もてない男
From Wikipedia, the free encyclopedia
| もてない男 恋愛論を超えて | ||
|---|---|---|
| 著者 | 小谷野敦 | |
| 発行日 | 1999年1月19日 | |
| 発行元 | 筑摩書房 | |
| ジャンル | 文芸評論 | |
| 国 |
| |
| 言語 | 日本語 | |
| 形態 | ちくま新書 | |
| ページ数 | 199 | |
| 前作 | 『男であることの困難』(1997年) | |
| 次作 | 『帰ってきたもてない男』(2005年) | |
| 公式サイト | 筑摩書房 | |
| コード | ISBN 4-480-05786-2 | |
|
| ||
|
| ||
| ||
『もてない男』(もてないおとこ)は、ちくま新書より1999年(平成11年)に刊行された比較文学者・小谷野敦の著書である。
表紙の言葉は、
もてないということは別に恥ずべきことではない。また、もてるということはただセックスができるということだと規定したものがあったが、私はこの定義を認めない。好きでもない女百人とセックスしても、もてるとは言えない、という立場に私は立っている。
である。
新曜社から1997年(平成9年)に刊行された論文集『男であることの困難――恋愛・日本・ジェンダー』に掲載されている同名のエッセイが元になっている。男女関係を「もてない男」の視点からとらえ直し10万部を超えるベストセラーとなった。
人間というものは「恋愛コミュニケーションスキル」を磨かなければいけないのだろうか、そんなものが備わっていなくても、人間として欠陥があるとはいえないのではないか — 小谷野、小谷野 1999a, p. 68
と主張し、恋愛至上主義的な価値観を押し付ける言論人たちを批判した。
恋愛への憧れから抜け出すのは容易ではない(中略)恋愛教からの脱出は、激しい、生きる意味の喪失の恐怖のみならず、恋愛を賛美する映画や小説とも戦わなければならないのだ。近代社会は宗教の代わりに恋愛教を据えたかのようである。 — 小谷野、小谷野 1999a, p. 188
と、恋愛を賛美する風潮から抜け出すことの困難さを述べ、最後を、
いったい現代の社会において恋愛に代わるべき、生き甲斐とは何であろうか、恋愛不要論はいま、そしてこれからの時代、人生は面白いかという重大な問題を突きつけてしまったのだ — 小谷野、小谷野 1999a, p. 190
と締めくくった。この問題は、『退屈論』(弘文堂、2002年)などの、小谷野の後の著作で追求される事になる。
構成
全体の構成は、「童貞論」「自慰論」「恋愛論」「嫉妬・孤独論」「愛人論」「強姦・誘惑論」「反恋愛論」の全七章構成である。それぞれの章の末尾に章ごとの主題に沿ったブックガイドが付いている。
ブックガイドで紹介された本(一部)
- 童貞を読むためのブックガイド
- オナニスムを極めるためのブックガイド
- 恋愛を深めるためのブックガイド
- 橋本治『恋愛論』
- 孤独を癒すためのブックガイド
- 愛人を掘り下げるためのブックガイド
- 黒岩涙香『弊風一斑 畜妾の実例』
- 強姦を考えるためのブックガイド
- ティモシー・ベイネケ『レイプ・男からの発言』
- 恋愛を超克するためのブックガイド
脚注
書誌情報
- 『もてない男 恋愛論を超えて』筑摩書房〈ちくま新書 186〉、1999年1月19日。ISBN 4-480-05786-2。