イヌサフラン
ユリ目イヌサフラン科の植物
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分布
特徴
毒性
猛毒。種子や球根にアルカロイドの一種コルヒチンを含む[5]。日本の有毒植物の代表格であるトリカブトが、2006年から2016年の間に3人の死者を出しているのに対し、イヌサフランは同じ期間に11人の死者を出しており、誤食による食中毒が発生しやすい植物とされる[6]。
早春に群がって出るイヌサフランの葉を食用の山菜であるギョウジャニンニクと間違えた事故もあり[5]、鱗茎はジャガイモやタマネギと間違えられることがある。また、ミョウガに間違われた事例もあった。イヌサフランは上記のとおりコルヒチンを含んでおり、これを誤って摂取すると下痢、嘔吐、皮膚の知覚麻痺、呼吸困難を発症し、重症の場合は死亡することもある[7]。またサフランと似ているため、花柱を乾燥させた物がスパイスや鎮静・鎮痛・通経薬として使用できると誤認しての中毒例もある。園芸品種コルチカムは、土に植えなくても開花することで知られる園芸植物であるが、テーブルなどに置かれた球根を子どもやペットが誤って食べないように、注意する必要がある[5]。
イヌサフランとギョウジャニンニクの見分け方
イヌサフランと食用のギョウジャニンニクは見た目がよく似ているが、根と匂いに違いがある。
ギョウジャニンニクの根本は赤紫色で、根っこは長いひげのように伸びる。また、葉をちぎるとニンニクの強い臭いが広がる。これに対し、イヌサフランの根元は緑色で、根っこは球根になっている。葉をちぎっても、ほとんど臭いがしない。山菜採りの時期は毎年のようにイヌサフランの誤食による死亡事故が発生しているため、注意が必要になる[8]。
死亡例
2007年4月、新潟県で50代の男性がギョウジャニンニクと一緒に誤ってイヌサフランを摂食し、その後死亡した[9]。
2014年9月、静岡県御殿場保健所管内で70代の男性が、ギョウジャニンニクと間違えて栽培を続けていたイヌサフランを煮物にして食べ、その後死亡した[10]。
2015年9月、山形県で高齢の女性が観賞用として栽培していたイヌサフランを摂食し、その後死亡した[11]。
2017年5月、北海道富良野保健所管内でギョウジャニンニクと誤って食べ、一人が死亡する食中毒事件が発生している[12]。
2018年4月、北海道空知地方に住む70代の夫と60代の妻が自宅敷地内に生えていたギョウジャニンニクとイヌサフランをジンギスカンの具材として調理して食し、夫が2日後に死亡。妻も発症したが回復した[13]。
同年7月、北海道十勝地方に住む80代の女性が、自宅敷地内で採ったイヌサフランの球根をイモと間違えて煮物にして食べ、2日後に死亡した[14]。イモと誤食し、食中毒が発生した事例は道内では初とみられる。
2025年6月下旬、岡山県に住む80代の男性が、自宅庭の園芸用プランターに植えていたイヌサフランの球根をタマネギと間違えて食べてしまい、医療機関を受診したが2日後に死亡[15][16]。
2026年4月、北海道札幌市の70代女性が自宅の庭に観賞用に植えていたイヌサフランをギョウジャニンニクと誤認し、調理して食べ、死亡した[17]。
園芸品種
イヌサフランを園芸用に品種改良したものはコルチカム(コルヒカム、コルキカムとも)ということが多い。
コルチカムは球根草であるが、球根を土に植えなくても秋になると花が咲くという変わった性質がある。球根の下部の片側に突起物があり、この部分と反対側の2か所から蕾が出て開花する。早春から新芽が伸び出し、大きなつやのある葉が6月ごろまで茂る。日当たりのよい室内などに球根を置いて、花を鑑賞してから土に植えても全く問題はない。土に植えておくと自然分球して殖えていく。
球根を犬が食べて死亡した例が報告されている。土に植えない、または室内などに球根を置いて花を咲かせる場合は特に注意が必要である。
