アンカット本
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アンカット本(アンカットぼん)とは、小口の三方を切り落とさないで製本した書籍[1]。
洋書は、複数ページを印刷した大きな紙(刷本)を折り曲げ[2]、仕上げ寸法に合わせて周囲を切り落とす(仕上げ裁ち[3]、化粧裁ち[4])という工程で製本される[5]。この最後の断裁の工程の全部もしくは一部を行わないのが「アンカット」であり、アンカットのまま製本した本が「アンカット本」である[1]。本綴じの場合も仮綴じの場合もあるが[1]、現代のアンカット本の多くは読者(蔵書家)が自ら装幀などの製本作業を行うため作られ、多くは仮製本で流通している[1]。日本では「アンカット本」を指して「フランス装」[1]「フランス綴じ」[1]と呼ぶこともあるが、本来は異なる概念である。
ヨーロッパにおいて、仕上げ断ちを行った本の流通が普通になったのは17世紀以降という[3]。それ以前の読者は、本の袋になった部分(折丁)をペーパーナイフを用いて切り開きながら読む必要があり[3]、自分の好みに合わせて製本し、蔵書に加えるのが一般的であった。ただし、フランスでは20世紀中頃でも仕上げ裁ちをしていない書籍も普通に発行されていた(たとえば、カミュの『異邦人』など[6])。また、ヨーロッパにおいては現代においても手製本は趣味として残っており(製本#西洋式手製本参照)、アンカット本が作られている[1]。再製本を前提とするために、アンカット本は多くの場合は仮製本のみを行った形で流通している[1]。日本では特殊な例を除き、アンカット本は作られていない[1]。
