オメラスから歩み去る人々
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『オメラスから歩み去る人々』(英語: The Ones Who Walk Away from Omelas)は、アーシュラ・K・ル=グウィンの短編小説。1973年発表[1]。1974年ヒューゴー賞短編小説部門受賞[2]。架空の都市オメラスを題材にした思考実験的小説[3]。
あらすじ
背景
「オメラス」(Omelas)という都市名は、ル=グウィンが車を運転中、バックミラーに映った「オレゴン州セーレム」(Salem, Oregon)という道路標識に由来する[1]。
本作の副題が『ウィリアム・ジェームズの主題による変奏曲』であるように、本作は哲学者ジェームズの著作に着想を得ている[1]。ジェームズは論文「道徳哲学者と道徳生活[4]」(1891年)で「数百万人の幸福が、一人の不幸を条件に成立しているとしたら、その幸福はおぞましいものではないか」という問いを提示している[1]。
本作は思考実験的な作品であり[3]、功利主義[5][6][7]や反出生主義[8]の議論でもしばしば取り上げられる。
ル=グウィン『所有せざる人々』(1974年)は本作の後継的作品にあたる[9][3]。ル=グウィンは本作と同様の作品を「サイコミス」(psychomyth、心理神話、精神神話)と自称している[2]。
日本語訳
- 浅倉久志訳「オメラスから歩み去る人々 ウィリアム・ジェイムズのテーマによるヴァリエーション」
- 『世界SF大賞傑作選(ヒューゴー・ウィナーズ)7』アイザック・アシモフ編、講談社〈講談社文庫〉、1979年。NDLJP:12582876
- 『風の十二方位』小尾芙佐他訳、早川書房〈ハヤカワ文庫SF〉、1980年。ISBN 978-4150103996
- 『きょうも上天気 SF短編傑作選』大森望編、浅倉久志訳、角川書店〈角川文庫〉、2010年。ISBN 978-4042982135
- 柴田元幸訳「オメラスから歩き去る者たち ウィリアム・ジェームズの主題による変奏曲」
- 『英文精読教室 第1巻 物語を楽しむ』柴田元幸編訳、研究社、2021年。ISBN 9784327099015