カルムスチン
抗悪性腫瘍剤
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カルムスチン (英語: Carmustine) は、別名BCNU (bis-chloroethylnitrosourea) とも呼ばれるβ-クロロ-ニトロソウレア化合物であり、アルキル化剤として癌化学療法に用いられる。日本では2012年9月に承認を取得した[6]。
| 物質名 | |
|---|---|
別名 N,N'-Bis(2-chloroethyl)-N-nitrosourea, bis-chloroethylnitrosourea, BCNU | |
| 識別情報 | |
3D model (JSmol) |
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| ChEBI | |
| ChEMBL | |
| ChemSpider | |
| DrugBank | |
| ECHA InfoCard | 100.005.309 |
| EC番号 |
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| KEGG | |
| MeSH | Carmustine |
PubChem CID |
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| RTECS number |
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| UNII | |
| 国連/北米番号 | 2811 |
CompTox Dashboard (EPA) |
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| 性質 | |
| C5H9Cl2N3O2 | |
| モル質量 | 214.05 g·mol−1 |
| 外観 | 橙色の結晶 |
| 匂い | 無臭 |
| 融点 | 30 °C (86 °F; 303 K) |
| log POW | 1.375 |
| 酸解離定数 pKa | 10.194 |
| 塩基解離定数 pKb | 3.803 |
| 薬理学 | |
| L01AD01 (WHO) | |
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| ライセンスデータ | |
| 法的状態 | |
| 危険性 | |
| GHS表示: | |
| Danger | |
| H300, H350, H360 | |
| P301+P310, P308+P313 | |
| 致死量または濃度 (LD, LC) | |
半数致死量 LD50 |
20 mg kg−1 (経口, ラット) |
| 関連する物質 | |
| 関連する尿素 | 1,3-ジメチル尿素 |
| 関連物質 | |
BCNUはジアルキル化剤であるので、2本のDNAを架橋固定して、DNA複製および転写を阻害する。血液脳関門を通過する。原薬は黄橙色の固体である。
商品名はギリアデル。米国ではBiCNUという商品名で、インドではCarustineという商品名で販売されているほか、欧州およびアジア諸国など29カ国で承認されている。
適応
日本では、脳内留置用製剤が悪性神経膠腫の腫瘍切除後に用いられる[7]。
米国では、脳腫瘍(神経膠腫、多形膠芽腫、髄芽腫、星状細胞腫を含む)のほか、多発性骨髄腫や悪性リンパ腫(ホジキンおよび非ホジキンに用いられる。BCNUはO6-ベンジルグアニン(日本未承認)などのアルキルグアニントランスフェラーゼ(AGT)阻害薬と併用されることが多い。AGT阻害薬はグアニンのN1とシトシンのN3の間で架橋されたDNAの修復を阻害する事でBCNUの有効性を高めることができる。
米国には静脈注射用製剤もあり、骨髄移植の一つ造血幹細胞移植で患者(被移植側)の白血球数を減らすためにも用いられる。この場合通常は、フルダラビンおよびメルファランが併用される。
副作用
治験での副作用発生率は54.2%であり、その主な内容は、脳浮腫(25.0%)、発熱(12.5%)、リンパ球数減少(12.5%)、片麻痺(不全片麻痺を含む)(12.5%)、悪心(8.3%)、嘔吐(8.3%)、食欲減退(8.3%)、頭痛(8.3%)、ALT (GPT) 増加(8.3%)であった[7]。
重大な副作用として、日本の添付文書には、
- 痙攣、大発作痙攣、脳浮腫、頭蓋内圧上昇、水頭症、脳ヘルニア、
- 創傷治癒不良、感染症(創傷感染、膿瘍、髄膜炎など)、
- 血栓塞栓症(脳梗塞、深部静脈血栓症、肺塞栓症など)、出血(腫瘍出血、脳出血、頭蓋内出血など)
が挙げられている。

