オニオコゼ属

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オニオコゼ属(オニオコゼぞく、学名Inimicus)は、オニオコゼ科の下位分類群の1つ。インド太平洋熱帯から温帯にかけて分布し、沿岸のラグーンから沖合岩礁まで、海底の柔らかい場所に生息する。9種が分類されており、ghoul、goblinfish、sea goblin、spiny devilfish、stinger、stingfishといった英名がある。

下位分類

1904年にアメリカ魚類学者であるデイビッド・スター・ジョーダンエドウィン・チャピン・スタークスによって設立され、タイプ種は Pelor japonicum であった[1]。この種は1829年にジョルジュ・キュヴィエによって記載され、タイプ産地は中国日本であった[2]。以前はフサカサゴ科のオニオコゼ亜科に分類されていたが[3]、現在はオニオコゼ科のChoridactylinae 亜科に分類されている[1]。属名は「敵」を意味し、漁師が毒棘を恐れていたことに由来する[4]

どの種も外見はよく似ている。FishBaseでは10種が認められているが[5]、セトオニオコゼ I. joubini はオニオコゼの種内変異とされたため、現在この属には9種が分類されている[6]

分布と生息地

西はエジプト沖の紅海から東はニューカレドニアまで、南はオーストラリアニューサウスウェールズ州北岸から北は青森県まで、インド太平洋熱帯亜熱帯温帯海域に分布する[7][8]底魚であり、水深5-450mのマングローブ林サンゴ礁に生息する[9][10]。また岩礁や砂泥底でも見られる[11]

形態

体長は通常13-25cm、体重は最大480gに達する。体色は黄土色、灰色、茶色、錆色で、明色の斑点が入る。この体色は生息地である砂底やサンゴ礁の海底の色と似ており、擬態の役割がある。鱗は側線鱗のみで、体は毒棘と突起で覆われる。頭部は凹んでおり、目、口、鼻孔は突出する。Inimicus sinensis には性的二形がある[12]

背鰭は15-17棘と7-9軟条から成る[9][10][13]。尾鰭は2-4棘と4-14軟条から成り、基部と先端付近には暗色の帯が入る。腹鰭は1棘と3-5軟条から成る。胸鰭は10-12条から成り、そのうち後方の2本は遊離軟条となっている。遊離軟条は下を向いており、体を支え、海底を歩くことが出来る[14][15][16][17]。胸鰭の腹側には幅広い黒色の帯が入り、基部と先端には明色の小斑点が散らばる。I. filamentosus は帯が細く、I. sinensis では帯に黄色の斑点が入る[15]

生態

魚食性であり、獲物を待ち伏せて捕食する。夜行性であり、日中は海底に体の一部を埋め、砂などで体を覆って擬態する。天敵は不明だが、脅威を感じると鮮やかな胸鰭と尾鰭を広げて威嚇する。一度海底に潜ると、中々逃げ出さない。胸鰭の遊離軟条を足のように使い、海底を這うようにゆっくりと移動する[9][10][14][15][16][17]。胸鰭は底生生活に適応しており、遊泳の役割は無く、索餌、体を持ち上げる、歩行といった役割がある[14]。本属の他にも、ホウボウ科は胸鰭を用いて海底を歩くことが知られている。こうした胸鰭での移動を、陸上生物の歩行と関連付ける見解もある[18]

人との関わり

出典

関連項目

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