カズラガイ

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カズラガイ
Phalium flammiferum 01
分類
: 動物Animalia
: 軟体動物Mollusca
: 腹足綱 Gastropoda
階級なし : 新生腹足類 Caenogastropoda
上科 : ヤツシロガイ上科 Tonnoidea
: トウカムリガイ科 Cassidae
: タイコガイ属 Phalium
: カズラガイ
P. flammiferum[1]
学名
Phalium flammiferum (Röding, 1798)
和名
カズラガイ (鬘貝, 葛貝)[2][3]
英名
Striped bonnet[4]
中名 条紋鬘螺(tiáo wén màn luó)
溝紋鬘螺(gōu wén mán luó)[5]

カズラガイ(鬘貝または葛貝, 学名: Phalium flammiferumは、トウカムリガイ科に属する巻貝で、白地に橙褐色の縞模様の美しい貝殻を持ち、砂底に棲む貝である[6]

貝殻は殻高約7cm以下で、螺塔は低く、丸みのある堅固な貝殻を持つ。体層は広く、浅い螺溝が巻かれ、白地に橙褐色の縦縞が描かれる。水管溝は背側に反り返り、殻口外唇部は肥厚して外側へ反り返る。タイコガイ属の特徴として、貝殻の成長は比較的短期間に一気に行われ、殻頂から見て時計回りに約240度まで伸長した場所で再度外唇部を肥厚させ安定期に移る。成長前の外唇は完全には溶解吸収されず、縦張肋として反時計回りに約240度戻った場所に残される[7]。白色の広い足をもち、前方に触角が突き出し、そのつけねに小さい眼がある。水管を水管溝から上方に突き出して海水を吸入する。蓋は殻口に比べて小さく角質で薄い[6][8]。本種は、内湾や日本海沿岸[9]に棲む、貝殻全体に螺溝が刻まれ腹面に滑層が広がるタイプをカズラガイPhalium variegatum[10]と呼ばれる。一方、外洋に棲み貝殻が若干縦長で、殻表の上側は平滑で滑層が厚く広がらないタイプは、ナガカズラガイと呼ばれ区別される[11][12]。愛知県周辺では両者は混在しており生息深度が若干異なるようである[13]。 画像はナガカズラ。

Naturalis Biodiversity Center - ZMA.MOLL.95891 - Phalium flammiferum (Röding, 1798) - Cassidae - Mollusc shell

生態

水深10-50mの砂底に棲み、トウカムリガイ科の特徴として、ウニタコノマクラなどの棘皮動物を酸で溶かして食べる[6][14][7]

分布

日本海側は新潟以西、太平洋側は房総半島以西で、台湾南シナ海にかけて分布する温暖種である[6][5][9]。但し近年は北海道や青森県のような寒冷地でも確認されている。

人との関係

江戸時代後期の武蔵石壽による『目八譜』に「鬘介」(かずらがい)として紹介されている[2]。肉は臭いため食用とされない。貝殻は美しいので好まれ、2015年発行の日本郵便「夏のグリーティング」82円切手にカズラガイの図が採用されている[15]。近年、内湾に棲む滑層が広がり螺溝が全体に残るタイプが減少しているため、愛知では準絶滅危惧種に指定されている[13]

化石

成田市大竹や渥美半島更新世の地層から化石が見つかっている[16][17]

関連の種

  • コダイコガイ Phalium areota[18] 四角斑が並ぶ。紀伊半島以南のインド-西太平洋。
  • オトヒメカズラガイ Phalium muangani[19] 縦縞が不規則でとぎれるところがある。螺塔がナガカズラガイよりも若干高く貝殻がやや縦長。房総半島以南の西太平洋、水深50-100m。
  • ヌノメカズラ Phalium decussatum[4] 台湾中国に分布。四角斑列の模様だが、稀に縦縞の個体もある。
  • マキミゾタイコガイ Phalium exaratum[4] インド洋マスカリン諸島などに希産。螺溝があり滑層が広がる。
  • アツウラシマガイ Semicassis granulata大西洋産。螺溝と滑層があるが、個体によって殻表が平滑のこともある[7][20]。幼生は14週間浮遊生活をおくる。
  • ムカシウラシマ Liracassis yokoymai (Kuroda, 1933)島根県富山県中新世の地層から産出[21]

出典

参考文献

外部リンク

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