へき地医療

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へき地医療[注釈 1](へきちいりょう)は、地理的・社会的な事情により医療資源が乏しい地域での医療提供を指す。日本においては地域医療の一翼を担う重要な分野となっている。

へき地医療は、山間地離島などの「へき地」において必要な医療サービスを、継続的かつ安定的に提供する取り組みを指す。厚生労働省は「へき地」に該当する地域を、「交通条件及び自然的、経済的、社会的条件に恵まれない山間地、離島その他の地域のうち医療の確保が困難であって無医地区及び無医地区に準じる地区の要件に該当する地域」[1]とし、医療過疎対策として政策的に支援している。千葉県、東京都、神奈川県、大阪府を除く43道府県の637の無医地区と420の準無医地区が対象となっている[1]

医療法では、都道府県が定める医療計画における救急医療等確保事業の一つとして「へき地の医療」が掲げられている[2]。へき地保健医療対策の対象把握に用いられる無医地区等調査では、調査時点を令和4年10月末とし、無医地区数557地区(令和元年比33地区減)、無医地区人口122,206人としている[3]。無医地区は、医療機関がなく、地区中心からおおむね半径4km以内に50人以上が居住し、かつ容易に医療機関を利用できない地区と定義される[3]

へき地医療においては、プライマリ・ケアを中核に据え、地域住民の日常的な健康ニーズに対応することが重要である。

へき地医療支援機構の指導・調整により医療を提供する病院として、へき地医療拠点病院が設置されている[4]

へき地医療は、「地域医療支援病院制度」「へき地診療所」「地域枠制度(医学部地域枠)」などの制度を通じて、医療政策に組み込まれている[5]。特に医師偏在対策の一環として重視されており、医学生の地域定着や、へき地への医師派遣(ドクターバンク)などが政策的に支援されている。

へき地医療支援機構の調整の下で拠点病院が巡回診療・医師派遣・代診医派遣・遠隔医療支援を担う体制が示され、令和6年4月1日現在の施設数としてへき地医療拠点病院358施設、へき地診療所1,120施設が示されている[6]。同資料では、令和4年調査時点で「無医地区」および「準無医地区」を有する都道府県は埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・大阪府を除く42道府県である[6]。第8次へき地保健医療計画(令和6年度-令和11年度)では、オンライン診療による巡回診療や代診医派遣を実績として扱う運用が示されている[6][7]

沿革

  • 1956年 - 初の「へき地保健医療計画」を国が策定[8][9]
  • 2011年 - 「へき地医療支援機構」が、第9次へき地保健医療計画により各都道府県に設置されることになった[9]
  • 2022年 - 離島振興法の一部が改正され、国および地方公共団体は、医師不足等の状況にかんがみ、離島における医療の充実が図られるよう特別の配慮をすることとされ、遠隔医療が明記された[8]

脚注

関連項目

外部リンク

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