まりも祭り
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阿寒湖のマリモは、1921年に特別天然記念物に指定された。阿寒湖は有数の温泉地として有名になり、多くの観光客が訪れるようになった。その中で、マリモを観光客に売ったりする行為や、持ち帰る観光客があとを絶たなかった。また、水力発電により水位が下がるなど、阿寒湖の環境変化によりマリモの生息域が縮小するなどの問題も発生した。
そこで1949年に地元の有志が「阿寒湖マリモ愛護会」を結成し、阿寒の自然環境およびマリモを保護する活動を開始した。そして、全国に持ち去られたマリモを阿寒湖に返すよう新聞やラジオで呼びかけるマリモ返還運動が始まった。その結果、全国からマリモが阿寒湖に送られてきた。
そこで、全国から戻ってきたマリモを湖に返すこととなり、アイヌの儀式を取り入れた形で、1950年に第1回「まりも祭り」が実施されることになった。
その後、マリモが返還されることはなくなり、湖にマリモを返すことはなくなったが、大自然の神々に感謝する祭りとして毎年行われている。
内容
70年以上の歴史があり、さまざまな変遷があるが、以下は2000年代に行われているものをもとに記述する[1]。儀式や舞踊交流は阿寒湖アイヌコタンの住民が中心となって執り行われる。
初日は、マリモに関する講演会やシンポジウム、まりもの観察会が開催される。
2日目は、日中、浴衣を着た地域住民たちによる「まりも音頭」の行進が阿寒湖の温泉街で行われ、夜は、阿寒湖畔でマリモを迎える儀式を行う。阿寒湖からマリモを迎え、神々に祈り、そのあと各地のアイヌ民族団体会員を中心とした参加者たちは、たいまつを持ってアイヌ歌謡を歌いながらアイヌコタンまで行進する。アイヌコタンでは各地から集まった民族舞踊の競演が行われる[2]。
3日目の朝、アイヌコタンのチセでまりもを送る儀式を行い、そのあと参加者たちは阿寒湖畔までアイヌ歌謡を歌いながら温泉街を行進する。そして温泉街にある前田正名像前まで行進し、像の前で舞踊を奉納する[3]。そのあと阿寒神社に移動し参拝する。そして湖畔の桟橋に移動し[4]、民族舞踊の奉納を行い、マリモを湖に送り、終了となる。
神事については関係者のみによって屋内で行われるが、マリモを迎える儀式やたいまつ行進や舞踊の競演などの行事は、観光客など、一般参加者にも公開されている。