む市松と紫苑の様子を、謎の女・久条が微笑みながら見つめていた。 | ||||
| Decision Tree 5 | Bit Five VS Villain | 11月18日 | 村尾嘉昭 | 5.9%[76] |
| Eカプセルを誤飲した四季が「吹き飛ばし系能力」を発現したことで、文太は彼女にエスパーとミッションの秘密を明かす。新たな仲間・四季を迎えた円寂・桜介・半蔵は祝宴で結束を深めBit5を結成するが、文太だけは兆から「10年後に1万人が死ぬ大惨事」を回避するため、世界の分岐点〈ジャンクション〉を作る任務を明かされていた。そんな折、文太は円寂から「殺したい男がいた」と告白される。かつて愛した男・結城の横領を身代わりし10年服役した彼女は、出所後はホームレスとして孤独に生きていたが、兆からEカプセルを授かり「第3の人生」を得たのだ。葛藤の末に復讐を取りやめた円寂に文太は寄り添い「俺たちはいいチームだ」と励ます。間もなく文太たちに「お台場でアタッシュケースを奪い海へ沈める」という特別ミッションが下る。ケースの中身がウィルステロに関わる危険物と判明し、彼らはスーツ姿の男からケースを受け取った二人組を急襲してケースの奪取に成功。しかしリレー輸送の途中、半蔵は激しい頭痛、文太は涙と鼻水が止まらない異常に襲われる。桜介はケースを海へ投棄しようとするが、静電気を操る紫苑、脱水を操る市松、音波を発する久条らYoung3が出現し争奪戦が勃発。形勢不利となる中、駆け付けた四季の能力で戦局を覆す。そこへ白い服の老齢の男が現れ「ジャンクションを戻しに来た」と告げると、雪とともにYoung3を連れ去り姿を消す。呆然とするBit5の上空には灰が降り始め、兆は二人組の隠し撮り写真から未確認因子と四季の姿を確認していた。文太の脳裏では、市松の「1千万人が死ぬ、あんたのせいで!」という心の声と、兆の「1万人を救ってください」の言葉が交錯する。そのとき四季は、灰の降る街に文太ではなく、兆が倒れる幻影を見ていた。 | ||||
| Decision Tree 6 | 兆し | 11月25日 | 山内大典 | 5.8%[77] |
| 兆は未確認因子・Young3の能力を分析し、紫苑の静電気能力に注目する。「白い男」の正体は未解明だったが、兆は四季がエスパーを発現したことを最も懸念していた。確認のため四季に接触した兆に対し、四季は強い既視感を覚え、夢に現れる人物が兆に似ていると気付き始める。一方、文太は市松に接触し、彼らの背後関係を探ろうとする。市松は兆の作る〈ジャンクション〉が「10年後に1千万人が死ぬ未来」を招くと「アイ」から教えられたと明かす。文太は兆の1万人を救う〈ジャンクション〉を主張し、議論は平行線に終わる。その頃、兆は紫苑を自陣に引き入れるため、桜介に「実の父親と告白せよ」と指示する。その後、大学の食堂でBit5とYoung3の会合が開かれ、久条は高校時代の親友・八柳がミッションでEカプセルを開発した末、不審死を遂げたと明かす。八柳の遺した手紙からミッションの黒幕が兆と知った久条は、残されたEカプセルで音波能力を発現させていた。久条は紫苑の静電気と自身の音波で「共鳴爆発」を起こすと文太たちを脅し、兆の正体を聞き出そうとするが、桜介が紫苑を制圧し未遂に終わる。記憶の文太の顔が兆の顔と重なり混乱する四季に「文太だから、ぶんちゃんだよね」と迫られた文太は、彼女を抱きしめることしかできなかった。文太はついに兆と対峙し「四季の夫は死んでなんかいない。あんたが四季の夫で『ぶんちゃん』なんだろ」と追及すると、兆は自分が2055年の未来人であり、現在の姿は立体映像に過ぎないと明かす。一方、アパートでは紫苑に近づくなと市松を脅す桜介のエスパーが暴走。市松の首元の皮膚が変色、顔や腕に広がり急激に衰弱する。市松は薄れ行く意識の中、パソコンのチャットを通じて2055年の自分自身「アイ」と出会った夏の日の記憶を思い返す。 | ||||
| Decision Tree 7 | 選ばれし者 | 12月2日 | 村尾嘉昭 | 4.9% [78] |
| 7月、過去へデータを送る技術により市松のもとに2055年の自分「アイ」からチャットが届く。アイは自身が発明したEカプセルのレシピを盗まれ、2025年へ送信した歴史改ざんの冤罪で死刑寸前だった。犯人の追跡と歴史改ざんの阻止を依頼された市松は、アイが示す「エスパー出現予測」を手がかりに、たこっぴで文太らエスパーを探し当てる。12月、兆は生活の保障をちらつかせ、記憶が混乱する四季の「夫役」を続けるよう文太に強要する。その頃、桜介のエスパー暴走により市松は活性酸素で細胞やDNAが損傷し、死の淵に立たされる。駆けつけた文太に、市松は7月のアイとの出来事を打ち明けるが、アイからの通信が途絶えており、「歴史が変わり、アイからの連絡が必要なくなった未来」か「自分の死でアイが消えた未来」を想起し、恐怖に襲われる。そんな中、四季の過去が明らかになる。4月、四季は以前勤めていたクリーニング店で兆と接触し、ナノ・レセプターで2035年までの記憶をインストール中に停電が発生。不完全な未来の記憶が混入し、彼女は混乱してしまう。兆は四季を保護するため、結婚後に住む予定だった社宅に匿い、文太を「代わりの夫」としたのだった。文太は四季に探りを入れ、2025年の兆(文人)に接触するが、彼は四季を知らず独身であった。この接触により兆の立体映像が歪み、2025年の歴史が更新され、新たな〈ジャンクション〉が発生する。兆はたこっぴに現れ、「これまでの半年の生活は偽りだった」と四季に告げ、ナノ・レセプターで記憶の上書きを迫るが、四季は「私のぶんちゃんは文太」とそれを拒み、帰宅した文太を抱きしめる。そこへ円寂、桜介、半蔵が駆け付けると、兆は彼らに「あなたたちはデシジョンツリーの外側にいる。消えても歴史に影響しない、今年死ぬはずだった人間だ。だからこそEカプセルを託した」と告げ「愛してはならない。あなたたちがいらない人間だからですよ」と言い放つ。 | ||||
| Decision Tree 8 | ぶんちゃん | 12月9日 | 山内大典 | 5.2%[79] |
| 円寂、半蔵、桜介は報告漏れとミッション放棄の責任を問われ、兆から解雇・社宅退去を命じられる。一方、文太だけは翌日の出社指示を受ける。その直後、桜介が耳から血を流して倒れ、半蔵は飼い犬・佐助から「エスパーになった順に不思議な匂いが強まる」との言葉を聞き取る。翌日、文太は兆に対し、八柳ら第一世代のエスパーの死がEカプセルの副作用ではないかと迫る。兆はそれを否定せず、「元々死ぬはずだった人間が何を怒る必要があるのか」と告げ、新たなミッションを下す。文太は辞表を提出し拒否しようとするが、兆は「必ずやることになる」と告げる。文太は「兆(文人)の記憶を上書きしよう」と四季を誘い江ノ島へ向かうが、四季は江ノ島を巡るたびに文人との「未来の記憶」が蘇り苦悩する。文太はそんな彼女にナノ・レセプターを差し出し、記憶の上書きを促す。それは、2035年に四季が瓦礫の下敷きとなり下半身を失い死亡する悲劇を回避するため、兆が文太に課したミッションであった。兆は四季を救うため2055年から2025年の投資家にアクセスし、近未来の情報で資産を形成、その資金で技術者を束ね、この時代に存在しないホロ・リンク・コミュニケーター、Eカプセルを開発させていた。文太は兆の話を受け入れ、愛する四季を守るためナノ・レセプターを渡し、彼女の前から立ち去る。その夜、市松はノナマーレの使者に連れ去られ、兆と対面する。兆は「2055年で自首し市松の冤罪を晴らす代わりに、2025年の私の計画に干渉するな」と取引を持ちかけるが、市松は「1千万人が死ぬ未来を看過できない」と拒絶する。兆を訪ねこの会話を陰で聞いた四季は、兆が不在の隙に市松を解放し自宅へ引き返す。未来での自らの死を思い出した四季は、久条から預かっていた大量のEカプセルを一気に服用する。するとノナマーレのディシジョンツリーに異常が発生し、星雲のような光の渦が空へと伸びてゆく。死に場所を求めてビルの屋上を彷徨っていた文太は、その光景を目撃する。 | ||||
| Decision Tree 9 | Si,amore. | 12月16日 | 村尾嘉昭 | 6.2%[80] |
| 円寂は「いらない人間」との兆の言葉に絶望し、結城に復讐しようとするが、文太、半蔵、桜介たちに止められ未遂に終わる。「幸せになりたかっただけなのに」と呟く円寂を、文太は「俺たちは、みんな愛し損ねた」と静かに受け止める。同じ頃、四季は10年後に自分が亡くなる運命、文太と文人を愛してしまったこと、自分の存在が原因となり未来で1千万人が亡くなることに葛藤し、「文太と文人、二人とも殺す」という結論に至る。一方、兆はディシジョンツリーの異常の原因を、市松・紫苑・久条たちの存在だと考え、LEDパネルの落下で34人が事故死するはずのクリスマスマーケットに彼らを呼び出し、排除しようとする。だがその計画を知った市松は文太に連絡。四季を除くBit5の4人とYoung3は会合を開き、文太は騙されたふりで会場に向かい「34人全員を救おう」「今ここにいる俺たちが歴史を作るんだ」と呼びかけ、兆にとっての「歴史改ざん」の阻止を目指す。エスパーたちはそれぞれの能力を駆使し、人々を会場の外へ誘導し、事故を回避していく。救われる命が増えるたびに未来は揺らぎ、兆自身の存在も不安定になっていく。しかし兆と対峙する文太の前に四季が現れ、文太を吹き飛ばす。立体映像である兆には攻撃が通じないと知った四季は、会場に居合わせた文人を見つけると事故現場へ導き、二人で事故死することで1千万人が亡くなる未来を変えようとする。文太は「四季を愛し、四季がいるこの世界を愛する」と訴え、彼女の暴挙を止めようとするが会場上空のLEDパネルが一斉に崩落。文太、円寂、桜介、半蔵の4人は四季を庇いパネルの下敷きになる。だが瓦礫の下に彼らの姿はなく、この世界から消えていた。呆然とする兆の前に、白い服の男が現れる。男は「京」と名乗り、2070年から来た未来の兆であることを示唆する。京は「今ここにいる者だけが、未来を形作れるのだ」「全ての刹那はとこしえに繋がる」と告げると兆と共に姿を消し、会場に桜の花びらが舞う。負傷者ゼロのLEDパネル落下事故から年が明けると、四季は何者かによってナノ・レセプターの作用で半年分の記憶を失っていた。誰を愛し、何を失ったのかも思い出せない彼女の前に、文人が現れ、二人は初対面のように出会う。その背後を、静かに通り過ぎる文太、円寂、桜介、半蔵の姿があった。彼らは姿を消しながらも、四季と文人を再び出会わせる「ミッション」を果たしていた。愛し損ねた者たちは2025年を生き抜き、生き続けることで未来を変え世界を救う、果てしないミッションに挑み続けるのであった。 | ||||
- 初回は21時 - 22時の6分拡大放送。
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