アストンマーティン・ヴァンキッシュ
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初代(2001年-2007年)
初代となるV12ヴァンキッシュ(V12 Vanquish)は2000年に発表され、2001年のジュネーブショーに出品された後、発売された。担当デザイナーはイアン・カラム。
2004年、パリサロンで高性能で内外装にも変更を加えられた「V12ヴァンキッシュS」を発表。V12ヴァンキッシュSは、登場時においてアストンマーティン史上最速の車種であった。
日本での価格はV12ヴァンキッシュが2260万円、V12ヴァンキッシュSが2614万円であり、通常は2シーターだがオプションで後席を装着して2+2にすることもできた。
1954年に操業を始めたニューポートパグネル工場で生産された最後の車種である。
2007年、ヴァンキッシュS アルティメートエディションを発表。
初代ヴァンキッシュは2007年7月に生産を終了した。後継車種はDBS V12。
特徴・機構
現代アストンのアイデンティティのVHプラットフォームの基礎となる、カーボンファイバーとアルミの混成ボディフレームを持ち、外装パネルはすべて職人による叩き出しのアルミパネルによって構成される。しかし新世代のDB9やヴァンテージと比べるとメーター類などに若干の古さを感じさせる。
V型12気筒エンジンはフォードのデュラテックV6がベースで、ヨーロッパフォードの本社があるケルンのアストン専用工場で製造された。V12ヴァンキッシュは5.9L V型12気筒 DOHC 460PS/535NmのAM3、V12ヴァンキッシュSは520PS/577NmのAM06である。
トランスミッションは6速セミATであり、パドルシフトを装備する。
2019年9月、イアン・カラムが設立したイアン・カラム・デザインは、ヴァンキッシュ25を公表した。これは、初代ヴァンキッシュをベースとしたレストア・パッケージであり、英国のR-Reforged社によって25台限定で製造される。全体で350か所の変更を加えられており、エンジンはヴァンキッシュSより45kW(60馬力)高い432kW(588馬力)にチューニングされ、インテリアも大幅に手を入れた仕様となっている[1]。
- ヴァンキッシュ25 by CALLUM
- V12ヴァンキッシュS
2代目(2012年-2018年)
2012年6月20日、DBS V12の後継であり、フラッグシップモデルとして、2代目ヴァンキッシュを発表した[2]。(2代目では名前にV12は無し)[3]。担当デザイナーはマレク・ライクマン。
上記発表前には、同年5月下旬、イタリアのコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで、「AM310」と呼ばれるコンセプトモデルとして初公開されていた[4][5]。同年7月には、生産モデルが、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて一般公開となった[6]。また、同年8月にはモントレー・カー・ウィーク(英語版)でも展示された[7]。当時の価格は、車両価格は18万9995ポンドであった。
2013年に「ヴァンキッシュ・ヴォランテ」(Vanquish Volante)が発表された[9]。
2016年に「ヴァンキッシュS」(Vanquish S)が発表された[10]。
2代目ヴァンキッシュは2018年に生産を終了。
特徴・パワートレイン
デザインは、AM310とそれほど変わっておらず、One-77を彷彿とさせるものとなっている。
シャシーは、2001年の初代から受け継がれるVHアーキテクチャの第4世代目を採用しており、剛性は30%向上している[11]。また、ボディーには軽量化のためカーボンファイバー素材[注釈 1]も多用されており、アウターパネルはすべてカーボンファイバー製であり、先代のDBSよりも軽くなっている[6][12]。
エンジンは、5.9L・V12エンジン[注釈 2]である「AM11」を搭載し、最高出力565馬力(573PS)、最大トルク620Nm(63.2kg-m/457 lb⋅ft)を発揮する[13]。また、トランスミッションは、6速ATであった。パフォーマンスとしては、0-100km/h加速が4.1秒、最高速度は295km/hとなっている[13]。
2014年の変更
2014年8月6日、アストンマーティンは、発売後2年が経過して初めて改良版を発表し、その導入は、2015年モデルからであった。エンジンは同じものだが、排気系が改善され、最高出力は576PSに、最大トルクは630Nmに、それぞれ向上した。[14]
トランスミッションに変更があり、ZF社と共同開発し、小型化と軽量化がなされた新型の8速ATが採用された。これにより、0-96km/h加速は4.1秒から3.6秒へ短縮され、295km/hから322km/h以上へと向上した。[14]
ヴァンキッシュ・ヴォランテ

2013年6月19日(英国・現地時間)、アストンマーティンは、ヴァンキッシュ・ヴォランテ(Vanquish Volante)を発表した[15]。また、米国のモントレー・カー・ウィークの最終日曜日に開催されるペブルビーチ・コンコース・デレガンス(英語版)にて世界初公開となった[9][16]。
通常のヴァンキッシュのオープンモデルである。パワートレインはクーペと同じであるが、諸装備により車重が105㎏増加し、1844㎏となっている[17]。このため、加速は0.1秒程度遅くなっている[18]。また、最新のスプリングと、それに加え、新しく調整された3段階(ノーマル、スポーツ、トラック)に設定可能なアダプティブダンピングシステム(ADS)を装備している[17]。
当時のライバル車が金属製のルーフを装備していたのに対し、ヴァンキッシュ・ヴォランテでは3層構造の軽量ファブリック製のルーフを採用している[15][17]。このルーフは、14秒で開閉可能で、空力を考慮して調整されたトノカバーとデッキリッドの下に収納される[18]。トランクの容量は、ルーフの状態にかかわらず、279Lである[15]。
ヴァンキッシュ S

2016年11月16日(英国・現地時間)、ヴァンキッシュ S(Vanquish S)を発表した[19]。また、初の一般公開はロサンゼルスオートショーにおいてであった[20]。通常のヴァンキッシュの高性能版であり、エンジンに関しては、インテークマニホールドの拡大で吸気効率が上がり、最高出力・最高トルク[注釈 3]は600PS・630Nmに上昇した[19][21]。これに加え、トランスミッションやダンパーをはじめとする部分に調整が加えられている[21]。さらに、パフォーマンスとしては、0-100km/h加速は、3.5秒であり、最高速速度は、323km/hとなっている[22]。
翌年1月には、電動ソフトトップを備える、ヴァンキッシュ S ヴォランテ(Vanquish S Volante)も発表となった[23]。
2017年4月24日、日本でクーペ・ヴォランテの両方が初公開となった[22]。東京都内で開催された発表会には、当時のCEOアンディ・パーマー氏も出席した。また、同日から日本市場で発売となることも公表となった[24]。
ヴァンキッシュ ザガート
2016年から2017年にかけて、アストンマーティンはザガートとコラボレーションモデルを4台導入した。いずれも、ヴァンキッシュ Sがベースとなっており、エンジンも、最高出力600PSを発揮する5.9L・V12エンジンを搭載する。クーペ、ヴォランテ、スピードスター、シューティングブレークの4タイプがラインナップされている。

2016年6月22日、ザガートとのコラボモデルであるヴァンキッシュ ザガート(Vanquish Zagato)を発表した[25]。アストンマーティンとザガートとコラボレーションとしては5台目である[26]。また、この発表に先立って、同年5月に開催されたコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ(イタリア)において「ヴァンキッシュ ザガート コンセプト」が公開されていた。デザインはコンセプトモデルからそれほど変化しておらず、ザガートの象徴ともいえる、円形のテールライトリフレクターや、「ダブル・バブル」のルーフが特徴となっている[25][26]。エンジンもベース車と同じ5.9L・V12エンジンを搭載している。限定生産で99台限定である[25]。同年8月2日、日本で公開された[27]。

同年8月22日、ザガートとのコラボレーション第2弾として、米国のペブルビーチ・コンコース・デレガンス(上記参照)おいて、オープントップモデルである、ヴァンキッシュ ザガート ヴォランテ(Vanquish Zagato Volante)が公開された。クーペ同様、99台限定の生産である。エンジンも同じであるものの、オープンモデルであるがゆえに加速性能はクーペに劣り、0-60mphが0.2秒遅い、3.7秒となっている。[28]


2017年8月15日、ザガートとのコラボレーション第3・4弾となる、米国のカリフォルニア州カーメルにおいてヴァンキッシュ ザガート スピードスターならびにヴァンキッシュ ザガート シューティングブレークが発表された。スピードスターは、ヴォランテとは異なり、完全なルーフレスとなっており、“ダブル・バブル”から着想を得たカウルが装備されている。シューティングブレークは、名前の通り、長いルーフラインが特徴となっており。また、電動のテールゲートを装備し、ラッゲージルームにはカスタムメイドのラゲッジセットが採用されている。[29][30]
3代目(2024年-)
| ヴァンキッシュ | |
|---|---|
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フロント | |
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リア | |
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内装(日本仕様) | |
| 概要 | |
| 製造国 | イギリス |
| 販売期間 | 2024年- |
| デザイン | マレク・ライクマン |
| ボディ | |
| 乗車定員 | 2名 |
| ボディタイプ | クーペ |
| エンジン位置 | フロント |
| 駆動方式 | トランスアクスル式FR |
| パワートレイン | |
| エンジン | 5.2L・V型12気筒DOHCツインターボ |
| 最高出力 | 835PS / 6500rpm |
| 最大トルク | 1000N・m / 2500-5000rpm |
| 変速機 | 8速AT(ZF製) |
| サスペンション | |
| 前 | ダブルウイッシュボーン |
| 後 | マルチリンク |
| 車両寸法 | |
| ホイールベース | 2885 mm |
| 全長 | 4850 mm |
| 全幅 | 1980 mm |
| 全高 | 1290 mm |
| 車両重量 |
1774 kg(クーペ)(1910㎏(EU認証空車重量)) 1869 kg(ヴォランテ) |
| 系譜 | |
| 先代 | DBS スーパーレッジェーラ |
2024年9月2日(イタリア・現地時間)、ヴェネツィアにて、フラッグシップモデルとして、3代目ヴァンキッシュ(Vanquish)を初公開した[31][32]。
上記世界初公開と同日、日本でもアストンマーティン ジャパンが、東京のショールーム(The House of Aston Martin Aoyama)において発表を行った。ヴェネツィア以外でワールドデビューと合わせて発表を行ったのは、この東京においてだけである。[32][33]
この3代目ヴァンキッシュは、2023年以降生産終了となった、DBS[注釈 4]の後継となっている[34]。
また、「フロントミドに搭載される世界最高レベルのV12エンジンと最先端のエアロダイナミクス、比類なき存在感を放つカーボンファイバーのボディーワーク、モダンラグジュアリーに新たな基準を打ち立てるインテリアなどをハイライトとし、年間1000台以下の限定生産となるウルトララグジュアリーカー」[35]と謳われている。
以上のような説明にもあるとおり、生産台数は限定で年間1000台となっており、最初は招待制になっている[36]。
納車は2024年第4四半期に開始される予定である[35]。
デザイン
ヴァンキッシュの外観は、EVP兼CCOであるマレク・ライクマンが手掛けた[37]。
象徴的なグリルや長いボンネット、低いルーフラインなどアストンマーティンらしい洗練されたデザインとなっている[38]。また、フロントグリルの開口部は、先代の最終モデルよりも13%広くなっており、フロントの複数の部分は、One-77から着想を得たものである[31][36]。ヘッドライトは、マトリクスLEDが使用されている[37]。他のモデルとの違いが最も顕著なのは、リアエンドで、「シールド」と呼ばれるパネルが取り付けられており、ボディーカラーもしくは、カーボンファイバーで仕上げることができる[36][38]。そのパネルの両側には、7つのユニットからなるLEDライトブレードで構成された、テールライが採用されている[35][38]。さらに、アストンマーティンのV12モデルとしては初のパノラミックガラスルーフが採用され、標準装備となっており、6%の光透過率や保護コーティング等によりカバーの必要がなくなっている[31][35]。
インテリアは、DB12がベースとなっているが、水平に広がるダッシュボードや10.25インチのタッチスクリーンが特徴となっている。また、あえて画面を大きくしすぎず、エンジンスタートやドライブモードなど諸機能は物理ボタンを採用している。シフトノブもレバーのままである。[31][32][35][36]
特徴・パワートレイン
プラットフォームは、V12という大型のエンジンを搭載しているため、DB12とヴァンテージで使用されているものを改良した形となっており、ホイールベースが延長されている。このため、DB12と比較すると、全長は125mm長く、車重は89kg重くなっている。[36]シャシーはアルミだが、先代フラッグシップの「DBS 770アルティメット」横剛性が75%向上している[31][34]。その他のボディーのアウターパネルは、カーボンファーバー製となっている[37]。
搭載されるのは、新たに開発され、手作業で組み立てられている、V型12気筒5.2L・DOHCツインターボエンジン[注釈 5]である[31][39]。このエンジンの最高出力は835PS、最大トルクは1000N・mである[31][37]。また、加速は0-100km/hは3.3秒であり、最高速度は量産車史上最速の345km/hとなっている[39]。さらに、3代目は、ハイブリッドシステムではなく純粋にエンジンのみの搭載であるが、開発当初においては、小型のV8をベースにPHEVを採用する予定であった[36]。しかし、ローレンス・ストロール会長の要望によりV12エンジンの採用が実現した[36][40]。
このエンジンのパワーは、ZF社製の8速ATを介して後輪に伝えられる。また、ターボチャージャーは排気のみで駆動され、オーバーブースト機能も備えている。さらに、エレクトロニックリアLSDと組み合わされたトランスアクスルレイアウトが採用されている。[31][37]
ヴァンキッシュ ヴォランテ

Vanquish Volante
2025年3月25日(英国・現地時間)、イギリスのゲイドン(英語版)において、ヴァンキッシュのコンバーチブルモデルであるヴァンキッシュ ヴォランテ(Vanquish Volante)を発表した[41][42]。デリバリーは2025年第3四半期開始予定。クーペとヴォランテ合わせて年間1000台以下の生産となり、台数限定で注文が受け付けられている[43]。
また、同年の翌日(3月26日)にも、日本の東京(The House of Aston Martin Aoyama)でも世界でいち早く公開された[41]。
ソフトトップのルーフには、「Kフォールドルーフ」と呼ばれる機構が採用されており、シートとリアバルクヘッド間の収納裏にあるハードトップトノカバーの下にこのルーフは収納される[44]。開閉に関しては、時速およそ50km/hまでは行うことができ、14秒で開き、16秒で閉じることが可能である[41][43]。
パワートレインは、クーペから変更なく、V12エンジンにZF製8速AT(e-ディファレンシャル付き)が組み合わされている。また、出力やトルクも、クーペと同様である。ビルシュタイン製DTXダンパーは、クーペと共通だが、ヴォランテの重量配分を考慮し、これを用いたサスペンションを独自にチューニングしている。[41][44]
コンバーチブルのため、車重は95kg増加し、総重量は1,869kgとなっているが、パフォーマンスはほとんど落ちていない。加速性能に関しては、0-100km/hは3.4秒とクーペから0.1秒遅くなっているが、最高速度はクーペと変わらない。[45]
60周年記念モデル
2025年9月10日(英国・現地時間)、アストンマーティンのビスポーク部門(Q by Aston Martin)は60th Anniversary of Volante Editionsを発表した[46][47]。
GTコンバーチブルである「ヴォランテ」の60周年を記念するモデルであり、DB12の記念モデルと同時に公開となった。ヴァンキッシュとDB12は各60台ずつ生産される[46][48]。
ボディは「Qペントランド・グリーン」、ボンネットは「Qウェストミンスター・グリーン」というそれぞれカラーリングとなっている。また、Q by Aston Martinのバッジや専用ホイール、独自のトライトーンカラーウェイなども特徴となっている。[47][49]
- フロント(クーペ)
- 内装(クーペ)
- リア(クーペ)
- フロント(ヴォランテ)
- 内装(海外仕様)(ヴォランテ)
- リア(ヴォランテ)
