アヴォンリー
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産業
アン・シリーズは1作目から最終作までに30年以上の時が経過するため、ここでは主に1作目『赤毛のアン』時代のアヴォンリーについて解説する。
農業が盛んであり、グリーンゲイブルズ[1]、オーチャードスロープ[3]、かもめ岬農場(Gull Point Farm)[4]といった農園、果樹園が存在する。
宗教
住人の多くは長老派教会であり「バリー家の池」をのぞむ地に教会と牧師館をかまえ、年俸750ドル[注 1]で牧師を招聘している[6]。教会の教えに従い飲酒をよしとせず酒を造ることをよしとしていない[7][8]。クリスマスも禁じられているため、大きく祝うことはない[9]。『アン・シリーズ』主人公の養親であるカスバート兄妹においては、兄はクリスマスにアンにプレゼントを贈り、妹はカシス酒を製造しているが、牧師夫人であったモンゴメリは教義を意識した上で注意して書いたているとモンゴメリとアン・シリーズの研究者である松本侑子は解説している[9]。
政治
住民の大半は保守党であり、首相がプリンス・エドワード島を訪問した際には、村の男性のほとんどと女性の多くが村から30マイル離れたシャーロットタウンまで足を運んだ[10]。
文化
農村であり鉄道が開通しておらず大きな商業施設も存在しないため、近隣の町村まで場所や徒歩で移動することとなる。(フランス領からイギリス領へとなった経緯により)プリンスエドワード島の他の地域と同様にフランス人への差別が色濃く残る[11]が、激しい差別ではなくグリーンゲイブルズやオーチャードスロープなどで幾人ものフランス人が村で労働している。フランス人の多くは長老派であるプロテスタントではなくカトリックであることから異端として描かれているとも指摘されている[11]。
近隣
- カーモディ
- キャベンディッシュ在住自体のモンゴメリが買い物に利用したスタンリーブリッジがモデルとされる村[12]。作中においても村民の買い物に利用され[13]る他、作中に鉄道の支線が開通し駅が作られアヴォンリーの最寄り駅となった[14]。
- ホワイトサンズ(ホワイトサンド)
- 村から海岸線に沿って東に5マイルに位置する町で、ラスティコがモデルとされている[12]。巨大なホワイトサンズホテルが建ち、夏にはアメリカ人が避暑地として利用する[15]。鉄道が開通しており駅が存在する[1]が、作中においてはアヴォンリーの住人は利用しない。ホワイトサンズホテルのモデルはラスティコにかつて存在していたシーサイドホテルと言われている[16]。ダルベイ・バイ・ザ・シーをモデルと記述する媒体も存在する[17]が、同ホテルはケビン・サリバンによる『赤毛のアン』シリーズのスピンオフ作品『アボンリーへの道』において作中のホワイトサンズホテルとして撮影に使用されたものである[18]。
- ブライトリヴァー
- 村から南に8マイルに位置する町で鉄道駅が存在する[1]。アヴォンリーの最寄り駅と解説されることもある[19]。モデルはハンターリヴァーとされている[12]。
- グラフトン
- イースト、ミドル、ウェストの3地区に分かれる巨大な街。作品により村や他の町からの距離の描写に違いがあり、方角も示されていない。
モデル
キャベンディッシュがモデルとされている[20]が、他の地と同じくモンゴメリにより、モンゴメリ視点で創作されている。キャベンディッシュは村と呼ばれがちだが、その実態は農園の共同体であった[20]。
アヴォンリー近辺には鉄道駅として、カーモディ、ホワイトサンズ、ブライトリヴァーの3駅が登場し、アヴォンリーとブライとリヴァー間を馬車で軽く往復している[1]が、キャベンディッシュから最寄り駅のハンターリヴァーまで(悪路のため)片道で半日の道のりであり、カーモディやホワイトサンズのように北岸への鉄道開通は計画こそ存在したが実現しなかった[20]。
施設建物としては、グリーンゲイブルズのモデルとなった農場と家屋はモンゴメリの祖父の従兄弟が営む農場として存在しており、独身の兄妹が養女を引き取り育てていた[21]。公開されているグリーンゲイブルズの家屋は1940年代半ばから何度も作中の描写に近づくよう改修されており、緑色に塗られたのも改修後である。パークス・カナダにより1985年に行われた改修では家屋内部も『赤毛のアン』の描写を再現する形に改修されている[22]。モンゴメリ自身はグリーンゲイブルズは「ほとんど架空の存在だった」と語っている。作中の重要キャラクター「レイチェル・リンド」の家はリンドの家と同じく窪地に建てられていた「レイチェル・マクニールの家」がモデルとされている[23]。移築され1942年に宿泊施設「シャイニング・ウォーターズ・カントリー・イン」として営業を開始した[24]。