エリアイ (レーダー)
From Wikipedia, the free encyclopedia
|
グローバルアイ AEW&C | |
| 種別 | 3次元レーダー (フェーズドアレイレーダー) |
|---|---|
| 目的 | 対空捜索用 |
| 開発・運用史 | |
| 開発国 |
|
| 就役年 | 1996年 |
| 送信機 | |
| 周波数 | Sバンド |
| アンテナ | |
| 形式 | アクティブ・フェーズドアレイ (AESA) |
| 直径・寸法 | 全長8 m×幅0.6 m |
| アンテナ利得 | 36.5 dBi |
| ビーム幅 | 幅0.7度×高さ9度 |
| 方位角 |
全周走査可能 (性能発揮は両脇150度ずつ) |
| 探知性能 | |
| 探知距離 |
240 nmi (440 km) (最大) 180 nmi (330 km) (戦闘機) 80 nmi (150 km) (巡航ミサイル) |
| 探知高度 | 20,000 m (66,000 ft) |
| その他諸元 | |
| 重量 | 900 kg |
エリアイ(英語: Erieye)は、エリクソン・マイクロウェーブ・システムズ社(現在のサーブ・マイクロウェーブ・システムズ社)が開発した3次元レーダー(フェーズドアレイレーダー)。航空機搭載用の早期警戒レーダーとして用いられ、形式名は当初はPS-890、後にはFSR-890[1]、現在ではASC-890となっている[2]。スウェーデン空軍のS100B「アーガス」早期警戒機の場合、機体を含めて単価は約34億円程度とされる[3]。
スウェーデン軍では1970年代より早期警戒機について検討していたが、当初は戦闘機に捜索ポッドを搭載する方式が検討されていた[2]。その後、1982年にマルガレータ・アフ・ウグラス議員が議会に提出した案に基づき、ターボプロップ輸送機に背負式にレーダーを搭載する方針に転換した[2]。1985年、エリクソン社は、スウェーデン国防省防衛資材局(FMV)より早期警戒機用のレーダーの開発を受注した[2]。この注文ではアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ(AESAアンテナ)を用いることを求めており、先見の明があった[2]。
試験の段階ではフェアチャイルド メトロIII(Tp.88)が搭載母機として選定され、早くも1982年にはFMVからメトロIIIの早期警戒機版の開発が発注されており、1983年にはダラスのリング・テムコ・ボート社の施設を用いて風洞試験も行っていた[1]。1986年にFMVが試験の発注を行い、同年10月よりエリアイのモックアップを搭載して試験を行った後、1987年10月にはスウェーデンに回航され、1991年5月よりレーダーの実機を搭載しての試験が開始された[1]。この時点では機上信号処理は行われていなかったが、1992年からは機上信号処理も行われるようになった[2]。
1992年12月、FMVはエリクソン社に対し、12億クローナで6セットを発注した[4]。実用機では、搭載母機としてはサーブ 340が選定され、1993年より生産が開始されて、1996年から1999年にかけて引き渡された[4]。
設計
本機は、航空機の上方に棒状のアンテナを搭載する、いわゆる「バランスビーム」型の捜索レーダーの代表格とされている[3][5]。アンテナを収容した全長 約9メートルのポッドは4本の支柱によって支えられており、内部にはアクティブ・フェイズドアレイ(AESA)型アンテナとともに、レーダー機器や補助動力装置(APU)を収容している[3][5]。またポッドの前後には、これらの機器を冷却するための吸排気口が設けられている[3][6]。
このような設計から、基本的には側面監視機上レーダー(SLAR)であり、当初はポッドの両側面に設けられたアンテナ1面ごとに、方位角にして120度ずつ(合計で240度)しか監視できなかった[3]。後には全周走査可能となったものの、やはり前後方に死角ができやすく、理想的な探知性能を発揮できるのは両脇150度ずつとされている[6][7]。
レーダー関連の機材のほとんどがポッド内に収容されていることから、航空機のキャビンには、コンソールとパワーユニットなどが配置される程度であり、30席級のリージョナルライナーであれば十分に搭載可能なコンパクトなシステムとなっている[3]。オペレータは、搭載母機が小型のサーブ 340であれば3名、比較的余裕があるサーブ 2000やエンブラエル ERJ 145であれば5名が配置される[6]。またリンク 11やリンク 16による戦術データ・リンクにも対応している[8]。
なおエリアイの発展型として開発されたエリアイERでは、搭載母機としてはグローバル 6000が選ばれており、機体を含めたAEW&C機全体としてはグローバルアイと称される[2][5]。スウェーデン空軍も、S100Dの後継として導入予定であり、S106の形式名が与えられる[5]。
- Tp.88への搭載状態
搭載機と採用国
- フェアチャイルドTp.88(実用試験の際に搭載)
- サーブ 340 - サーブ 340 AEW&C
- サーブ 2000
- エンブラエル ERJ 145 - エンブラエル R-99
- グローバル 6000 - グローバルアイ