イ・チャンドン
大韓民国の映画監督、脚本家、小説家 (1954-)
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イ・チャンドン (이창동、1954年4月1日 - ) は、韓国の映画監督、脚本家、小説家、映画プロデューサー。
| イ・チャンドン 이창동 | |||||||||||||||||||
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| 生年月日 | 1954年4月1日(72歳) | ||||||||||||||||||
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| 職業 | 映画監督、脚本家、小説家、映画プロデューサー | ||||||||||||||||||
| ジャンル | 映画 | ||||||||||||||||||
| 活動期間 | 1993年[1] - | ||||||||||||||||||
| 主な作品 | |||||||||||||||||||
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『ペパーミント・キャンディー』 『オアシス』 『シークレット・サンシャイン』 『ポエトリー アグネスの詩』 『バーニング 劇場版』 | |||||||||||||||||||
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来歴
生い立ち
韓国慶尚北道大邱市(現・大邱広域市)で生まれる[1]。母親は韓服を作る店を営んでいた[4]。10年上の兄は演劇をやっていた。兄が自宅に仲間を集め、シェークスピアやイヨネスコやペーター・ハントケの戯曲を練習するのを見ながら成長した。姉は脳性麻痺を患っていた[4]。1965年、通学していた明徳(ミョンドク)小学校で映画『あの空にも悲しみが』の撮影が行われた。イは「出たい」と申し出て、傘をさして校門を通る児童役で出演した[4]。
1967年1月、韓国初の長編アニメーション映画『ホン・ギルドン(홍길동)』が公開された。12歳のときだった。チケット売り場には子どもらが列を作り、イ・チャンドンも並んだ。ところが自分の番が回って来たときに突然列から離れたい気持ちにかられる。イは次のように回顧している[4]。
結局列から離れました。今思うと私は無意識に子供の世界から逃げたかったのです。そして別の映画館に行ってみたら『ロード・ジム』という映画を上映していました。どんな映画なのか何も知らないままチケットを買いました。生まれて初めて自分の小遣いで選んで見た映画です。冒頭に嵐の海のシーンがあり、ジャングルや原住民が出てきます。そして主人公は理解できない行動を取っていきます。特に最後は死を予期しながらも霧深い海へ・・・死へと向かっていきます。経験したことのない未知の世界を経験し、未知の恐怖を体験した映画です。ラストでの主人公の行動はまるでコンラッドの別の小説『闇の奥』のように、闇の中心、ハート・オブ・ダークネスへと向かっていく。私は子供ながらにそのことを感じ取ったのだと思います。最初の映画での経験が、自分でも知らぬ間に人生を理解するきっかけになっていた。
1970年代後半から民主化運動の中心的存在として活動した。1980年に慶北大学校師範学部国語教育学科韓国文学部を卒業。その後、1981年から1987年まで教師生活を送っていた。
1983年に小説「戦利」を発表。同作で東亜日報新春文芸賞を受賞した。
映画界へ
1993年に『あの島に行きたい(그 섬에 가고 싶다)』の脚本を執筆し、映画界に進出。同作では助監督も務めた。
1997年に長編『グリーンフィッシュ』で映画監督としてデビューした。
1999年10月、2作目の『ペパーミント・キャンディー』が釜山国際映画祭のオープニング作品として上映された。取材で映画祭を訪れていた韓国の『毎日新聞』記者は本作を論じ、絶賛した[5]。海外でも翌2000年の第53回カンヌ国際映画祭の監督週間部門に出品され、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭とブラチスラバ国際映画祭では審査員特別賞を受賞した[6]。また、同作は国内で一部の熱狂的なファンを生んだ[7]。
2002年の『オアシス』は第59回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、銀獅子賞 (監督賞)を受賞した。翌2003年には盧武鉉政権第1期内閣の文化観光部長官に就任。2004年にはレジオンドヌール勲章オフィシエ章を受賞。
2007年の『シークレット・サンシャイン』は主演のチョン・ドヨンにカンヌ国際映画祭女優賞をもたらした。2010年の『ポエトリー アグネスの詩』は第63回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した。
2018年に村上春樹の短編小説『納屋を焼く』を映画化した『バーニング 劇場版』を発表。第71回カンヌ国際映画祭では主要部門無冠に終わったものの、批評家の間ではカンヌ史上最高の評価を獲得し、アカデミー国際長編映画賞の韓国代表として史上初の最終選考入りを果たした。
2022年4月、第23回全州国際映画において、イ・チャンドンの25周年を記念して特別展「イ·チャンドン 見えないものの真実」が開催された[8]。このときワールドプレミアとしてドキュメンタリー映画『イ・チャンドン アイロニーの芸術』(監督:アラン・マザール)が公開された。
2025年5月、新作長編映画のタイトルが『Possible Love(原題)』であることが公表された。2組の夫婦の人生の絡み合いが描かれる。主役のミオクとホソク夫婦を演じるのはチョン・ドヨンとソル・ギョング、もう一組の夫婦のサンウとイェジを演じるのはチョ・インソンとチョ・ヨジョンとされる[9][10][11]。
作品
映画
監督作品
- グリーンフィッシュ 초록 물고기(1997年)
- ペパーミント・キャンディー 박하사탕(1999年)
- オアシス 오아시스(2002年)
- シークレット・サンシャイン 밀양(2007年)
- ポエトリー アグネスの詩 시(2010年)
- バーニング 劇場版 버닝(2018年)
- 心臓の音 심장소리(2022年、短編)
監督作品以外
小説
受賞歴
- 1983年 - 東亜日報新春文芸賞 (「戦利」)
- 1992年 - 第25回韓国日報文学賞(『鹿川は糞に塗れて』)
- 1997年
- 2000年
- カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭審査員特別賞 (『ペパーミント・キャンディー』)
- ブラチスラバ国際映画祭審査員特別賞 (『ペパーミント・キャンディー』)
- 大鐘賞作品賞、監督賞 (『ペパーミント・キャンディー』)
- 2002年
- 第59回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞 (監督賞)、国際映画批評家連盟賞、SIGNIS賞、全キリスト教会賞 (『オアシス』)
- 2004年 - レジオンドヌール勲章オフィシエ章
- 2008年
- 第2回アジア・フィルム・アワード作品賞、監督賞 (『シークレット・サンシャイン』)
- 第44回百想芸術大賞監督賞、第10回ディレクターズ・カット・アワード監督賞(『シークレット・サンシャイン』)
- 2010年
- 第63回カンヌ国際映画祭脚本賞 (『ポエトリー アグネスの詩』)
- 大鐘賞作品賞、脚本賞 (『ポエトリー アグネスの詩』)
- 2011年
- フライブルク国際映画祭グランプリ、国際映画批評家連盟賞 (『ポエトリー アグネスの詩』)
- 第5回アジア・フィルム・アワード監督賞、脚本賞 (『ポエトリー アグネスの詩』)
- 2018年
- 第55回大鐘賞作品賞、釜日映画賞監督賞(『バーニング 劇場版』)
- 第44回ロサンゼルス映画批評家協会賞外国語映画賞(『バーニング 劇場版』)[12]
- 2019年 - 第13回アジア・フィルム・アワード監督賞、特別功労賞(『バーニング 劇場版』)